フィールド日記
2011年07月
2011.07.12
ウズグモ・トゲナナフシ
平成23年7月11日 月曜日
夕方、校舎内の戸締りを確認していたらヒグラシの声が遠くから聞こえてきました。
これからは毎日のようにヒグラシの声が聞けると思うとそれだけでうれしくなります。
ウズグモの仲間の巣が雑木林で目立つようになってきました。写真は昨日撮影したものです。
蜘蛛の巣の張り方も種類によって実にさまざまでそれだけ でも生物の多様性を感じることができます。
個体を採集して写真を撮り専門家に同定を依頼したところ次のような返事をいただきました。
トウキョウウズグモ属の一種で,カタハリウズグモ,ヤマウズグモ,エゾウズグモのいずれかのメスですが,
どれであるかは外雌器を見ないと特定できません.
一つの種を特定することの難しさを改めて感じました。
トゲナナフシが校舎の裏にいました。上の写真は見つけた時の姿で、下の写真はこちらの動きを察して
木の枝にすっかり擬態してしまった姿です。擬態もユニークですが生殖の仕方もユニークで、
トゲナナフシはすべての個体が雌で単為生殖をするという不思議な生き物です。
2011.07.10
モリアオガエル・カブトムシ・ハチモドキハナアブ・ルリジガバチ
平成23年7月10日 日曜日
今日も裾野市は快晴でした。
不二聖心の近くを流れる黄瀬川では小学生が川に飛び込んで遊ぶ姿も見られました。
生き物たちの動きもますます活発になってきています。
茶畑の池ではモリアオガエルの子どもが既に陸上にあがってきていました。
すでにモリアオガエルらしい立派な手をしています。
雑木林の樹液にもたくさんの虫が集まってきていました。その中からカブトムシのメスと
ハチモドキハナアブの写真を撮りました。ハチモドキハナアブを見るたびに擬態の神秘を感じます。
駐車場の裏のヤブガラシの花にはルリジガバチが来ていました。
ルリジガバチは幼虫の餌としてクモを狩ります。ヤブガラシの花の近くにはいろいろなクモが潜んでいます。
2011.07.09
オオバノトンボソウ
平成23年7月9日 土曜日
東海地方は昨日、梅雨が明けました。不二聖心では初めて蝉の声も聞かれました。
夕方6時過ぎにはホトトギスが鳴いていました。生き物の声で賑わう本格的な夏の到来です。
今日はラン科ツレサギソウ属のオオバノトンボソウの写真を撮りました。5つの県で絶滅危惧種・準絶滅危惧種に指定されている希少種です。花の形がトンボに似ているところからトンボソウと名付けられたそうです。
昨年とは全く違った場所で花を咲かせていました。
2011.07.08
ヒヨドリバナ
平成23年7月8日 金曜日
ヒヨドリバナの花がもうすぐ咲きそうです。ヒヨドリバナは、夏の間、不二聖心のあちらこちらで
目にすることのできる植物です。ときどきジェミニウ イルスによって黄色く変色している葉をみかける
ことがありますが、今日見た葉は葉脈にそって切れ込みが入っていました。何者の仕業か不明です。
2011.07.07
グッピーの稚魚・アカメガシワの花
平成23年7月7日 木曜日
高校3年生が教室で飼育していたグッピーが稚魚を産みました。生徒たちも大喜びです。
不二聖心のあちらこちらで道が黄色に染まっているのを見かけます。アカメガシワの花が道路一面に落ちて
広がっているためです。写真の花は牧草地のアカメガシワで花は終わりかけています。
よく見るとクモが1匹隠れて訪花する虫を待ち伏せしているの がわかります。
この1匹のクモが、アカメガシワの花が多くの命を養っていることを証しています。
2011.07.06
高校3年生の短歌⑧・ツチアケビ・アジサイと子猿
平成23年7月6日 水曜日
高校3年生が詠んだ短歌を紹介します。
かき氷みぞれ金時ブルーハワイこれからますます美味しい季節
予備校でどんなに帰り遅くても待っててくれる母に感謝
じめじめじめ洗濯物が乾かない母の機嫌も直らない
深夜2時突然課題を思い出し月明かりの中数学を解く
貯金箱100円入れてほくそ笑む頑張れ弟目指すは100万
さけられない母とのけんかどうしてもいつも後悔さっきの一言
「何が欲しい?」聞くと即答「iPhone!」と答える祖父はまだまだ若い
原宿は個性的な人ばかり田舎な私ついつい見ちゃう
不二聖心内におけるツチアケビの生息が平本政隆先生によって確認されました。ツチアケビは、
7つの県で絶滅危惧種に指定されています。また1種、不二聖心に生息する希少種の数が増えました。
朝、坂道を登ってくる時にサルと出会いました。写真のサルはまだ赤ちゃんのサルです。
2011.07.05
ニガイチゴの実・モリチャバネゴキブリ
平成23年7月5日 火曜日
牧草地の脇にニガイチゴの実がたくさんなっていました。
背後に小さく写っている赤いものもすべてニガイチゴの実です。
モリチャバネゴキブリの写真を撮りました。名前の通り、人家の中ではなく森に生息するゴキブリです。
2011.07.03
オニシバリの実・ジャコウアゲハの幼虫・ゲホウグモの卵のう
平成23年7月3日 日曜日
オニシバリの実を見つけました。針葉樹の林の暗がりの中で一際美しい輝きをはなっていました。
「鬼縛り」という恐ろしい名前の植物ですが、その実は実に可憐です。
ジャコウアゲハの幼虫を見つけました。いつ見てもその特異な姿かたちに圧倒されてしまいます。
卵のうについている小さな点のようなものが何かわかるでしょうか。蜘蛛の子どもです。雑木林 の縁で二つ、同じような卵のうを見つけることができました。ゲホウグモの卵のうと思われます。ゲホウグモは夜行性で目の細かい円網を張ります。昼間は木の こぶに擬態していますのでなかなか見つけることができまんが、
卵があるということは、間違いなく親もどこかに潜んでいるということです。
2011.07.03
オオシオカラトンボ・カツオゾウムシ
平成23年7月2日 土曜日
いよいよ7月に入り、夏の生き物たちの姿がたくさん見られる時期に入ってきました。
夏に不二聖心の茶畑の池で最もよく見られるトンボはオオシオカラトンボです。写真のトンボはオスで、
メスの体色はくすんだ黄色です。
イタドリの葉の上にカツオゾウムシがいました。体の形と表面の色が鰹節に似ているところから
カツオゾウムシと名付けられました。
2011.07.02
ムラサキツユクサ・ビヨウヤナギ・オジロアシナガゾウムシ
平成23年7月1日
今、正門近くの花で一際目を引いているのがムラサキツユクサとビヨウヤナギです。ムラサキツユクサは
放射線の照射によって染色体の異常が起こりやすい植物で、放射線生物学の研究材料として用いられています。
ビヨウヤナギは白居易の長恨歌に出てくる花として有名です。白居易は玄宗皇帝の妃、
楊貴妃の美しさをビヨウヤナギにたとえてその詩に詠んでいます。
パンダカラーのオジロアシナガゾウムシを同時に3匹見つけました。
オジロアシナガゾウムシの食草はクズですが、今日見つけた3匹はすべてヤブマオの葉の上にいました。
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