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フィールド日記

2012.06.22

Xylota属のハナアブ  森の健康診断

  2012.06.22  Friday

 「共生の森」で見つけたハナアブ(下の写真参照)を専門家の方に同定していただいたところ、このハナアブはXylota属の一種であり、Xylota amamiensisナミルリイロナガハナアブかXylota coquillettiミヤマルリイロナガハナアブの可能性が高いという回答をいただきました。いずれの種であったとしても不二聖心初記録となります。


 

 矢作川水系森林ボランティア協議会の方から、6月13日に不二聖心で行った「森の健康診断」の様子をホームページにアップしたという連絡をいただきました。関心のある方は、どうぞご覧ください。
http://mori-gis.org/

 明日は学校説明会です。不二聖心に一人でも多くの方が来てくださることを願っています。

  

                今日のことば

考えてみると、私たちが日常で一番素直に「うきうき、わくわく」できるのは、誰かを喜ば
そうとしているときかもしれない           

                                竹下節子

2012.06.21

クマノミズキ  ハナムグリ

  2012.06.21 Thursday


台風4号で「共生の森」も被害を受けました。下の写真の倒れている木はクマノミズキです。
倒れてもなお花は咲き続けていて多くの命を養っていました。


 

 



 

今日のことば

農薬が流れ込み、我々が利用している川を汚してきた。この20年間、状況は悪化する一方。
持続可能な開発とはほど遠い状況だ。
                   ブラジルの先住民のリーダーのメガロンさん

2012.06.20

クマヤナギ  クマヤナギハフクロフシ

  2012.06.20 Tuesday

「共生の森」の一角にクマヤナギの木を見つけました。20年以上、誰の目にもふれなかった木です。葉にはクマヤナギハフクロフシという虫こぶがついていました。
クマヤナギは古くから肝炎や胆石の漢方薬として用いられてきました。これから迎える花の季節が楽しみです。

 

                今日のことば

多くの人は、ことが思いのままに進まないと、すぐに忍耐を失い、落胆するものである。
どんな道を歩むかは、人の手中にあることではない。慰めの恵みを誰に、いつ、いかにして、
与えるかは、すべて神の御旨にほかならない。


                          『キリストにならう』より

2012.06.19

トビモンオオエダシャクの驚異の擬態

 

2012.06.19 Tuesday

台風4号の接近により今日は5時間目で授業を終えることになりました。台風は暴風雨をもたらし、静岡県の各地で時間雨量が100ミリを超えました。

昨日、理科の平本政隆教諭によりユニークな姿の蛾の幼虫が発見されました。トビモンオオエダシャクの幼虫です。頭部の突起は樹木の枝に擬態しているものと思われます。体全体の姿も含めて、なかなか巧妙に擬態しているものだと感心しますが、実は擬態は姿だけにとどまりません。体表ワックスの成分が食草とする植物の表面のワックスの成分と一致するというのです。そのため天敵のアリがトビモンオオエダシャクと植物を識別することができなかったという実験結果があります。トビモンオオエダシャクが植物の成分を巧みに体内にとりこみ擬態しているものと考えられます。

   
      今日のことば

いのちを
風にさらして
歩きたい
厳とした冬の風に
ましてこの
さわやかに光る春の
風にさらして
いのちの際に立ち
いのちを
さらして
生きてゆきたい
ああいつも
いのちを
風にさらして


馬橋悠紀子

2012.06.18

モリアオガエルの驚異的な産卵数

  2012.06.18 Sunday

 
  週が明けたら築山の枝垂れ桜の様子が一変していました。何と20個以上のモリアオガエルの卵が一本の木の枝にぶらさがっていたのです。ほとんどが産みたてのようにまだ表面が柔らかい状態でした。これまでにこのような光景は見たことがありません。今年は既にこの木にはたくさんの卵が産み付けられてきました。そのあとでこのような情景を目にすることになるとは全く予想していませんでした。

 

 
 

 

                今日のことば

じっくり生きてみたくて、人生の本質をなす事だけに目を向け、その教えを学び取れないも
のかどうか確かめたくて、ぼくは森へ行ったのだ。いざ死ぬ時になって、本当は生きてなど
いなかった、という思いをしたくなかった。     

                                  ソロー

2012.06.17

アオオビハエトリ  ヤブジラミ

  2012.06.17 Sunday

 キャンプ場にはってあったテントにアオオビハエトリが来ていました。アオオビハエトリは、待ち伏せしてアリを捕らえるクモとして知られています。下の写真はアリを捕らえた瞬間の画像です。画像からもわかるように、アオオビハエトリには脚を上げる習性があるのですが、まるで獲物を捕らえて万歳でもしているようです。
アオオビハエトリは構造色を持っており、腹部の青い輝きは構造色に由来すると言われています。ハエトリグモの仲間は目が良いことで知られています。美しい色で身を装うことが、目がいいアオオビハエトリの場合には求愛などに役立っていると考えられます。

 キャンプ場のすぐ近くにはたくさんのヤブジラミの花が咲いています。花にはたくさんのアリがやってきていていました。こちらのアリたちは誰にも邪魔されることなく、心ゆくまで花の蜜を味わっている様子でした。


 

              

               今日のことば

たいていの人々は、運命に過度の要求をすることによって、自ら不満の種をつくっている。

                                 フンボルト

2012.06.16

シブイロカヤキリ


 

 2012.06.16 Saturday
昨日は7時過ぎに帰宅しました。帰る前に「共生の森」を覆い始めたヨウシュヤマゴボウを少しでも抜いておこうと思い、森に向かいました。草を抜いていると共生の森に接しているすすき野原からから虫の声が聞こえてきました。野趣に富む、ジャーという力強い声です。
声の主を探してみたところ、シブイロカヤキリ(Xestophrys javanicus)であることがわかりました。その横でナキイナゴの声もしていました。今年こそ「鳴く虫の観察会」ができないものかと夢がふくらみます。

 

今日のことば

自由を求めて社会を変えることを革命と呼びますが、科学の本を読むことは、ささやかな娯楽であると同時に小さな革命なのだと思います。この世界を、宇宙を見るために、自分が少しだけ変わるのですから。
瀬名秀明
 

2012.06.15

ホソフタオビヒゲナガ  キボシツツハムシ

  2012.06.15 Friday

 「共生の森」でホソフタオビヒゲナガを見つけました。ユニークな模様に驚きます。

 キボシツツハムシにも出会いました。こちらもまた負けずに模様がユニークです。
 

 

                     今日のことば

原理や原則についてきちんと議論がなされないまま、「論理」ではなく「空気」で物事が
決まっていく。そんなこの国のありように、ずっと違和を感じてきました。
坂本龍一

2012.06.14

チャツムタケ

  2012.06.14 Thursday

 昨日の「森の健康診断」の時に高校1年生が見つけたキノコの名前を調べたところ、フウセンタケ科のチャツムタケであることがわかりました。チャツムタケは、針葉樹の腐朽材に発生するキノコとして知られています。


 

 キノコの傘の裏側には甲虫が潜んでいました。キノコムシの一種かもしれません。間伐材がキノコを育て、そのキノコがまた別の命を育てています。ここにも一つの命のつながりを見ることができます。


 

 

               今日のことば

 成長も成熟も、痛みを伴います。自分と闘い、自我に死ぬことを求めるからです。一粒の
麦と同じく、地に落ちて死んだ時にのみ、そこから新しい生命が生まれ、自らも、その生命
の中に生き続けるのです。

                                     渡辺和子

2012.06.13

森の健康診断  ホタルブクロ

  2012.06.13 Wednesday

 今日は高校1年生の総合学習の時間に、愛知県の矢作川水系森林ボランティア協議会の方に来ていただいて「森の健康診断」を行いました。不二聖心の森の健康状態を調査しましたが、1時間半の時間の中でさまざまな工夫を凝らした方法の調査を行い、最終的には見事に科学的なデータを得られたことに驚きました。この成果をもとに9月に生徒自身の手で間伐を実施する予定です。



 「森の健康診断」からの帰り道、ホタルブクロの花を見つけました。季節はまた一歩、歩みを進めたようです。


 

 

今日のことば

  精一杯、生きる日が、もう一日与えられているとは、何と幸いなことだろう。

                           アントニー・デ・メロ