フィールド日記
2012.06.14
チャツムタケ
2012.06.14 Thursday
昨日の「森の健康診断」の時に高校1年生が見つけたキノコの名前を調べたところ、フウセンタケ科のチャツムタケであることがわかりました。チャツムタケは、針葉樹の腐朽材に発生するキノコとして知られています。
キノコの傘の裏側には甲虫が潜んでいました。キノコムシの一種かもしれません。間伐材がキノコを育て、そのキノコがまた別の命を育てています。ここにも一つの命のつながりを見ることができます。
今日のことば
成長も成熟も、痛みを伴います。自分と闘い、自我に死ぬことを求めるからです。一粒の
麦と同じく、地に落ちて死んだ時にのみ、そこから新しい生命が生まれ、自らも、その生命
の中に生き続けるのです。
渡辺和子
2012.06.13
森の健康診断 ホタルブクロ
2012.06.13 Wednesday
今日は高校1年生の総合学習の時間に、愛知県の矢作川水系森林ボランティア協議会の方に来ていただいて「森の健康診断」を行いました。不二聖心の森の健康状態を調査しましたが、1時間半の時間の中でさまざまな工夫を凝らした方法の調査を行い、最終的には見事に科学的なデータを得られたことに驚きました。この成果をもとに9月に生徒自身の手で間伐を実施する予定です。
「森の健康診断」からの帰り道、ホタルブクロの花を見つけました。季節はまた一歩、歩みを進めたようです。
今日のことば
精一杯、生きる日が、もう一日与えられているとは、何と幸いなことだろう。
アントニー・デ・メロ
2012.06.12
インドヒラマキ
2012.06.12 Tuesday
中学3年生が築山の池から珍しい貝を見つけてきてくれました。専門家に同定を依頼したところ、インドヒラマキではないかという回答を得ました。インドヒラマキはもともと東南アジアに生息していた淡水性の貝ですが移入種として日本に定着し、徐々に数を増やしています。ヤマアカガエルやモリアオガエルといった希少な
カエルのオタマジャクシが生息する築山の池の生態系に悪影響が及ばないか心配されます。
インドヒラマキがホタルの幼虫の餌になるという事実には驚きました。
今日のことば
あなたの目の前にあるものをよく見なさい。それこそが神の現れなのだから。
カルロ・カレット
2012.06.11
イヌガラシとモンシロチョウとナガメ
2012.06.11 Monday
森づくりの予定地に咲くイヌガラシにモンシロチョウとナガメが来ていました。どちらもアブラナ科の植物が大好きな生き物です。
今日のことば
生きるとは時間をかけて生きることだ。人はどうして、森の外で、いつも時間がないというふうにばかり生きようとするのか。古い森の奥の大きな樟の木の老人は何も言わず、ただ黙って、そこにじっと立っていた。
長田弘
2012.06.10
キタテハ
2012.06.10 Sunday
栗畑で夏型のキタテハの写真を撮りました。秋型は色も形も夏型とは異なります。同じ種でありながら季節によって形と色が変わるというのは、考えてみれば不思議なことです。
今日のことば
人が何かに出会い、感動する。その感動の元をたどっていった時、その核のところには、こういった肯定の光景があるのではないだろうか。肯定の感情が世界を覆う、そのことを感動というのではないだろうか。
太田省吾
2012.06.09
イヌガラシ
2012.06.09 Saturday
森づくりの予定地に自然に生え始めた植物の中で、今たくさんの花を咲かせているのはアブラナ科のイヌガラシです。アブラナ科の植物を好む昆虫がじきにたくさん集まってくることでしょう。
今日のことば
けらけらとわらふな
ひまがあるなら
こっそりと神さまとはなしてをれ
叱られるのでもいい
ほめらるるのでもいい
とにかく神さまとのつきあひをたやすな
神の室へのとびらをさびつかせてはならぬ
八木重吉
2012.06.08
森づくり予定地とミズイロオナガシジミ
2012.06.08 Friday
今年度からスタートする学校の森づくりの予定地をNPO法人「土に還る木・森づくりの会」の理事の方に見ていただきました。土質がいいので植栽の時の腐葉土はいらないのではないかと言っていただき安心しました。
荒れ地を整備したことで、さまざまな生き物が森づくり予定地に集まりつつあります。
2枚目の写真は、森づくりの予定地で撮ったミズイロオナガシジミの写真です。
今日のことば
泣きながらパンを食べた者でなければ、人生の本当の味はわからない。
ゲーテ
2012.06.07
栗の花とヒメアシナガコガネ
2012.06.07 Thursday
栗の花が咲き始めました。この花が咲くと梅雨が近いと感じます。栗の花に集まる虫の種類は実に多いのですが、その中でも目立つのがヒメアシナガコガネです。
今日のことば
記憶とは何か。それは物質のレベルで保存されるものではなく、もっと上位のレベル、おそらく細胞と細胞の関係性によって構成される回路として存在する。記憶の再生はその回路に電気が流れたときに生じる。細胞の中味はたえず更新されるが細胞と細胞の連絡は保たれる。
とはいえ長い年月のうちにはその回路ですら変容していくはずである。暗い脳内に一瞬点灯するのが記憶なら、それは夜空に上り、ひととき形を作り、やがて残像となる打ち上げ花火に似ている。
福岡伸一
2012.06.06
セキレイの幼鳥
2012.06.06 Wednesday
昨日の昼からセキレイの幼鳥の姿を何度か見かけました。野鳥であるにもかかわらず、こちらに近づいてきて餌をねだるのには驚きました。ミミズを与えたところおいしそうに食べていました。そのかわいらしさには筆舌に尽くしがたいものがあります。
我のことを母と思いてぴよと鳴く鶺鴒の子の愛おしきかな
今日のことば
光は秒速30万キロ、1秒で地球を7周半、と誰もが習ってきた。太陽の光は8分17秒~19秒で地球に届く。この距離で光をもらい、地球に生命が栄えてきた。この星をほどよく温める絶妙の配置は奇跡と言えるらしい。
天声人語(2012.06.06)より
2012.06.05
ナワシロイチゴ
2012.06.05 Tuesday
すすき野原にナワシロイチゴの花がたくさん咲いています。苗代をつくる頃に咲くことから「ナワシロイチゴ」と名付けられましたが、今年の田植えはゴールデンウィークの頃に終わってしまっています。このずれは田植えの時期が徐々に早まってきたことから生まれました。植物の名前から人間の生活の変化を知ることができる一つの例です。
この花の実でおいしいジャムをつくることができます。
今日のことば
ある時わたしの母親は、一粒のりんごの種をわたしに手渡してこう言いました。「それを割ってみて中になにがあるか見なさい」と。わたしはその種を手で開いてその中を見ました。母は聞きました。「何が見える?」と。「いや何も見えないのだけど」とわたしは答えました。お母さんはこう言いました。「その種の中にはね、大きな木一本がすでに入っているのですよ」と。
サティシュ・クマール