フィールド日記
2012.11.15
初霜 球技大会 ハラビロカマキリ コカマキリ
2012.11.15 Thursday
今朝7時の不二聖心の気温は3度でした。「共生の森」では初霜が見られました。
しかし昼間はよく晴れ、絶好の球技大会日和となり、生徒たちの生き生きとプレーする姿が
たくさん見られました。



今日は、ハラビロカマキリとコカマキリを校舎の裏のほぼ同じ場所で見かけました。
背中の白い点がハラビロカマキリの目印です。


キリンビール株式会社のホームページの中で、不二聖心の自然の写真が紹介されました。
ご覧になりたい方は以下のURLをクリックしてください。
http://www.kirin.co.jp/csr/env/special/suigen/forests/fuji/
今日のことば
高校3年生の短歌
気づいたら今週私の誕生日さよなら私の十七歳(セブンティーン)
壮大な秋の絵画が美しい窓という名の巨大なキャンバス
将来はやりたいことが多すぎて収拾つかない頭のノート
覚悟して離れた道を選んでもさよならなんてまだまだ言えない
平和への一歩を担う大統領核なき世界へ新たな四年
繰り返し間違うことの何が悪い七度転んで八起きればいい
噛み締める間もなく日々を駆け抜けて全てが最後の実感沸かず
肩寄せる友に感じるぬくもりが心に積もる憂いを溶かす
ありきたりだけどみんなに伝えたい泣かずに言えるかこの「ありがとう」を
2012.11.14
クサギアブラムシ
キリンビール株式会社のホームページの中で不二聖心の自然の写真が紹介されました
2012.11.14 Wednesday
「共生の森」に生えているクサギの葉の中に縮れてしまっている葉がいくつかありました。それらの
葉の裏には必ずクサギアブラムシが潜んでいます。クサギアブラムシが葉の汁を吸うことによって、
葉の形が変形してしまうのです。「共生の森」以外でも、不二聖心のフィールドでは、このような
クサギの姿をたくさん目にすることができます。


キリンビール株式会社のホームページの中で、不二聖心の自然の写真が紹介されました。
ご覧になりたい方は以下のURLをクリックしてください。
http://www.kirin.co.jp/csr/env/special/suigen/forests/fuji/
今日のことば
「鳥飛んで鳥となり、魚泳いで魚となる」という禅語があります。とすれば、「人祈って、人となる」
といえるのではないでしょうか。というのも、万物の霊長といわれる人間を、動物と確実に区別する
ものは、結局、「祈る」ということしかないと思われるからです。
奥村一郎
2012.11.13
ベニバナボロギク ショウジョウクロバエ
2012.11.13 Tuesday
不二聖心の今朝7時の気温は、7度でした。朝晩の冷え込みがだいぶ厳しくなってきました。
「共生の森」には多くの帰化植物が生えていて、寒さの中でも元気に花を咲かせています。写真の植物はベニバナボロギクで、戦後あっという間に、日本各地に広がりました。戦時中は東南アジア各地に出征した兵士が南陽春菊と呼んで食用にしていたそうです。


すすき野原に咲いている野菊にショウジョウクロバエがとまっていました。夏にやや高い山に現れるハエですが、11月に不二聖心で見られるとは驚きです。個体レベルでも寒さに対する耐性はそれぞれで異なるのかもしれません。

今日のことば
A級戦犯の夫 思いやる夫人 無職 升水 一三 (東京都大田区 77歳)
「時の墓碑銘 此人等信念もなく理想なし」(5日朝刊)が、私を半世紀前にタイムスリップさせました。
私は戦後、隅田川のほとりにあった、進駐軍に接収された病院の受付でアルバイトをしていました。
朝鮮戦争が始まると、米軍の負傷兵が搬送されてきました。そのうち、日本人の患者も運ばれてきて、
日本人もこの戦争を手伝っているのかと、驚いた覚えがあります。
当時、巣鴨拘置所から日本人の戦犯容疑の人たちも数人きていました。A級戦犯では大川周明、東郷茂徳
両氏が一階の病棟に入院していて、ご家族の方が面会に通われていました。そんな中に、ブロンドのドイツ
婦人がおられました。東郷茂徳夫人でした。
ある時、面会日以外の日にみえたので「今日は面会出来ない日ですが」と声をかけました。すると「わかっ
ています。夫と同じ建物の中にしばらく居たいだけです」と受付前のソファに座り、手提げ袋から毛糸の玉
を取りだして、静かに編み物をされていました。
ここにも、戦争に翻弄された人の姿を見る思いでした。
朝日新聞「声」の欄より
2012.11.12
カタバミ ハナカタバミ コバネイナゴ ムジナタケ
2012.11.12 Monday
生きものにとっては、厳しい季節に向かいつつあります。今週は後半にいくにつれて寒さがいっそう増してくるという予報も出ています。そのような中で、不二聖心のフィールドでたくましく生きる動植物を紹介しましょう。
先ずは「共生の森」にたくさん咲いているカタバミです。その旺盛な繁殖力から子孫繁栄を願って家紋のデザインとされることも多いカタバミですが、寒さに対しても相当な耐性があります。

次はハナカタバミです。カタバミの仲間ですが、花の少なくなる季節に不二聖心の正門付近を
美しく彩っています。

次は「共生の森」のコバネイナゴです。植樹のために高校1年生が打ち込んだ杭が多くの生きもの
の日向ぼっこの恰好の場所となっています。

最後はムジナタケです。この表皮が狸の毛皮のようなキノコということでムジナ(狸)タケとい
う名前がつけられました。ムジナタケの生えていた場所のすぐ近くで狸を目撃したことがあります。


今日のことば
生物は細胞からなり、細胞はたくぱく質からなる。それらはすべて分子からなり、分子は原子から、
原子は核と電子からできている。もしそういうことがわかったとしても、生命の神秘は消え失せない。
寺田寅彦の言葉を借りれば、「生命の不思議を細胞から原子に移したというのみで原子の不思議は少し
も変りはない」。
中谷宇吉郎
2012.11.11
「共生の森」の看板 ナガコガネグモの卵のう
2012.11.11 Sunday
昨日の「不二聖心のフィールド日記」で紹介した「共生の森」の看板について、もっとデザインをしっかり見たいという声がありましたので、再度写真を掲載します。


すすき野原で11月9日にナガコガネグモの卵のうの写真を撮りました。近くには母グモと思われるナガコガネグモがいましたが、昨日、そのクモが忽然と姿を消しました。何らかの理由で個体としての一生を終えたものと思われます。しかし、卵のうは残り、種としてのナガコガネグモはこれからもすすき野原で生き続けていきます。


今日のことば
ぼくが ここに いるとき
ほかの どんなものも
ぼくに かさなって
ここに いることは できない
もしも ゾウが ここに いるならば
そのゾウだけ
マメが いるならば
その一つぶの マメだけ
しか ここに いることは できない
ああ このちきゅうの うえでは
こんなに だいじに
まもられているのだ
どんなものが どんなところに
いるときにも
その「いること」こそが
なににも まして
すばらしいこと として
まどみちお
2012.11.10
「小さな親切」運動 ミイラの持ち物、ツリガネタケ
2012.11.10 Saturday
秋晴れの素晴らしいお天気に恵まれました。
今日は静岡銀行裾野支店主催の「小さな親切」運動が不二聖心女子学院の「共生の森」で行われ、静岡銀行裾野支店の方々と渡辺工業の方々とNPO法人「土に還る木・森づくりの会」の方々に「共生の森」の植栽や看板の設置をしていただきました。看板は、不二聖心の高校1年生の生徒のデザインをもとに「土に還る木・森づくりの会」の方々が制作してくださいました。




記念撮影のあとで自然観察会を行いました。写真のキノコはその時に紹介したツリガネタケで、アルプスの氷河で発見された5300年前のミイラの持ち物の中に入っていたキノコとして知られています。5300年前から人類はキノコのお世話になっていました。

今日のことば
「森」のなかで、しずかに自己の内なる声に耳を傾ける。そうして自己とのつながりを取り戻すとき、
単に癒されているだけでなく、その根底で自己を越えたいのちに触れている。そして、単なる個体の
生命を超えたいのちのつながりに結びついていく。
吉田敦彦
2012.11.09
ミニナンバンギセル発見 ヒゲナガヤチバエのかくも複雑な生活史
2012.11.9 Friday
明日、不二聖心女子学院で行われる予定の自然観察会の下見に行ってきました。驚いたのは、ナンバンギセルがまだ咲いていたことです。8月の初旬に咲き始めましたので、もう3カ月以上も咲き続けていることになります。今日は、地面にすれすれに咲くミニナンバンギセルも見つけました。これは、今までに見たことがありませんでした。


ヒゲナガヤチバエが「共生の森」でジョロウグモの巣にひっかかっていました。ヒゲナガヤチバエについて知るには、「ヒゲナガヤチバエの生活史」(永富昭・柳下町鉦敏)という論文がたいへん参考になります。その論文の中には次のような興味深い記述があります。
ヒゲナガヤチバエの幼虫はヒメモノアラガイを食べ、又卵はズイムシアカタマゴバチに寄生されて直接間接人類に役立っている。
ヒメモノアラガイは周知のように肝蛭(かんてつ)の有力な中間寄主で、日本全土、琉球、台湾、支那大陸に分布する。ちなみに肝蛭は牛、羊、山羊、ラクダ、ノウサギ、稀に豚、馬、人の胆管に寄生し、北海道、東北には比較的少ないが、関東、関西、四国、九州では寄生率が高い。ズイムシアカタマゴバチはニカメイガの重要な天敵であるが、寄主の転換を行わなければ世代の維持ができないのであろう。
ヒゲナガヤチバエの卵は夏期水田にたくさん見出されるので、ズイムシアカタマゴバチの存続上大きな貢献をしていることになる。
なんと複雑に入り組んだ「共生の姿」であろうかと思います。

今日のことば
あなた方は研究室で虫を拷問にかけ、細切れにしておられるが、私は青空の下で、セミの声を聞き
ながら観察しています。
あなた方は薬品を使って細胞や原形質を調べておられるが、私は本能の、もっとも高度な現れ方を
研究しています。
あなた方は死を詮索しておられるが、私は生を探っているのです。
アンリ・ファーブル
2012.11.08
モンシロチョウの驚くべき生存率

2012.11.8 Thursday
11月5日に「共生の森」でモンシロチョウの羽化の様子を観察しました。11月に羽化とは珍しいと
思いましたが、「共生の森」にはモンシロチョウの大好きなイヌガラシがたくさん生えていて、モンシ
ロチョウは珍しくないのであまり気にとめませんでした。しかし今日、矢島稔さんの次の文章を読んで、
考え方がまったく変わりました。
私自身、モンシロチョウの生存率を調べたことがある。100個の卵を野外のキャベツにつけ、まったく
人間が干渉しないで、節目節目に生きている個体を調べた。
だいぶ以前のことで細かい死因などは省略するが、孵化した幼虫は86匹、2令幼虫になったもの47匹、
3令になったもの40匹、4令になったもの36匹、5令になったもの34匹、蛹になったもの5匹、羽化した
(成虫になった)もの2匹であった。
つまり98パーセントは死ぬわけで、昆虫類の生存率はそのカーブからL型といわれるが、自然界で生き
残るきびしさがよくわかる。
花々が咲きモンシロチョウが舞う「共生の森」の風景はとても穏やかな感じがしますが、生き物たち
の共生の背後に、このような厳しさがあることに驚きました。この事実を知って以来、一枚の写真に向
ける自分のまなざしも大きく変わりました。学ぶということは、物事が違って見えてくることだと改め
て思いました。
今日のことば
高校3年生の短歌
にじむ空それでも見上げ進んだら今よりちょっとは楽になるかな
つらくても心折れても進むんだもう落ち込まない諦めない
(もうだめ…。)と心の底で叫ぶ時 応えてくれる友がいること
ポケットに手をつっ込んで注意され名言飛び出す「ポケットすんな!!」
仲間とのこのひとときが楽しくて今日も私は五線譜を追う
無謀でも後悔のない道選べ母の言葉に涙あふるる
黄昏に友と夕日をながめつつ不二での秋が静かに去りゆく
2012.11.07
ウラナミシジミ

2012.11.7 Wednesday
「共生の森」でウラナミシジミの写真を撮りました。幼虫がマメ科の植物のツボミやサヤを食べる
ことで知られるウラナミシジミは、冬期にも豆づくりが畑で行われるようになって以降、冬の間も活動
することができるようになりました。人間の生活の変化が生き物の生態を大きく変えた一例と考えるこ
とができます。人間と共に生きてきたウラナミシジミについては、磐瀬太郎氏が全国のアマチュア研究
者に調査を呼びかけたことによって、さまざまなことがわかってきました。その感動的な経緯について
は、日浦勇の名著『海をわたる蝶』(講談社学術文庫)の第2章に詳しく書かれています。
今日のことば
人間ひとりが一生に観察し、実験しうる範囲は知れたものである。秘密主義を排し、手がかりをつかん
だら仲間に知らせよう。ヒントや知識は教え合おう。そしてたくさんの目で新事実を発見し、新しい考
え方を育てよう。
磐瀬太郎
2012.11.06
富士山の裾野に猿が出ました チヂミザサ
2012.11.6 Tuesday
昨日の夕方、聖心橋の近くでサルの群れをみかけました。車が近づくのに気付いたサルたちは林の中
に隠れてしまいましたが、木々の間からしばらく鳴き声が聞こえていました。
不二聖心のあちこちで、結実したチヂミザサが見られる季節となりました。下の写真は「共生の森」
で撮影したものです。この植物は、獣などの体に粘り気のある種を付けて生息域を広げようとしています。
この時期に野原を歩いていて、気が付くとズボンの裾がチヂミザサの実だらけになっていることがあります。
今日もサルたちは、チヂミザサの実を体につけて、野山をかけまわっていることでしょう。


今日のことば
ほんとうに大きな人間というのは、世間的に偉くならずとも金を儲けずとも、ほんの少しでもいい、
濁ったものを清らかなほうにかえる浄化の力を宿らせた人である。
磯田道史
