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フィールド日記

2015.01.07

牧草地から見た木星

雲がかかった空に、その雲を突き通すように木星が光をはなっていました。
木星の光の点がわかるでしょうか。

次の画像の黄色い丸の中央に見えるのが木星です。

月と木星の光の下には体育館の屋根と箱根の山並みが見えます。真冬の夜の不二聖心の風景です。

今日のことば

煎じつめればこの世のことは何もかも美しいのであり、美しくないのは生きることの気高い目的や自分の人間的な価値を忘れたときの私たちの考えや行為だけである。
チェーホフ

2014.12.28

冬の野鳥観察

 今日は、不二聖心の冬の野鳥の観察をしました。

裏の駐車場からスタートしました。「共生の森」に向かう坂道の途中でシロハラを1羽とコジュケイを7羽見ました。ハシブトガラスの鳴き声も聞こえました。
「共生の森」の近くでメジロがサザンカの花の蜜を吸っているのを確認して、すすき野原に向かいました。すすき野原ではクヌギの枝にコゲラ(キツツキの一種)がいました。


画像に映っているコゲラの周りにある丸い実のようなものはクヌギエダイガフシという虫えいです。中にはクヌギエダイガタマバチの幼虫が生息しています。コゲラが虫えい内の幼虫を食べていることを初めて知りました。虫えいが生態系で果たしている役割をまた一つ知ることができました。
 
すすき野原ではアオゲラ(キツツキの一種)やキジバト、シジュウカラ、カケスの姿も確認できました。カケスの濁った「ガーガー」という声はたいへん特徴的です。
すすき野原から牧草地に出ました。
そこではメジロがハゼの実をついばんでいました。メジロがハゼの実を食べることを初めて知りました。

 
イカルの声を聞きながら、第1牧草地を進んでいくと端のところにモズのメスがいました。周辺で「モズのはやにえ」を確認できるかもしれません。
 
 第2牧草地ではホオジロ2羽とカワラヒワ2羽を見かけました。第2牧草地が終わると東名カントリーまで林道が続きます。林道のほぼ中間地点を過ぎたあたりのシロダモの木の近くでウグイスの地鳴きを確認しました。林道の終点近くにはカケスが2羽いました。帰りの牧草地でもカケスがよく鳴いていました。
牧草地を抜けて茶畑に出たあたりでキジバトを5羽確認しました。
校舎周辺で最初に見たのはハクセキレイです。校舎周辺ではよく見かける鳥です。以前にハクセキレイの幼鳥が生徒の手から餌を食べるようになったことがあました。
図書館横では、シロハラとカワラヒワがケースにたまった水を飲みに来ていました。この水の中では絶滅危惧種のヤマアカガエルが産卵します。
お墓の横の道を下りて行く途中にジョウビタキのメスがいました。ジョウビタキは縄張り意識の強い鳥です。
さらに道を下りていくと、キツツキの巣を見つけました。アオゲラかアカゲラの巣だと思われます。同じキツツキの仲間でもコゲラには生木に穴を開けるだけの力がありません。
 
ヒヨドリの声を聞きながらポンプ小屋のある道をさらに下りていくと、アオジ、ヤマガラ、シジュウカラがいました。
「温情の灯」の石碑の近くでコゲラの巣を見つけました。アオゲラたちの巣とは木の太さがまったく違い、こちらは枯木です。

 
イロハモミジの木にウソが3羽来ていました。口笛のような鳴き声も耳にすることができました。「うそ」は古語で「口笛」を意味にします。『今昔物語集』巻第二十九第三「人に知られざりし女盗人の語」には「亦うそを吹かば(口笛を吹いたら)、亦吹かむ者あらむずらむ。そこに歩び寄らせ。此は誰ぞと問はむずらむ。然らばただ侍りと答へよ。」という用例があります。
 
裏の駐車場までの坂道では、キセキレイとソウシチョウとメジロとコジュケイを確認しました。

今日の調査では合計22種の鳥を観察することができました。
今日のことば
僕はファーブルやポワンカレを素人考えでたいそう好いているのだが、それは彼らの仕事の中身がつまっているからだ。僕は今も言ったように素人考えで好いているので、科学のことは何も知らない。僕の眼に映ったようなものは彼らの科学者としての仕事のほんの些細な一部に過ぎないのだろう。だがそれならば、全体の仕事のほんの一部が、しかも科学のことをまるで知らない一人の素人をそれほど感動させるとすれば、それは彼らの仕事の中身が全くひどくつまっているからだということになりはしなかろうか。
「素樸ということ」(中野重治)より

2014.12.24

世界農業遺産とすすき野原と茶草場農法

  すすき野原のススキがきれいに刈り取られていました。ススキの葉は茶畑の肥料になります。すすき野原は、草刈りがなされることで地表に日があたり、貴重な植物の生育を可能にします。
このように茶畑に肥料を提供する周辺の草原を茶草場と呼びます。掛川の茶畑が世界農業遺産に指定されたのは、そこで茶草場を利用した茶草場農法が行われているからでした。不二農園でも、それと同じ茶草場農法がとりいれられています。



今日のことば

星座ーーオリオン座、馭者座、プレイアデス星団の美しさより、メタン瓦斯の匂う掘割に映るネオンのノクターンを賛美する時代である。それにしても、人々がもっと自然に関心を持ち、愛したら現代も悪がこうまで跳梁しないであろう。                    田中冬二

2014.12.19

牧草地とオリオン座と冬の大三角形

 今日で学校が終わりました。生徒が全員帰宅して急に校内が静かで寂しく感じられるようになりました。
牧草地の静けさも格別でした。箱根山の上の空のオリオン座が牧草地からよく見えました。

シリウスが山の稜線から上がってきて、冬の大三角形も見ることができました。


今日のことば

声澄みて北斗にひびく砧(きぬた)かな   芭蕉

2014.12.13

本館の塔の上の北斗七星

  本館の塔の上にかかる北斗七星の写真を撮りました。赤丸の星(デルタ)だけが3等星で他の6つの星はすべて2等星です。2等星は空全体でも60ほどしかありませんが、そのうちの6つがここに集まっています。
北斗七星は、きれいにヒシャクの形に並んでいますが、最も近い赤丸のデルタ星は地球から50光年の距離にあり、最も遠い柄の先のエータ星は170光年の距離にあります。3倍以上の差があるということです。それぞれの星の光が旅した距離を意識して見ると、北斗七星の輝きはいっそう美しく感じられます。


今日のことば

「地道」を超える魔法などない。   佐渡島庸平

2014.12.08

シジュウカラ科の鳥たち

 木々が葉を落とし、野鳥の観察に適した季節がやってきました。「共生の森」の周辺では、シジュウカラ科の鳥たちが群れで行動していました。画像の鳥は、胸部が隠れていて判断がつきかねますが、シジュウカラかコガラではないかと思います。

今日のことば

悲しみのあまりに多き年忘   伊澤敬介

2014.12.02

クヌギの黄葉  シイタケ日記

 秋に葉が色づいて美しいのは、モミジだけではありません。クヌギの黄葉もなかなかのものです。今朝は、黄色い葉をつけたクヌギの木が風に吹かれて揺れていました。

 雨の翌日のシイタケは水分を豊富に含んで濃い色に変色していました。

今日のことば

かきくらし雪ふりしきり降りしづみ我は真実を生きたかりけり   高安国世

2014.11.29

「共生の森」の紅葉  シイタケ日記

  昨日、「共生の森」の様子を確認しました。周辺のカエデは紅葉していましたが、まだ緑の部分もかなり残っていました。校舎周辺のイロハモミジと比べると紅葉の時期が少し遅いようです。


「共生の森」のシイタケは徐々に数を増やしています。肉厚のシイタケがいくつも出ていました。

 なかには、直径が15cm近くあるものもありました。高校1年生は自分たちの植えた菌が立派なシイタケに成長したことに大喜びしていたそうです。




今日のことば

紅葉はアントシアンの増加です生物教師の薄い唇   こやまはつみ

2014.11.23

雪に覆われた富士山  チョウセンカマキリ

 昨日の朝、撮った富士山の写真です。今年初めて宝永火口の下側まで雪に覆われた富士山を見ることができました。

同じ日の朝にチョウセンカマキリと出会いました。富士山が雪に覆われるほど気温の低い季節になってもチョウセンカマキリはまだ活動を続けています。虫たちの中でもカマキリは最も遅い時期まで姿を見かける昆虫の一つです。


今日のことば

産卵に戻れる鮭の弱りしを眼光鋭き尾白鷲待つ     五十嵐容子

2014.11.19

晩秋のアリジゴク

 アリジゴクの巣を見つけました。作ったばかりのようなきれいな巣です。もう既に蟻の姿は見かけません。それでもアリジゴクは落とし穴を作り、獲物をじっと待っています。その理由が何なのかを考えてみたいと思います。



今日のことば

人生に終りのあるということの何故か明るし秋麗の朝    丹羽利一