フィールド日記
2014年04月
2014.04.26
キジとキンラン
久しぶりにキジと出会うことができました。餌となる小動物の動きが活発になったためにキジも採餌に忙しい様子でした。
キジのすぐ近くの雑木林で、開花直前のキンランの写真を撮りました。今年もゴールデンウィークの頃には美しい花を咲かせてくれそうです。
キンランは菌根菌とクヌギとの三者の共生関係で知られ、全国各地で絶滅危惧種に指定されています。
今日のことば
植物にせよ、小鳥にせよ、又昆虫にせよ、私は其の姿を見て其の名を口にし、其の名によって其の姿を思い出せるようになりたい。それは彼等と一層親密な関係に入りたいが為である。(中略)無知は無縁の兄弟である。愛する事によって一層よく理解し、理解する事によって一層深く愛する事を学ぶのは、幸福の最も静かな又最も純なるものではあるまいか。
尾崎喜八
2014.04.25
アミガサタケ
今年も中学校舎の中庭で春を告げるキノコ、アミガサタケが発生しはじめました。例年より数が多いような印象を受けます。今年はもしかしたらキノコの当たり年かもしれません。どんなキノコに今年は出会えるのか。今から楽しみです。
今日のことば
いま曲がり角にきたのよ。曲がり角をまがったさきになにがあるのかは、わ
からないの。でも、きっといちばんよいものにちがいないと思うの。
『赤毛のアン』より
2014.04.23
楠若葉 春落葉
裏の駐車場のクスノキの巨木の近くは、たくさんの落葉で埋めつくされています。この落葉は俳句の季語で「春落葉」と言います。
木を見上げると新しい葉が萌え始めています。
これはクスノキの若葉で、楠若葉と言います。これも季語です。
不二聖心のフィールドは、たくさんの季語を味わえるフィールドです。
今日のことば
あすなろの明日を重ねし春落葉 丸山海道
2014.04.17
桜づくし
ソメイヨシノが散ってしまっても、まだまだ桜づくしの季節が続いています。
お茶畑の中心にはオオシマザクラが咲いています。
築山のシダレザクラも満開です。
講堂横の坂道の八重桜もまだまだ楽しめそうで、しばらくは桜づくしの季節が続くことでしょう。
今日のことば
さくらさくらさくら咲き初め咲き終わりなにもなかったような公園 俵万智
2014.04.17
シイタケの植菌
高校1年生が総合学習の時間に、NPO法人「土に還る木・森づくりの会」の方々のご指導のもと、シイタケの植菌を行いました。菌を植えたのは、2月の大雪で折れたクヌギの木です。クヌギは炭焼きなどで古くから日本人に利用され、その葉や幹はカブトムシをはじめとしてたくさんの生物に栄養分を提供してきました。切っても切っても生えてくる不思議な力を持った樹木でもあります。シイタケの栽培にも、ブナ科の樹木のなかで、クヌギが最も適していると聞きました。来秋の収穫が楽しみです。
今日のことば
葉かげなる天蚕(てんさん)はふかく眠りゐて櫟(くぬぎ) のこずゑ風渡りゆく 美智子皇后様
2014.04.13
ケシ科のジロボウエンゴサク
ジロボウエンゴサクが今年もたくさん咲きました。あまりにたくさん咲いていて、まるで外来種の雑草のようですが、ジロボウエンゴサクは希少種で長野県では既に絶滅したと言われています。
同じケシ科の春の花であるムラサキケマンなどと比べても希少性は極めて高いと言えるでしょう。
減少している種について知り、大切に守り育てる心を持つことが大切です。
今日のことば
科学者は単に未知の真理を追究するだけでなく、知識のない人に間違った行動をさせないようにすることも科学者の責任である。 ベルトルト・ブレヒト
2014.04.10
リョクガクザクラの開花
96歳の植物研究家、渡辺健二さんが寄贈してくださったリョクガクザクラの花がついに咲きました。古くは日本の桜の花のほとんどが白色でしたが、リョクガクザクラは、いにしえの風情を伝える白花に鮮やかな緑が添えられ、いっそう美しさが増しています。
今日のことば
ちる花はかずかぎりなしことごとく光をひきて谷にゆくかも 上田三四二
2014.04.09
クヌギの花芽
クヌギの花芽が伸び始めています。
クヌギの丸いドングリは、このユニークな花から生れるのです。
今日のことば
葉かげなる天蚕(てんさん)はふかく眠りゐて櫟(くぬぎ) のこずゑ風渡りゆく
美智子皇后様
2014.04.06
リョクガクザクラの蕾
昨年、96歳の植物研究家の渡辺健二さんから寄贈していただき、生徒が植えたリョクガクザクラが蕾をつけました。この桜はフジザクラ(マメザクラ)の一種で、緑の萼の色が際立つところからリョクガクザクラと名付けられました。大切にしたい富士山ゆかりの桜です。
今日のことば
Chance favors the prepared mind.(発見のチャンスは準備された心に降り立つ。)
パスツール
2014.04.05
シイタケの植菌
2月の大雪で倒れたクヌギの木を使ってシイタケ栽培をするプログラムを高1の総合学習に組み込むことができないかと考え、今日、NPO法人「土に還る木・森づくりの会」の会員の方から植菌の仕方を習いました。ドリルで木に穴を開け、そこに菌を埋め込むという方法でしたが、嬉しいことに今日埋め込んだ菌はすべて新種の菌で、今年の秋には収穫が可能だそうです。
今日のことば
科学者になるには自然を恋人としなければならない。自然はやはりその恋人にのみ真心を打ち明けるものである。 寺田寅彦
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