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フィールド日記

2012年09月

2012.09.20

「秋の30分ハイキング」の下見  ススキ  ヒキオコシ  アザミ

  2012.09.20 Thursday

  9月22日の学校説明会終了後に希望者を対象に予定されている「秋の30分ハイキング」の
コースの今朝の様子を紹介します。
すすき野原もようやく秋らしくなってきました。すすきの穂もまだ一面というわけではありませんが、
少しずつ増えてきました。


シソ科のヒキオコシの花も咲き始めました。この花にもたくさんの種類の昆虫が集まってきます。
ヒキオコシは東京都で絶滅危惧Ⅰ類、千葉県と鹿児島県で準絶滅危惧種に指定されています。


 

 22日にはまだ咲かないのではと思っていたアザミの開花も確認できました。



よく見るとアザミの花の上にクモが隠れていて獲物をねらっています。
22日にも生き物たちのさまざまな姿をお目にかけることができたらと願っています。


 


    今日のことば


一日一日が祭礼だ
雲も風もたまらなくいい
この世は素晴しいものを満載した
豪華船なのだ
                 辻邦生

2012.09.19

NPO法人「土に還る木・森づくりの会」の方々のご指導による屋外テーブルづくり

  2012.09.19 Wednesday

  高校1年生は9月12日の環境学習の時間に手ノコでの間伐実習を行いました。
(9月12日の「不二聖心のフィールド日記」参照)今日はその体験をさらに深めるために、
NPO法人「土に還る木・森づくりの会」の方々のご指導のもと、間伐材を用いた屋外テーブル
作りに挑戦しました。

 午前中に御殿場からヒノキの間伐材から作られた板が学院に到着しました。


 

 NPO法人「土に還る木・森づくりの会」のご指導のもと屋外テーブルづくりが始まりました。


  

 根気のいる組み立て作業です。


 
 

 技術を要するインパクトドリルを用いての作業です。


 

 仕上げの塗装をする姿は職人のようでした。


 
 

 完成したテーブルに座っての記念撮影です。


 


間伐材がこんなにもすばらしいテーブルに姿を変えることに驚きと感動を覚えました。森を
元気にするために切られた木が新たな命を得たようにも見えます。
NPO法人「土に還る木・森づくりの会」にとって記念すべき200台目の屋外テーブル完成だ
とうかがいました。このような社会的に意味のある活動が世の中にさらに広まっていくことを
願わずにはいられません。貴重な体験をさせてくださったNPO法人「土に還る木・森づくりの会」
の指導者の方々に心から感謝申し上げます。


 

 

             今日のことば

     知っていることが多くなると知らないことはもっと多くなる。

                               加賀乙彦

2012.09.18

ヤマホトトギス 

  2012.09.18 Tuesday

 学院の近くに、五竜の滝で知られる中央公園があります。歌人の若山牧水が訪れたことも
ある公園で、公園内には牧水の歌碑があります。今朝、その歌碑の近くに彼岸花が咲いてい
ました。彼岸花は日本の秋を彩る代表的な花です。
不二聖心にも秋を感じさせる花が増えてきました。写真の花はヤマホトトギスです。昨年は
数が少なくなり心配しましたが、今年はたくさんの蕾を確認できて安心しています。
ヤマホトトギスは大阪府で絶滅危惧Ⅰ類、北海道、滋賀県、奈良県で準絶滅危惧種に指定
されています。

 
 

               今日のことば

     富士が嶺やすそのに来り仰ぐときいよよ親しき山にぞありける

                              若山牧水

2012.09.17

栗  クリオオアブラムシ  ヒイロタケ  『不二の自然4』

  2012.09.17 Monday

 9月22日の学校説明会終了後に希望者を対象として実施される「秋の30分ハイキング」
(詳細はトップページの「公開行事」に掲載)で小さな栗畑を通ることになっています。
その栗畑の栗の木が見事な実をつけています。栗の木を好むクリオオアブラムシの姿も確認
できました。栗の木によく発生するヒイロタケの鮮やかなオレンジ色が一際目を引きます。
「共生の森」へと続く小さな空間は、栗畑独特の世界を楽しむことができる場所です。

 
 
岳麓新聞で『不二の自然④』が取り上げられました。


 

   

              今日のことば

 今日も朝が来て、私たちはいつもと同じように仕事を続けています。するとこの暮らしに
保険があるような気がしてくる。でも人類史で見れば現代人のように永らう命は奇跡的なこ
とです。人類は何万年も死と隣合わせで生きてきた。しかしどんなに追い詰められても、命
の流れを止めずに生き抜いた。極まった時こそが、チャンス。私たちもそのパワフルな人類
史をゆく途上の一人なのだということに、まず気づいて欲しい。                                            

                                 鶴岡真弓

2012.09.16

アオジソの花とツユムシの幼虫  温暖化を考える

 

 2012.09.16 Sunday


今日も暑い一日でした。裾野市は最高気温が30度を超えました。この暑さはいったいいつまで
続くのかと思います。
  アオジソの花にとまっているツユムシの幼虫の写真を撮りました。今の時期にこのような写真
が撮れるのは、基本的には関東より南の地方だけです。しかし今年は東北地方でも、もしかしたら
ツユムシの幼虫を9月に見ることができるかもしれません。ツユムシが年2回発生する地域が年々
北に広がっていると言われているからです。生き物の生態の変化から気候変動の兆しを読み取る
努力がますます必要になってきたと厳しい残暑の中で思っています。

  


今日のことば

カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行かう。
僕はもうあのさそりのやうにほんたうのみんなの幸(さいわい)のためならば僕のからだなんか
百ぺん灼(や)いてもかまはない。

                     『銀河鉄道の夜』(宮沢賢治)より

2012.09.15

子持ちのサワガニ

 

 2012.09.15 Saturday

  檜林の中で子供を抱えたサワガニのメスを見つけました。サワガニは、全国各地で希少種に指定
されていますが、不二聖心では甲羅の青いサワガニの姿をたくさん目にすることができます。
世代交代も順調に進んでいることが確認できました。檜林の中には、同じく希少種であるヤマアカ
ガエルも多数生息しています。高校1年生が総合学習で行った「森の健康診断」と「間伐実習」は
希少種の維持にも役立つ活動であると言えます。

 


今日のことば

あなたの喜びがあるところにあなたの宝があり
あなたの宝があるところにあなたの心があり
あなたの心があるところにあなたの幸せがある

                       アウグスティヌス

2012.09.14

中学3年祈りの会  ヤマトタマムシ  コアシナガバチの巣  スズメバチ

  2012.09.14 Friday

  9月13日~9月14日まで中学3年生の「祈りの会」の引率で神奈川県松田町にある聖心丹沢学舎
に行ってきました。神父様の講話に合計4時間、耳を傾け、学んだことをシンボルで表現したものを
発表しました。最後の分かち合いでは次のような感想が聞かれました。

 これからはみんなの役にひそかに立てる人間になりたい。
小さな幸せを大切にして生きていきたい。
愛される人となるために先ず人を愛そうと思った。
一人一人が唯一の存在であると再確認できた。
家に帰ったら家族にありがとうの気持ちを伝えたい。
そっと人に寄り添える人間になりたい。
自分一人だけで物事を解決しようとする癖をなくしたい。
自分こそが神様からの贈り物であることに気づけた。

 

 わずか2日間で大きく成長した中学3年生の姿に感動しました。

 

 
 
  学校に帰ってみると職員室の机の上にいろいろなものが乗っていました。
先ず、プールサイドで死んでいたヤマトタマムシです。


 
 

 次は、本館前にソテツについていたコアシナガバチの巣です。高校3年生が見つけてくれました。
何らかの要因で営巣がストップしてしまったようです。


 
 

 先日、駆除したスズメバチの死骸も乗っていました。同じ種でも担う役割によってこれほど
体の大きさが違ってしまいます。


 

                今日のことば

今日が残りの人生の最初の日です。どんなものに自分の人生を燃やしますか。どんなものに
自分の命をけずっていきますか。

                           ある神父様の問いかけ

2012.09.12

間伐体験学習 女子高生手ノコで木を倒す

  2012.09.12 Wednesday

 高校1年生の総合学習(環境学習)の時間に間伐体験学習を行い、生徒が実際に手ノコで
木を倒す経験をしました。これは6月に行われた「森の健康診断」の調査の経験を土台とし
て行った活動です。指導は今回も矢作川水系森林ボランティア協議会のメンバーの方々にお
願いしました。

 まずは手ノコで受け口を作り、木を倒す準備をしました。

 その後、反対側からもノコギリを入れ、最後は力を合わせて木を倒しました。

 達成感にあふれる笑顔です。

 わずかな隙間に倒された様子がわかります。

 年輪から樹齢は50年程度であることもわかりました。

 
間伐体験で一番の感動は空が開けることです。

 開けた空間から指す光を見て、「光あれ、だね。」と創世記の言葉を口にした生徒がいた
ことが印象的でした。光が林床にあたることで森の植生はさらに豊かになっていくことでしょう。


 

               今日のことば

生物社会は好きなものだけを集めたらダメ。主木を中心にできるだけ多くの構成木を混ぜる、
混ぜる、混ぜる。競い合いながら発展していきます。
                                      宮脇昭

2012.09.11

夏の雲・秋の雲  ショウリョウバッタモドキ

  2012.09.11 Tuesday

 まだまだ残暑の厳しい日が続きますが、空には秋らしい雲も少しずつ見られるようになって
きました。体育館の上には、夏らしい雲と秋らしい雲の両方を見ることができました。


 ショウリョウバッタモドキほど写真の撮りにくいバッタはありません。あまりに上手にイネ科
の植物の葉に同化してしまうのでピントが合わないのです。これほどの擬態の名手もどんどん数
を減らしています。矢島稔は1983年に既にショウリョウバッタモドキの激減を嘆く文章を書いて
いますし、現在、6つの県で、絶滅危惧種・準絶滅危惧種に指定されています。


 

 

               今日のことば

高校3年生の歌

だんだんと静かになりゆくセミの声 夏も終わりて卒業近づく      
ここに来て初めて知ったよ本当の友を 照れて言えないいつもありがと  
繰り返す季節の重み増すばかりトンボの影に秋を感じて         
憧れの女性はナウシカ、峰不二子 強く明るく生きていきたい      
春がすぎ夏もすぎさり秋が来た別れの冬まであと半年          
リミットが近づくにつれ思い知るみんなと過ごせる大きな幸せ 

2012.09.10

不二聖心に「そば畑」現れる

  2012.09.10 Monday

 第1牧草地から第2牧草地へ向かう途中の芝地に新たにそば畑が作られました。この場所は、
もともと畑地として利用した歴史が過去にあり、芝地を耕しても大きな石はほとんど出てこな
かったそうです。このようなところにも不二農園の長い歴史がしのばれます。
15aの広さに5㎏の種が播かれました。収穫が楽しみです。

 

               今日のことば

 

 木があれば虫や鳥が寄ってくるし、花も咲くし。動物が死ねば、それが肥料になるし。
そういう循環のようなものは、頭で勉強するだけだと実感しにくいかもしれません。
やはり自分の体で経験しないと。それが都会の子なんかはできなくなっていますもんね。
世界を理解するのに、木を植えるというのはすごく大事なことだと思います。木はいのちの
シンボルですね。木を植えることは、いのちを知ることにつながると思うんです。

                                             

                              谷川俊太郎