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フィールド日記

2012.07.12

ナナフシ  ナナフシ茶

  2012.07.12 Thursday


昨日は印象に残る出来事がいろいろあった一日でした。帰宅する時には坂道で子ダヌキに出会いました。子ダヌキは、車を見て一度は茶畑に隠れたものの、声をかけるとまた顔を出しました。再び木の中に隠れてからもしばらく鳴いていました。野生の子ダヌキの声を聞いたのは初めてです。
昼間、驚いたのは職員室の網戸についていたナナフシです。その大きさに職員室はちょっとした騒ぎになりました。

 

 5月4日には、まだクヌギの葉の上にちょこんと乗るほどの小ささでした。
 

 

               今日のことば

ナナフシは雑木林のまわりにいることが多く、コナラ、クヌギ、サクラ、ケヤキなどいろい
ろな木の葉を食べる。この細長い枝のような虫が歩くとグロテスクに見え、何か変わったも
のを食べると想像する人が多いせいか、葉しか食べないというと逆に驚かれるが、孤独を楽
しんで静かにくらしている。そういえばマレーシアではナナフシを飼って、その糞を乾かし、
熱湯をそそいで「お茶」にして飲むという話を聞いた。ナナフシ茶とは粋である。     

                       『昆虫ノート』(矢島稔)より

2012.07.11

セダカシャチホコ  スカシバ

  2012.07.11 Wednesday

  雑木林でセダカシャチホコの写真を撮りました。幼虫はクヌギの葉を食べ、自分の糞を投げるというユニークな習性を持っています。

 職員室の近くの中庭ではクチナシの葉を食べるスカシバの幼虫を見つけました。

 このように多くの昆虫はそれぞれの食草を持っていて、そこから生き物同士のさまざまなつながりが生まれていきます。

 

                今日のことば

  庭の菊をとりに出て

  ふと南の山を見ている。

  空は澄みわたって

  鳥ふたつ、つれそって

  林に帰ってゆく。

  こういうひとときにはなにか

  永遠の真理があると感じるが

  それがなにかは

  どうも言えんのだよ。

 

                    陶淵明「飲酒」(加島祥造訳)より

2012.07.10

「共生の森」の記事  ヒグラシ  サンショウ

  2012.07.10 Tuesday

 
  高1の総合学習で行っている森づくりについての記事が岳麓新聞に載りました。 

 
次の写真は今朝の「共生の森」の様子です。今日もヒグラシが支柱にとまっていました。
サンショウの写真の葉先が丸まっているのがわかるでしょうか。いつのまにかクモがサンショウの葉を利用して巣を作っていたのです。一つの環境の豊かさを判断する時、そこに生息するクモの種類の多様性も重要な指標になります。
 

 

  
今日のことば

     未来が其の胸中に在る者、之を青年と言う。

                              植木枝盛

2012.07.09

ヒメコバチ  キコガサタケ

  2012.07.9 Monday

  先週から不二聖心で大発生している虫の正体が専門家の協力によって明らかになりました。
どうやらコバエではなく、ヒメコバチ科(Eulophidae) の「フカイウスマユヒメコバチ」の近縁種であるようです。ヒメコバチは寄生蜂ですので、寄主もまたどこかで大量発生している可能性があります。下の画像は顕微鏡写真で体長は約2.5mmです。


 

キャンプ場の芝地に華奢なきのこが多数発生しています。キコガサタケというきのこです。

 

               

                     今日のことば

あなたのそばにいる貧しい人、弱い人、さみしい人を心から大切にしてあげてください。
いじわるな子、おやつを食べてしまった小さな弟、おこりんぼのおとなりのおばちゃん。
この人達に、腹を立てないで、やさしくほほえみを向けてください。
                               マザー・テレサ

2012.07.08

ムラサキカタバミ  コクワガタ

  2012.07.08 Sunday

 今日は「夏休み子供自然体験教室」で歩く予定のコースの下見をしてみました。先ずはお茶畑を通って雑木林へと向かいますが、お茶の木の周りにはたくさんのムラサキカタバミが咲いていました。
雑木林では今年初めてクワガタの姿を目にしました。コクワガタのオスでしたが、クワガタやカブトムシが見られるようになると、いよいよ夏本番という感じがします。


 
 


今日のことば

 この道を行けば、どうなるものか。迷わず行けよ、行けば分かるさ。
アントニオ猪木

2012.07.08

ムラサキカタバミ  コクワガタ

  2012.07.08 Sunday

 今日は「夏休み子供自然体験教室」で歩く予定のコースの下見をしてみました。先ずはお茶畑を通って雑木林へと向かいますが、お茶の木の周りにはたくさんのムラサキカタバミが咲いていました。
雑木林では今年初めてクワガタの姿を目にしました。コクワガタのオスでしたが、クワガタやカブトムシが見られるようになると、いよいよ夏本番という感じがします。


 
 


今日のことば

この道を行けば、どうなるものか。迷わず行けよ、行けば分かるさ。
                            アントニオ猪木

2012.07.07

ニイニイゼミの抜け殻  キタテハ(夏型)

  2012.07.7 Saturday

  昨日は「共生の森」でヒグラシの抜け殻を見つけましたが、今日はヤマブドウの支柱にニイニイゼミの抜け殻が付いているのを見つけました。ヒグラシの抜け殻と比較して透明度がなく殻全体を土が覆っています。昨年まで中学3年生の国語の教科書に載っていた「岩に爪たてて空蝉泥まみれ」(西東三鬼)の句の「空蝉」はニイニイゼミと考えて間違いないのではと思います。

 

「共生の森」でキタテハ(夏型)の写真を撮りました。6月10日にもキタテハ(夏型)を紹介しましたが、それよりも翅の模様の黒が濃いように感じます。 


 

               

              今日のことば

「見よ、この大地を! 三十九億年の地球の生命の歴史と巨大な太陽のエネルギーの下での
生命のドラマが目の前にある。まず現場に出て、目で見て、匂いを嗅いで、舐めて触って調
べろ! 現代人には二つのタイプがある。見えるものしか見ないタイプと、見えないものを
見ようと努力するタイプだ。きみは後者だ。現場が発しているかすかな情報から見えない全
体を読み取りなさい」

                    『三十光年の星たち』(宮本輝)より

2012.07.06

ヒグラシの羽化

  2012.07.6 Friday

「共生の森」に高校1年梅組4班の生徒が植えたスダジイの木でヒグラシが羽化していました。
他にも別に2匹、ヒグラシの羽化を確認しました。「共生の森」がヒグラシの鳴き声に満ちる日が間もなくやってくることでしょう。
羽化したてのヒグラシの透き通るような緑色に深い感動を覚えました。


   
 
 


今日のことば

生まれるに時があり、死ぬに時がある。泣くに時があり、笑うに時がある。神は全てのもの
を時に適ったものとして美しく造った。
                             「伝道の書」より

2012.07.05

クリ  ブルーベリー

  2012.07.5 Thursday

  いつの間にか栗の実が育ち始めていました。「栗花落」と書いて「つゆり」さんと読む名字の方がいらっしゃいますが、「つゆり」は「梅雨入り」を意味しています。栗の花が落ちる頃、梅雨が始まるというところから生まれた名字です。栗の花が落ちるのが梅雨入りの合図なら、栗の実ができ始めるのは梅雨明けが近いことを示していると言ってもいいかもしれません。
梅雨の晴れ間の「共生の森」ではブルーベリーの実が静かに輝きをはなっていました。

 

                今日のことば

「人間に出来ることなんて、そんなたいしたことじゃないんだよ。みんなは、木村はよく頑
張ったって言うけどさ、私じゃない、リンゴの木が頑張ったんだよ。これは謙遜なんかでは
ないよ。本気でそう思ってるの。だってさ、人間はどんなに頑張っても自分ではリンゴの花
のひとつも咲かせることが出来ないんだよ。手の先にだって、足の先にだって、リンゴの花
は咲かせられないのよ。そんなことは当たり前だって思うかもしれない。そう思う人は、そ
のことの本当の意味がわかっていないのな。畑を埋め尽くした満開の花を見て、私はつくづ
くそのことを思い知ったの。この花を咲かせたのは私ではない。リンゴの木なんだとな。主
人公は人間じゃなくてリンゴの木なんだってことが、骨身に染みてわかった。それがわから
なかったんだよ。自分がリンゴを作っていると思い込んでいたの。自分がリンゴの木を管理
しているんだとな。私に出来ることは、リンゴの手伝いでしかないんだよ。失敗に失敗を積
み重ねて、ようやくそのことがわかった。それがわかるまで、ほんとうに長い時間がかかっ
たな」 
                             『奇跡のリンゴ』より

2012.07.04

「共生の森」に植樹  ナナカマド  ザトウムシ

  2012.07.4 Wednesday

  
NPO法人「土に還る木・森づくりの会」の方々の協力を得て、高校1年生が「共生の森」に約50本の苗木を植樹しました。樹種も多様で、ナナカマドやブルーベリーなど、今まで不二聖心では見られなかった木もたくさん植えることができました。
生徒たちは木を植えながら、いろいろな生物を観察して楽しんでいました。写真に写っているクモのような生物はザトウムシでダニに寄生されている様子もよくわかります。


 
 
 

                今日のことば


やはり、何かにひざまずく心がないといけませんね。日本人は太古の昔から、人間なんて自
然のほんの一部だと、非常に謙虚だった。人間と自然が一体になった日本の自然観は、今後
ますます大事になっていくでしょう。だから日本が、この素晴らしい文化を世界に広めてい
くことこそが、大きな国際貢献になる。どしどし世界に発信していくべきだと思う。

                                 藤原正彦