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フィールド日記

2017.06.05

オオシマザクラの実

お茶畑の中心に映画のロケにも使われたことがあるオオシマザクラの古木があります。今朝、そのオオシマザクラの実の写真を撮りました。既に熟した実もあればまだ若い実もあります。オオシマザクラとエドヒガンザクラを交配してできたのがソメイヨシノです。ソメイヨシノは接ぎ木等で増やしたものが全国に広がりましたので、すべてのソメイヨシノはクローンであり、自家不和合性という性質により結実することがありません。

今日のことば
ちる花はかずかぎりなしことごとく光りをひきて谷にゆくかも 上田三四二
お知らせ
今年も8月に小学4年生から6年生を対象として「夏休み子供自然体験教室」を不二聖心女子学院で開催します。参加を希望する方はホームページの申し込みフォームからお申し込みください。

2017.06.04

クヌギの樹液の湧出

 6月3日に「共生の森」でクヌギの樹液の湧出を確認しました。既に樹液には甲虫も集まってきていました。カブトムシやクワガタムシがここにやってくる日が待たれます。

今日のことば
教師の仕事は、生きている子どもに生きた知恵を育てることです。そのためには、初々しい感動、新しい命のようなものが教師の側にないと、子どもを惹きつけられません。
大村はま

2017.06.03

モリアオガエルの卵  ヤブヤンマ

 よく晴れた一日でした。梅雨入り前の最後の快晴の週末となるかもしれません。

「共生の森」の近くの池でモリアオガエルが産卵をしました。今年の初記録です。
池を囲むネットにはヤブヤンマの抜け殻がついていました。今年もヤブヤンマの飛ぶ季節がやってきたようです。

昨年は同じ場所で6月4日にヤブヤンマの羽化を確認しています。

ヤブヤンマは言葉で形容するのが難しいほど美しい、深みのある青い目をしています。
今日のことば
ヤブヤンマーー名前は冴えないが、姿はとても美しいトンボである。特に、成熟した雄の青い目玉は、常夏の海を思わせるほど澄んでいる。体は大きいくせに木立に囲まれた小さな池が好きで、林ややぶの近くで一生を過ごすことから名前がつけられた。
杉村光俊

2017.05.30

ガマズミとアシナガコガネ

 ガマズミの花に多数のアシナガコガネが来ていました。

秋になると無数の赤い実をつけるガマズミですが、あの実を見るためには
今の時期の、受粉昆虫たちの活躍が不可欠です。
今日のことば
生命は
自分自身だけでは完結できないように
つくられているらしい
花も
めしべとおしべが揃っているだけでは
不充分で
虫や風が訪れて
めしべとおしべを仲立ちする
生命は
その中に欠如を抱き
それを他者から満たしてもらうのだ
吉野弘

2017.05.26

コジャノメ

 昼礼広場でコジャノメの写真を撮りました。コジャノメはヒメジャノメに酷似していますが、眼状紋の数で識別することができます。コジャノメは徳島県で絶滅危惧Ⅱ類、山形県と新潟県で準絶滅危惧種に指定されています。「不二聖心のフィールド日記」では初記録となります。また一つ、全国各地で絶滅危惧種に指定されている種が不二聖心で確認されました。

今日のことば
(ジャノメチョウ科の蝶の中には)シベリア型とマレー型の広大な分布圏の間に挟まれて、狭い分布圏をもつ蝶も多い。その中で、日本と対岸の朝鮮、中国東北部、アムールと、日本海を取り巻いたかたちの分布をする一群がまず抽出される。日本から台湾、華中、華南、さらにヒマラヤ山脈に延びる群もある。日本列島特産種もある。これらをそれぞれ、「アムール型、ヒマラヤ型、日本型」と呼ぶことにする。ヒメウラナミジャノメ、キマダラモドキ、クロヒカゲモドキはアムール型、ヒメジャノメ、コジャノメ、ヒメキマダラヒカゲはヒマラヤ型、ヤマキマダラヒカゲ、サトキマダラヒカゲ、ヒカゲチョウ、ウラナミジャノメは日本型である。  
『海を渡る蝶』(日浦勇)より
 お知らせ
 今年も8月に小学4年生から6年生を対象として「夏休み子供自然体験教室」を不二聖心女子学院で開催します。参加を希望する方はホームページの申し込みフォームからお申し込みください。

2017.05.25

モリアオガエル

全国各地で絶滅危惧種に指定されているモリアオガエルの声が5月16日に不二聖心で初めて聞かれました。そして、今晩、初めてその姿を見ることができました。プールの脇の道を下っている途中でした。もしかしたら繁殖のために築山の池を目指しているのかもしれません。

今日のことば
迫害もペストも、日常のひとつひとつの具体的なことどもを、自分に毎日あたえられる道を、機会を、どんな小さなものでもこれをおろそかにせず、愛をこめて生きてゆくのにくらべると、比較的やさしい問題だということを、けっしてわすれてはならぬのだとおもう。  
須賀敦子
お知らせ
今年も8月に小学4年生から6年生を対象として「夏休み子供自然体験教室」を不二聖心女子学院で開催します。参加を希望する方はホームページの申し込みフォームからお申し込みください。

2017.05.24

ヒメウラナミジャノメ

ススキ野原でヒメウラナミジャノメの写真を撮りました。ジャノメチョウの仲間の中では最もよく不二聖心で見られるチョウです。不二聖心では年3回、発生しているものと思われます。冬になる前に孫の姿までを見ることができるはずです。

今日のことば
もつとも高い芸術はすべてそのやうに、人の魂の底にしみて、霊を目覚めさせるものでなければならないだろう。
東山魁夷

2017.05.22

5月の野鳥の調査 サンコウチョウの鳴き声を確認

 日本野鳥の会東富士副代表の滝道雄先生が5月20日に不二聖心の野鳥の調査をしてくださいました。

調査結果は下記の通りです。
 1.ヒヨドリ       18羽
 2.ヤマガラ        4羽
 3.ハシブトガラス     12羽
 4.エナガ        15羽
 5.メジロ        10羽
 6.スズメ         1羽
 7.キビタキ        5羽
 8.ツバメ         3羽
 9.ウグイス        9羽
10.ホオジロ        4羽
11.カワラヒワ       6羽
12.ハクセキレイ       1羽
13.イカル         2羽
14.カワウ         1羽
15.ハシボソガラス      3羽
16.シジュウカラ      4羽
17.オオルリ        1羽
18.コゲラ         1羽
19.キジバト        1羽
20.サンコウチョウ     1羽
21.ノスリ         1羽
22.コジュケイ       1羽
23.ガビチョウ       4羽
    合計        23種
 
特記事項:
 1.今年もサンコウチョウの地鳴きを聞く事が出来た。
   「ギュイ ギュイ」と3回鳴いた。
 2.ノスリの声が聞かれた。
 3.15羽のエナガは群れを作り行動していた。
 4.ジエビネの開花を確認した。
サンコウチョウの声が2年続けて確認されました。
次の画像は、富士山麓の野鳥の調査において滝道雄先生の先輩にあたる高橋節蔵先生が撮影した画像です。『探鳥山ある記 ~富士山ろくの野鳥~』から引用しました。不二聖心でもいつかこのような写真を撮ることができる日が来るかもしれません。
今日のことば
Wie es auch sei,das Leben,es ist gut!
何が何であれ、人生はいいものだ。    ゲーテ

2017.05.21

マルバウツギとツュンベリー

 裏道の沢の近くにマルバウツギが咲いています。マルバウツギは、卯月に咲くことから卯の花と名付けられた植物の一種です。5月21日は旧暦では4月26日で、まだ卯月です。ウツギとよく似ていますが、葉の形で識別することができます。リンネの弟子で1775年に長崎の商館医として来日したツュンベリーは箱根の植物を多数、採集調査しスウェーデンに持ち帰りました。その中にはウツギの仲間も多数、含まれていましたが、マルバウツギと名前の付けられた標本にはマルバウツギとウツギの両方が含まれていました。分類学の祖、リンネのお弟子さんもウツギの識別には苦労をしたようです。

今日のことば
卯の花のにおう垣根に
ほととぎす早も来啼きて
忍音もらす夏は来ぬ
文部省唱歌「夏は来ぬ」より


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2017.05.17

森の健康診断とヤマアカガエル

 今日は愛知県の矢作川水系森林ボランティア協議会の方々の御指導のもと森の健康診断が行われました。生徒たちは学校林の中に入って、ヒノキの樹高と幹の太さを計り、木の混み具合が適正であるかどうかを科学的に診断しました。

日本の山林を守ることにつながる「森の健康診断」について体験を通して深く理解する時間となりました。この診断結果をもとに11月には実際に間伐を体験します。

林床には全国各地で絶滅危惧種に指定されているヤマアカガエルがいました。森が健康になることは、ヤマアカガエルなどの希少種を守ることにもつながっていきます。


今日のことば

トキなど目立つ生物は保護するのに、昆虫には目がいかない。しかしトキでもゴキブリでも、種としてのかけがえのなさには変わりはないんです。
丸山宗利