フィールド日記
2014年04月
2014.04.04
花曇りの朝
昨日からの大気の不安定な状態が今日も続き、花曇りの朝となりました。
午後から天気は回復に向かうようですが、西高東低の気圧配置となって上空に寒気が流れ込むため明日は花冷えの一日となりそうです。
今日のことば
中学3年生の宗教の授業で、「マタイによる福音書」の「はっきり言っておく。私の兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは。わたしにしてくれたことなのである。」という言葉を読み、世の中の「最も小さい者」と言える立場や境遇の人々について調べ発表するという授業をしました。その中からいくつかの発表を紹介します。
世界には勉強を十分にできていない子供たちがたくさんいます。この写真は、街灯の明かりで数字や文字を勉強しているマリの子どもたちの写真です。この子供たちは、児童労働に従事し、コートジボワールのカカオ農園で働いています。児童労働に従事している、このような子供たちは少なくなく、世界で2億1800万人が児童労働についているそうです。また、そのうち1億7800万人が最悪の形態の児童労働に従事し、その60パーセントが14歳未満だといいます。では、なぜ児童労働は存在するのでしょうか。まず、理由の一つに貧困という現実があります。コートジボワールやジンバブエ、カメルーンのように比較的国民の平均所得が高い国では児童労働の比率が低く、マリやブルンジ、ブルキナファソなどのように所得の低い国では児童労働の比率が高くなるようです。もう一つの理由に教育機会の欠如があります。「働いているから学校へ行けない」という事実は確かに存在しますが、同時に「学校がないから働くしかない」という側面もあるのだそうです。日本や先進国では義務教育は無償ですが、途上国では有償であったり、地域に学校がなかったりということがあります。コスタリカのような、国内予算の40パーセントを教育に投じている国はまれなのだそうです。
このような様々な問題を抱えている国々に対し、私たちに何ができるのかを考えてみました。募金をしたり、その国々について調べ、自分にできることを見つけ実行したりすること、または苦しんでいる方々を想いお祈りすることも大切だと思います。しかし、今すぐ私たちがやるべきことは、勉強を思う存分することができる環境に感謝して、一生懸命学問に励むことだと思います。日本の子供たちはこんなにも恵まれているのに文句を言って勉強を怠けることはもったいないことですし、とても失礼なことのように感じるので、これからは一生懸命勉強に取り組み、世界のためにも学んでいけたらいいなと思います。そして、児童労働に従事している子供たち、世界の苦しんでいる方々が少なくなっていくことを願っています。
この写真に映る子供達は皆本当に楽しそうに、嬉しそうに机に向かっています。彼女達は、新ユーゴスラビア連邦セルビア共和国のコソボ自治州に住んでいます。コソボは昔は野花が咲きみだれる美しい土地でしたが、弾圧や虐殺により、家々は焼かれ町は廃墟と化しました。
そのような、危険で決して恵まれているとは言えない環境に生きている子供達にとって、本を読んだり字を書いたり絵を描いたりすることはとても楽しいことだと思います。
私たちの生活には、テレビやマンガ、ゲームなど、見ようと思えば、知ろうと思えば、どこまでも広がる新鮮な世界があります。学校に通うことも、家や家族があることも、毎日食事ができることも、当たり前になっています。そういう生活をしていると、生活することよりも、テストや人間関係などに悩み、自分はなぜこんなにも不幸なんだ、と思ってしまう人もいます。私も、不幸とまで思わなくても、自分自身が嫌になってしまうことがあります。そんなとき、この写真を思い浮かべます。周りに温かい環境があり、やりたいことができ、したい勉強ができる。こんなにも恵まれているのに、どうして不満になるのか、と思い直すことができます。今ある自分と環境は、決して当たり前ではないのだということを、彼女達の、テキストを食い入るように見つめる笑顔から学びました。
2014.04.02
電気柵に守られるマユミ
3月29日に「小さな親切運動」の一環で、静岡銀行とその関係者の方々が「共生の森」の整備をしてくださいました。枯れ枝の撤去や植樹の他に電気柵の弛みを直す作業もしていただきました。
昨年は鹿の被害でほとんど新芽が見られなかった、「共生の森」のマユミが、今年は電気柵に守られて既に花芽までつけています。
今日のことば
最近インタビューに来た大学生たちに、「若い内にいい芸術に触れてね」と話すと、「でも、コンサートとか高いから。五千円あったら、好きな歌手のライブに行く」という答えだった。
人間として成長し、成熟するために必要な「学ぶ」という感覚が失われていることに愕然とした。感動することを知らずに育つことは恐ろしい。
赤川次郎
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