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フィールド日記

2015.08.23

クサギ

 8月の晴れた日に茶畑の道から仰ぎ見る空の青は格別の美しさがあります。

8月の前半にはまだ咲いていなかったクサギの花が今は満開となり、黒いジャコウアゲハが飛んできては、クサギの白い花弁にとまり、美しい陰影を作り出しています。

今日のことば

冒険とは、
一日一日と、日を静かに過ごすことだ。
誰かがそう言ったのだ。プラハのカフカだったと思う。
人はそれぞれの場所にいて、
それぞれに、世に知られない
一人の冒険家のように生きねばならないと。

長田弘

2015.08.05

クロバネツリアブ

 8月4日に今年2回目の夏休み子供自然体験教室が行われました。今回は約70名の参加でした。自然観察をしたあと、牧草地で「生き物探しコンテスト」をしました。あらかじめ15種の生物の写真が載っているシートを渡された小学生が、できるだけたくさんの種類の生物を採集することに挑戦するコンテストです。
そのシートには例えば、クルマバッタが含まれています。


例えばツマグロヒョウモンが含まれています。


例えばウスバキトンボが含まれています。


驚いたのは、シートに載っていない動植物を採集する小学生がたくさんいたことです。
ある小学生の女の子は、クロバネツリアブを採集して大切そうにケースに入れて持ち歩いていました。

これは大分県で準絶滅危惧種に指定されているツリアブの仲間です。
これで、全国各地で絶滅危惧種あるいは準絶滅危惧種に指定されていて不二聖心で見られる生物の種類は83種類となりました。

今日のことば

人が実際、その目で見たものに真実はありますから。    城山三郎

2015.08.03

マメコガネ

 ジャパニーズ・ビートルと呼ばれ、世界各国で日本産の外来種として恐れられているマメコガネを昨日はワラビの葉の上で多数見かけました。

今日はクヌギの葉の上で多数見かけました。
何でも食べてしまう、この広食性がマメコガネの恐ろしさです。



今日のことば

みどりごは野から来たれりつゆ草の青ほのぼのと体に残し   俵万智

2015.08.02

夏休み子供自然体験教室(第1回)

 8月1日に第1回夏休み子供自然体験教室が行われました。今年で4年目になります。
第1回は約130人のお客様がいらっしゃいました。

今年は「日本野鳥の会」東富士支部副支部長の滝道雄先生を講師にお迎えし、鳥をテーマの一つとして体験教室を行いました。会場には日本野鳥の会からお借りした、富士山麓の野鳥の写真を多数展示しました。


それぞれの写真にひと言ずつ、鳥についての説明を加えました。
次の鳥はトラツグミです。

トラツグミは夜中に不思議な声で鳴きます。その声を聞いて警察に通報した人もいるそうです。
古典に出てくる鵺(ぬえ)のモデルはこのトラツグミです。
参加者の小学生の中には、自分で作ったフォトフレームに鳥の絵を描いている人もたくさんいました。


今日のことば

現代は幕末と似て、組織が制度疲労を起こしている。常識や習慣を打ち破る「やり過ぎる人」を育てたいんです。                             朝比奈一郎

2015.07.29

ミョウガの花

 すすき野原の近くでミョウガの花がたくさん咲いているのを見つけました。個性的な味を持つ食材として意識することの多いミョウガですが、花もなかなか特徴的です。


今日のことば

相手が誰であろうとも、それが自分よりはるかに若い子どもでも、王さまや大臣でも、あるいは犬でも虫でも花でもマウスでも、椅子でもボールでも、敬意を払って同等に、会話のできる大人でありたい。   『センス・オブ・ワンダーを探して』(阿川佐和子・福岡伸一)より


2015.07.28

コオニユリ

 7月15日に「夏休み子供自然体験教室」のコースの下見をした時に最も気になったのは、コオニユリの蕾がどこにも見当らないことでした。7月も半ば頃になれば必ず姿を見せていたコオニユリがどこにも見当らなかったのです。コオニユリは絶えてしまったのかと不安を感じつつ、今日再びコースを歩いたところ、美しく咲く花の姿を確認できました。自然は季節を忘れずに時を刻んでいくことを改めて思いました。



コオニユリは、東京都で絶滅危惧Ⅰ類に指定されるなど、全国各地で希少種に指定されています。

今日のことば

人間の任務は「仁」すなわち愛の拡充にある。しかしそれは学問の鍛錬によってこそ完成される。
吉川幸次郎

2015.07.26

クルマバッタ

 夏休み子供自然体験教室の準備のために富士山の見える牧草地を夕方少し歩いてみました。


クルマバッタがようやく飛び始めたことを確認しました。飛び立つときに後方から姿を眺めると車輪のような模様が見え、それが名前の由来となっています。東京都では絶滅危惧Ⅰ類に指定されているクルマバッタが不二聖心には多数生息しています。

夏休み子供自然体験教室では一人でも多くの小学生にバッタを追いかける楽しさを体験してもらえたらと思っています。

今日のことば

遠い夏息をころしトンボをとった
もう一度、あんな気持ちで夢をつかまえてね    松任谷由実

2015.07.24

山中湖と不二聖心の大木の比較

 昨日、高校1年生は山中湖でのキャンプから帰ってきました。湖畔のキャンプ場にはヤナギの大木がありました。水辺を好むヤナギにとって湖畔は格好の生育場所です。


不二聖心で大木と言えばクスノキです。クスノキは暖地を好みます。静岡県の平地では巨木まで成長した例も見られます。



樹木には、それぞれ好む環境があります。ヤナギの大木は不二聖心で見ることはできず、山中湖でクスノキの大木を見ることはできません。

今日のことば

現代人は忙しすぎます。
夕方、ポーチのロッキングチェアに座って、カモミールティーでも飲みながら、ツグミが澄んだ声で鳴くのに耳を傾けてごらんなさい。
毎日の生活が、もっと楽しくなりますよ。               ターシャ・テューダー

2015.07.19

7月の野鳥生息状況調査  キビタキ

 「夏休み子供自然体験教室」の講師を務めてくださる日本野鳥の会東富士支部の滝道雄先生と野鳥の生息状況の調査をしました。

確認できた野鳥は以下の通りです。
 1ホオジロ
 2ハクセキレイ
 3ヒヨドリ
 4スズメ
 5キジバト
 6メジロ
 7ハシブトガラス
 8コジュケイ
 9ウグイス
10ガビチョウ
11ツバメ
12キビタキ
13シジュウカラ
14ヤマガラ
15イカル
16ハシボソガラス
 特に大きな発見は、この時期にキビタキの鳴き声を確認できたことです。この時期に鳴いているということは、不二聖心に長期にわたって滞在し、不二聖心で営巣したことの証です。今日は標高329メートル、275メートル、227メートルの3地点で3個体を確認しました。
 このような美しい夏鳥が複数営巣できる環境が不二聖心のフィールドです。

今日のことば
暮れなづむ赤城山道歩をとめてあかはらを聴ききびたきを聴く  川村多実二

2015.07.15

夏休み子供自然体験教室のコースの下見

 梅雨明けかと勘違いするほどの夏らしい青空が見られた一日でした。


今日は、生徒スタッフとともに「夏休み子供自然体験教室」のコースの下見をしました。
すすき野原には、たくさんのナキイナゴが鳴いていました。


今日の経験を生かして当日は精一杯働こうと生徒スタッフははりきっています。


今日のことば

ことばって、何だと思う?
けっしてことばにできない思いが、
ここにあると指さすのが、ことばだ。   長田弘