フィールド日記
2020.02.16
2月の野鳥の調査
日本野鳥の会東富士副代表の滝道雄先生が2月の不二聖心の野鳥について調査をしてくださいました。調査の報告書が届きましたので、掲載いたします。
2020年2月度の調査で確認された野鳥は下記の通りです。
2020.02.14
ヒイラギナンテン
聖心坂の途中にある林内でヒイラギナンテンが咲いていました。ヒマラヤから台湾、中国が原産の帰化植物で、江戸時代初期に渡来したと言われています。しばしば、公園や庭に植栽されており、逸出したものが林内で見られます。
和名にあるヒイラギとナンテンはそれぞれ別の植物の名前です。本種のトゲのある葉がヒイラギに似ていることと、葉のつき方や実のつき方がナンテンに似ていることからヒイラギナンテンと呼ばれています。
2020.02.11
トウゲシバ
校内のヒノキ林の林床にトウゲシバが見られます。直立した茎に葉がらせん状に密生している姿は、一見するとシダ植物には見えません。また、主軸と側枝の区別がなく二又に分岐しながら成長しているのも特徴の1つです。
葉の付け根には腎形の胞子のうをつけています。熟すと二つに裂けて、胞子を飛ばします。また、胞子のほかに茎の先端付近に無性芽をつけ、仲間をふやすことも知られています。
2020.02.07
コバノイシカグマ
十字架の道行のショートコースがある林内でコバノイシカグマを見つけました。全体に多細胞の毛が多い、中型のシダ植物です。葉は3回羽状複葉で、表面から見ると裂片の縁にブツブツとしたものが目立ちます。
2020.02.04
マツサカシダ
十字架の道行のショートコース沿いにマツサカシダが見られます。近縁のイノモトソウやオオバイノモトソウに似ていますが、葉軸に翼がないことや羽片の数や形で見分けることができます。また、羽片は軸に沿って白い斑が入るという特徴もあります。以前はマツザカシダと呼ばれていましたが、由来となった三重県松阪の正しい読みはマツサカのため、新しい図鑑では本種の和名もマツサカシダとなっています。
2020.01.31
タゴガエル
十字架の道行のショートコースの近くの沢でタゴガエルの鳴き声を聞きました。繁殖期のオスは、渓流沿いのがけに生じた隙間や岩の下で鳴くことが知られています。このため、鳴き声は聞こえるけれども姿が見えないので幻のカエルと呼ばれています。不二聖心では温情坂のわずかに地下水がしみだすがけで生息が確認されていましたが、今回新たな生息場所が確認されました。
下の動画はタゴガエルの鳴き声を記録したものです。「ググッググッ」とくぐもったような鳴き声が特徴です。隙間から鳴き声が聞こえてきますが、姿は見えませんでした。
2020.01.28
アマクサシダ
十字架の道行のショートコースがある竹林でアマクサシダが見られます。和名の由来は熊本県の天草ですが、天草に限らず関東地方以西の太平洋側に広く分布しています。
羽片下側は幅が広くほぼ全裂するのに対し、羽片上側は幅が狭く全く切れ込まないこともあるのが特徴です。鳥の翼のようなユニークな形をしています。
胞子のう群は、近縁種のイノモトソウと同様に葉の縁につき、それを包むように葉が折りたたまれて膜状になっています。
2020.01.26
1月の野鳥の調査
日本野鳥の会東富士副代表の滝道雄先生が1月の不二聖心の野鳥について調査をしてくださいました。調査の報告書が届きましたので、掲載いたします。
2020年1月度の調査で確認された野鳥は下記の通りです。
1.モズ…1羽
2.トビ…1羽
3.ノスリ…1羽
4.コゲラ…1羽
5.アオゲラ…2羽
6.カケス…2羽
7.ハシボソガラス…3羽
8.ハシブトガラス…18羽
9.ヤマガラ…1羽
10.シジュウカラ…5羽
11.ヒヨドリ…16羽
12.ウグイス…1羽
13.エナガ…20羽
14.メジロ…16羽
15.ツグミ…1羽
16.ルリビタキ…1羽
17.ホオジロ…2羽
18.アオジ…2羽
19.ガビチョウ…1羽
20.ソウシチョウ…1羽
【特記事項】
1.先月の12月には約50羽弱で群れていたツグミやヒヨドリが極端に減少した。群れ行動から単独での生活に移行したものと思われる。
2.第一オークヒルの東側にはハゼの木が6本自生している。2羽のメジロがハゼの実を啄んでいるのを確認した。別の場所で観察したところ、ハゼの実を食べる野鳥は多くメジロ、シジュウカラ、ジョウビタキ、コゲラ、ヒヨドリ、ムクドリ、スズメ、モズの8種類を確認した。ハゼの実が多くの野鳥の生命を支えていると感じた。
2020.01.24
コモチシダ
聖心坂の斜面にコモチシダが見られます。革質でつやのある大きな葉が斜面から垂れ下がるように生えています。
和名は子持ちシダで、下の写真のように葉の表面に無性芽をつけることが由来です。コモチシダは胞子の他に、この無性芽が地面に落ち、そこから新たな植物体が成長して仲間をふやすことができます。
葉の裏面には胞子のう群が裂片の中肋に沿って並んでいます。胞子のう群は厚い包膜にしっかりと包まれています。