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フィールド日記

2012.09.15

子持ちのサワガニ

 

 2012.09.15 Saturday

  檜林の中で子供を抱えたサワガニのメスを見つけました。サワガニは、全国各地で希少種に指定
されていますが、不二聖心では甲羅の青いサワガニの姿をたくさん目にすることができます。
世代交代も順調に進んでいることが確認できました。檜林の中には、同じく希少種であるヤマアカ
ガエルも多数生息しています。高校1年生が総合学習で行った「森の健康診断」と「間伐実習」は
希少種の維持にも役立つ活動であると言えます。

 


今日のことば

あなたの喜びがあるところにあなたの宝があり
あなたの宝があるところにあなたの心があり
あなたの心があるところにあなたの幸せがある

                       アウグスティヌス

2012.09.14

中学3年祈りの会  ヤマトタマムシ  コアシナガバチの巣  スズメバチ

  2012.09.14 Friday

  9月13日~9月14日まで中学3年生の「祈りの会」の引率で神奈川県松田町にある聖心丹沢学舎
に行ってきました。神父様の講話に合計4時間、耳を傾け、学んだことをシンボルで表現したものを
発表しました。最後の分かち合いでは次のような感想が聞かれました。

 これからはみんなの役にひそかに立てる人間になりたい。
小さな幸せを大切にして生きていきたい。
愛される人となるために先ず人を愛そうと思った。
一人一人が唯一の存在であると再確認できた。
家に帰ったら家族にありがとうの気持ちを伝えたい。
そっと人に寄り添える人間になりたい。
自分一人だけで物事を解決しようとする癖をなくしたい。
自分こそが神様からの贈り物であることに気づけた。

 

 わずか2日間で大きく成長した中学3年生の姿に感動しました。

 

 
 
  学校に帰ってみると職員室の机の上にいろいろなものが乗っていました。
先ず、プールサイドで死んでいたヤマトタマムシです。


 
 

 次は、本館前にソテツについていたコアシナガバチの巣です。高校3年生が見つけてくれました。
何らかの要因で営巣がストップしてしまったようです。


 
 

 先日、駆除したスズメバチの死骸も乗っていました。同じ種でも担う役割によってこれほど
体の大きさが違ってしまいます。


 

                今日のことば

今日が残りの人生の最初の日です。どんなものに自分の人生を燃やしますか。どんなものに
自分の命をけずっていきますか。

                           ある神父様の問いかけ

2012.09.12

間伐体験学習 女子高生手ノコで木を倒す

  2012.09.12 Wednesday

 高校1年生の総合学習(環境学習)の時間に間伐体験学習を行い、生徒が実際に手ノコで
木を倒す経験をしました。これは6月に行われた「森の健康診断」の調査の経験を土台とし
て行った活動です。指導は今回も矢作川水系森林ボランティア協議会のメンバーの方々にお
願いしました。

 まずは手ノコで受け口を作り、木を倒す準備をしました。

 その後、反対側からもノコギリを入れ、最後は力を合わせて木を倒しました。

 達成感にあふれる笑顔です。

 わずかな隙間に倒された様子がわかります。

 年輪から樹齢は50年程度であることもわかりました。

 
間伐体験で一番の感動は空が開けることです。

 開けた空間から指す光を見て、「光あれ、だね。」と創世記の言葉を口にした生徒がいた
ことが印象的でした。光が林床にあたることで森の植生はさらに豊かになっていくことでしょう。


 

               今日のことば

生物社会は好きなものだけを集めたらダメ。主木を中心にできるだけ多くの構成木を混ぜる、
混ぜる、混ぜる。競い合いながら発展していきます。
                                      宮脇昭

2012.09.11

夏の雲・秋の雲  ショウリョウバッタモドキ

  2012.09.11 Tuesday

 まだまだ残暑の厳しい日が続きますが、空には秋らしい雲も少しずつ見られるようになって
きました。体育館の上には、夏らしい雲と秋らしい雲の両方を見ることができました。


 ショウリョウバッタモドキほど写真の撮りにくいバッタはありません。あまりに上手にイネ科
の植物の葉に同化してしまうのでピントが合わないのです。これほどの擬態の名手もどんどん数
を減らしています。矢島稔は1983年に既にショウリョウバッタモドキの激減を嘆く文章を書いて
いますし、現在、6つの県で、絶滅危惧種・準絶滅危惧種に指定されています。


 

 

               今日のことば

高校3年生の歌

だんだんと静かになりゆくセミの声 夏も終わりて卒業近づく      
ここに来て初めて知ったよ本当の友を 照れて言えないいつもありがと  
繰り返す季節の重み増すばかりトンボの影に秋を感じて         
憧れの女性はナウシカ、峰不二子 強く明るく生きていきたい      
春がすぎ夏もすぎさり秋が来た別れの冬まであと半年          
リミットが近づくにつれ思い知るみんなと過ごせる大きな幸せ 

2012.09.10

不二聖心に「そば畑」現れる

  2012.09.10 Monday

 第1牧草地から第2牧草地へ向かう途中の芝地に新たにそば畑が作られました。この場所は、
もともと畑地として利用した歴史が過去にあり、芝地を耕しても大きな石はほとんど出てこな
かったそうです。このようなところにも不二農園の長い歴史がしのばれます。
15aの広さに5㎏の種が播かれました。収穫が楽しみです。

 

               今日のことば

 

 木があれば虫や鳥が寄ってくるし、花も咲くし。動物が死ねば、それが肥料になるし。
そういう循環のようなものは、頭で勉強するだけだと実感しにくいかもしれません。
やはり自分の体で経験しないと。それが都会の子なんかはできなくなっていますもんね。
世界を理解するのに、木を植えるというのはすごく大事なことだと思います。木はいのちの
シンボルですね。木を植えることは、いのちを知ることにつながると思うんです。

                                             

                              谷川俊太郎

2012.09.09

「秋の30分ハイキング」の下見 クルマバッタ オトギリソウ ヒヨドリバナなど

  2012.09.09 Sunday


9月22日(土)の学校説明会終了後に希望者を対象として行われる「秋の30分ハイキング」
(詳しくはホームページのトップページの「公開行事」をご覧ください)のコースの下見を
してきました。
今日も安定した晴れの一日でした。9月に入っても雨の少ない日が続きます。


 

 東京都では絶滅したと言われるクルマバッタを100匹以上見ました。


 

 

 ツルボの花やオトギリソウの花をいくつか見かけました。

 

 オンブバッタはなぜかヒヨドリバナの上でよく見かけました。


 


クリスマスのバッタ、ツチイナゴの幼虫もだいぶ大きくなってきました。
 

 

 

 当日も晴れてほしいと切に願っています。


 

              今日のことば

自然写真を撮るためにもっとも必要なものは何かと聞かれたら、それは対象にたいする深い
興味だと思う。初めは漠然とした気持ちでいい。花、昆虫、ある種の生き物への興味、山へ
の憧れ、あるいはある土地への思い……。それが何であれ、まず、その対象に対するマイン
ドの部分での関わりである。そして次は、その気持ちをさらに深めていくことが必要になっ
てくる。言いかえれば、どんどん好きになっていくプロセスだと。それが、勉強をしていく
ことだと思う。

                                星野道夫

2012.09.08

ヤブガラシの花とキンケハラナガツチバチ

 

 2012.09.08 Saturday
  ヤブガラシの花にたくさんのキンケハラナガツチバチが集まってきていました。その名の通り、
金色の体毛が美しいハチです。
ツチバチはハナムグリやコガネムシなどの甲虫の幼虫に卵を産み付け、孵化したハチの子どもは
甲虫の幼虫を食べて育つことで知られています。集英社文庫の『ファーブル昆虫記2 狩りをするハチ』
(奥本大三郎編・訳)に収められている「コガネムシを狩るツチバチ」には、ファーブルがその事実を
つきとめていく過程が実に興味深く綴られています。その中から、ハチの子どもが甲虫の幼虫をどのよ
うにして食べていくのかを記した部分を引用してみましょう。


ツチバチの幼虫は、母親のハチがうみつけてくれたその場所から、用心しながら食べていきます。
小さいハチの幼虫のくびはのびて、すこしずつ奥のほうへと、大あごがとどくようになっていきます。
するとハチの幼虫は、ハナムグリの幼虫が生きていくために、それほど重要でないところから食べ
はじめます。
そうして、だんだんと、ハナムグリの幼虫が生きていくのにたいせつなところにうつっていくのです。
最初に幼虫がかみつくと、きず口からハナムグリの体液がにじみ出してきます。まずこれを飲めば、
消化にもいいし、栄養があるでしょう。ツチバチの幼虫にとっては、これが母乳のようになるわけです。
小さな幼虫がすこし体液を吸ったぐらいでは、大きなハナムグリの幼虫は、すぐには死んだりはしません。
次に食べるのは内臓の外側の脂肪です。これをかじり、それから皮の裏側の筋肉を食べます。
そしてその次が、たいせつな内臓です。このころには、ハナムグリの幼虫はとてもよわっていますが、
まだ生きています。
最後に神経と呼吸器です。ここまでツチバチの幼虫に食べられてしまうと、ハナムグリの幼虫はとうとう
死んでしまいます。そのときまで、生きたままの新鮮な肉を、ツチバチの幼虫は食べることができたのです。

 
以前にハチ学の権威の先生にキンケハラナガツチバチはどのコガネムシの幼虫を狩るのか質問したところ、
まだそれは明らかになっていないということでした。不二聖心はキンケハラナガツチバチの宝庫です。
ここでなら世界初の発見ができるかもしれません。

今日のことば

夏に冬を慕い、冬に夏をのみ思うは愚者なり。夏ありて夏を楽しみ、冬来たれば冬を味わう。
この心を神は嘉す。自然における草木の如く、正しき成長はそこにのみある。
浅川巧

 

お知らせ

ホームページ内の「不二の自然」(12エサキモンキツノカメムシと13ニホンザル)を更新しました。
画像をクリックすると写真を拡大することができます。

2012.09.07

ムラサキシキブ  オオセンチコガネ  「無言館の青春」の感想

  2012.09.07 Friday

 富士山の実に美しい朝でした。芙蓉の花の数も日に日に増えています。


 
  

 ムラサキシキブの実が紫に色づき始めました。ムラサキシキブの学名はCallicarpa japonica
といい、「日本の美しい実」という意味を持ちます。日本では、昔から紫を格別高貴な色として
きましたが、ムラサキシキブの学名もその色の美しさを特に強調しています。
 

 

 

 久しぶりに糞虫のオオセンチコガネの姿を接写することができました。これもまた美しい
紫色をしています。鹿が多い奈良公園はたくさんのセンチコガネが生息することでも知られています。
鹿の糞を食べて育つセンチコガネは糞の掃除屋としての役目も果たしているのです。不二聖心でも、
たくさんの鹿がいることが、センチコガネの数の多さと関係しています。


 
今日のことば

    「無言館の青春」(窪島誠一郎)についての中学3年生の感想

◎「無言館」という言葉は小学生の時に一度聞いたことがありました。絵に少し興味がある
私は少しだけ行ってみたいなという気持ちがありましたが、それを誰かに言ったことはあり
ません。それは正直「戦争」が怖いからです。だから普通の美術館ではない無言館は私にと
って近寄りがたい場所でした。しかし、改めてこの作品を読んで、この絵を描いている画学
生は普通の画家と同じような気持ち、ただ絵が好きだという気持ちで描いていることがわか
り、それを恐ろしいと思っていた自分が情けなくなりました。いつ行けるかわからないけれ
ど、生きている間に一度は行けたらいいなと思います。

◎私は、この「無言館の青春」を読んで、「そういえば、兵士となった学生にも、今の私た
ちのような特技や趣味があったんだ。」と今頃になって気づかされた。それを不条理な戦争
によってあきらめ、またさらに家族とも離れ、二度と会えないというのを理解して戦争へ行
くというのは、本当にむごい。私には絶対にできない。夢をあきらめて死んでいった学生の
志は、今の日本には足りない志だと思った。画学生たちが私たちに教えてくれた「魂の静け
さ」を少しでも正しく心に留められたらいいと思う。


◎私は無言館について書かれた「春さんのスケッチブック」という本を小学四年の時に読ん
でから、ずっと無言館のことが気になっていました。いつか行きたいと思いつつ、未だ行け
ていません。今回もまた無言館とご縁があったので、絶対行きたいです。夢をあきらめ命を
捨てた彼らの絵を心におさめたいです。

◎私は戦争が、こんなにも若い人の、未来ある人々の命をうばっていったものだということ
を初めてここで知りました。むごいことをしたな…と思い、つらいです。でもみんな絵が大
好きで未来を信じていたように感じます。家族を大切にしていました。無言館に行ってみた
いです。現実を見つめなければならないと改めて知らされました。
私の祖父の兄はフィリピンで亡くなっています。しかし、みんなくわしく教えてはくれませ
ん。今はもういないから、六十年以上前のことだから、という思いが強いのだと感じます。
近年、平気で「死ね」などと言える人を見かけますが、何だか同じあやまちを犯そうとして
いるような気がしてなりません。今度、祖父の兄のことをきいてみようと思います。動かぬ
歴史をもっと知って、ちゃんと未来にも伝えられるようにならないといけないと思いました。

2012.09.06

ルリタテハの成虫と幼虫

  2012.09.06 Thursday

 ルリタテハの写真を撮りました。このチョウも樹液に集まるチョウですが、こちらに気づく
とワラビの葉の上へと移動してしまいました。いつみても美しいチョウだと思います。幼虫時代
の姿とのあまりの違いに驚いてしまいます。
ルリタテハはアジアに広く分布しています。軍医としてビルマ(ミャンマー)に赴いた人見勝氏は
次のような文章を残しています。

 昭和19年の雨季7月頃でしたか、ビルマのアラカン山の自動車輸送路上に止っているルリタテハ
を見出した時の感激は忘れられません。故郷の知人に逢った時のような懐かしさを覚え、廻診任務
を忘れて赤土の上に舞戻ってくる蝶の姿に見入っていました。

 

 

 これが幼虫の姿です。

 

今日のことば

この世の生において、おまえの肉体は力つきぬのに、そのなかで魂のほうがさきに力つきるとは、
恥ずべきことである。
                             マルクス・アウレリウス

2012.09.05

樹液の雫  ヒカゲチョウ

  2012.09.05 Tuesday

 今朝も樹液とそこに集まる虫の様子を観察しました。
樹液は雫がたれるほどよく出ていました。まだまだボクトウガの活動は活発なようです。

 カナブンも貪るように樹液をなめていました。


ヒカゲチョウがいました。ヒカゲチョウは樹液に集まる、常連のチョウです。よく似た仲間に
クロヒカゲがいますが、標高200メートル程度の不二聖心でよく見られるのは、ヒカゲチョウの方です。
ヒカゲチョウやクロヒカゲは、大陸にも日本にも生息していますが、ヒカゲチョウは北海道にはいません。
チョウの研究家として著名な高橋真弓先生は、「クロヒカゲより遅れて生息域を北に広げたヒカゲチョウ
が本州の北端のあたりに到着した時には、津軽海峡によって本州と北海道が分断されていたので北海道に
渡れなかった可能性がある」と述べられています。
大地の歴史に運命を変えられたチョウという視点を含めると、この地味なチョウがとても魅力的なチョウ
に見えてきます。
 

 

 

                今日のことば

「センス・オブ・ワンダー」というのは、何かに対して感動する心であり、驚きの気持ちですね。
美しい地球の景色に対して、素直に驚ける、素直に感動できるような心を持つことが大事だと思います。
「別に珍しくないんじゃない」なんて白けずに、「あ、すごい」と感じられるかどうか。「こんな景色
は見たことがない」と感じるかどうかですね。「ふーん、別に、そんなに」って言ってしまうことで逃
してしまっている感動って、かなりあるんじゃないかなと思います。

                                     

                                 野口聡一