〇お知らせ〇
同じ内容をインスタグラム「不二聖心女子学院フィールド日記」(クリックするとインスタグラムのページが開きます)にも投稿しています。より高画質な写真を載せていますのでぜひフォローしてください。

フィールド日記

2013.06.23

電気柵の今日の様子

モリアオガエルの卵にヤマトシリアゲ襲来  モリアオガエルにシマヘビ襲来







2013.06.23  Sunday
「共生の森」に電気柵を設置した3日が経ちました。今日確認したところではポールはすべてしっかり立っていました。今日は晴れ間ものぞきましたので、ソーラーパネルの充電も順調に進み、電圧は4700ボルトを記録しました。鹿が柵に触れても負傷することはありません。驚いて学習し、それ以降は柵に近づかなくなるという仕組みです。
「共生の森」の隣のキャンプ場の池では、モリアオガエルが産卵した卵を食べるためにヤマトシリアゲがやってきていました。交尾をしている個体も写っています。ヤマトシリアゲは、交尾の前にオスがメスにプレゼントをするという行為(求愛給餌)でも有名です。このオスはモリアオガエルの卵をプレゼントした気になっているのでしょうか。近くではシマヘビがモリアオガエルの親をねらっていました。親子ともども厳しい自然界を生き抜いていかなくてはなりません。
 

 
今日のことば

いつもどっしりと構え、凛とした姿で静岡県民を見守ってくれる富士山である。その気高さを、自分を律するよすがにしている同志は少なくないはずだ。日本人が畏敬と愛情と誇りを寄せる「宝」が、ようやく、世界に認められた。待ちに待った世界遺産登録の朗報である。日本人にとって古来から、山は神が降り立ち、仏が宿る場所だった。それでも誰もが「霊峰」と呼ぶ対象は限られる。山部赤人が「神さびて」とうたった万葉の時代から、人々の祈りを集めてきた。時の権力者が造営した壮大な社だけが信仰の証しではない。招福を願う庶民の気持ちは修験者を始祖とする「富士講」として共同体に根付き、県内や関東の各地に「わが町の富士山」富士塚が残された。信仰心が薄いといわれる現代人でも、初夢の縁起は富士に託す。(中略)登録をことほぐ県民の一人として、この身近な山と日本人の歴史に、あらためて思いをはせたい。そして、慎み深く共生してきた先人の知恵に倣いたい。「世界の宝」を後生につなぐ責を負った今だからこそ。
「大自在」(静岡新聞)より