〇お知らせ〇
同じ内容をインスタグラム「不二聖心女子学院フィールド日記」(クリックするとインスタグラムのページが開きます)にも投稿しています。より高画質な写真を載せていますのでぜひフォローしてください。

フィールド日記

2012.05.25

サトキマダラヒカゲ


 

 2012.05.25 Friday

 雑木林の樹液にいろいろな生き物が集まる季節になりました。上の写真の蝶はサトキマダラヒカゲです。チョウ学の大家、高橋真弓先生が20年かけてサトキマダラヒカゲとヤマキマダラヒカゲは別種であることを明らかにしたという感動的な話があります。以前は普通種であったサトキマダラヒカゲも静岡県の隣の山梨県では準絶滅危惧種に指定されるようになってしまいました。

 

 
今日のことば

   かきくらし雪ふりしきり降りしづみ我は真実を生きたかりけり

                             高安国世

2012.05.24

ホソオビヒゲナガ   タゴガエルの新聞記事

  2012.05.24  Thursday

 雑木林の縁でホソオビヒゲナガという蛾を見つけました。触覚の長さで際立つ蛾です。この時期、林縁の花などにとまっている姿をよく見かけます。林の中よりも林縁でよく出会える生き物が雑木林には数多くいます。

  裏道のタゴガエルについての記事が岳麓新聞に掲載されました。不二聖心の宝として大切にしていきたいカエルです。

 

              今日のことば

 人はみな慣れぬ齢(よわい)を生きているユリカモメ飛ぶまるき曇天 
                                永田紅

2012.05.23

中学生のお茶摘み   ムラサキシキブミフクレフシ

  2012.05.23 Wednesday

 今日は中学生全員によるお茶摘みが行われました。取材をしてくださった岳麓新聞社の記者の方は「お茶が作られる過程が体験できるのはいいことですね」とおっしゃっていました。「過程」が抜け落ちることの多い今の時代にあって、貴重な体験ができた1時間でした。

 
 ムラサキシキブの花芽に虫こぶがついているのを見つけました。タマバエのつくった虫こぶです。ムラサキシキブミフクレフシという名前の虫こぶで、『日本原色虫えい図鑑』には以下のような説明が載っています。

タマバエの1種によって子房が肥大し、最大直径3.0~6.0mm、高さ2.7~4.7mmの準球形~準倒卵形の虫えいとなる。正常実は熟すると漿質性となり、紫色となるのに対し、虫えいは正常実よりやや大きく、黄緑~緑色のままである。内部には壁のやや堅い幼虫室が1~5個あり、各々に1匹ずつの幼虫が入っている。正常実とともに虫えいも7月頃から落下し始め、秋にはほとんど落下し終わる。1部の虫えいは冬季も枝に残ることがあるが、これらは寄生蜂に寄生されたものが多い。このため、この虫えいはコバチによって形成されると考え
られていたが、後に、タマバエによるものであることが判明した。

 
 下の写真は、虫えいの中にいたタマバエの幼虫の写真です。体長は約1.5ミリです。


                                     

                                           今日のことば

 小さい者であるとは、自分の無を認め、幼児がその父親からすべてを期待するように、天
主さまからすべてを期待すること、また何も思い煩わず、財産をつくらないことでございます。

                          幼きイエスの聖テレジア

2012.05.22

インモンジカメノコハムシ

  2012.05.22 Tuesday

 お茶畑の横の雑木林でイチモンジカメノコハムシの成虫に出会いました。とまっているのは食草のムラサキシキブの枝です。ムラサキシキブや近縁のヤブムラサキを食草とするイチモンジカメノコハムシは広くインドにまで分布していると言われます。ということは、食草のムラサキシキブの仲間も同じ範囲で分布している可能性があるということです。



今日のことば

地球を包む空気の皮のなかに
生きているのに
林檎の皮をむいて捨てている

              杉山平一

2012.05.21

ゴマダラチョウ


 

 2012.05.21 Monday

  今日は、「夏休み子供自然体験教室実行委員会」のメンバーで、体験教室のコースの下見をしました。コースに含まれる雑木林で出会ったのが、写真のゴマダラチョウです。クヌギの樹液を求めてやってきたものと思われます。
ゴマダラチョウの幼虫はエノキの葉を食べます。高校1年生の総合学習で行う「共生の森づくり」の植栽予定樹木にエノキも含まれています。森づくりを通して、このような美しいチョウが不二聖心のフィールドに増えることを願っています。

 

今日のことば

ミツバチの農薬被害が続いている。量によっては大量死につながり、即死しなくても、中長期的に影響が出る恐れもわかってきた。(中略)
大量失踪や大量死には、農薬、ダニ、ウイルス、環境の悪化など様々な要因や、それらが複合的に関わった可能性が指摘されている。中でも注目されているのがネオニコチノイド系農薬の影響。イネにつくカメムシなどの防除に使われている農薬だ。(中略)
ネオニコ系農薬が使われる背景には、消費者の意識もある。イネにカメムシがつくと、斑点米という黒い米粒になる。食べても害はないが、わずかな割合でも斑点米が含まれると等級が下がり、農家にとって経済的に打撃となる。
「ミツバチが死ぬのは怖いと思いながら、真っ白なご飯をありがたがる意識の間にはずれがある。これを啓発することが必要だ」。そう話すのは、玉川大学ミツバチ科学研究センターの中村純教授。「ハチミツやご飯の向こうにある景色、生産現場への意識を持って欲しい」と指摘する。


小坪遊

2012.05.21

ジャコウアゲハ


 


2012.05.20 Sunday

 ここのところジャコウアゲハを本当によく見かけます。今日もハルジオンにとまる姿を何度も見ました。ジャコウアゲハは、幼虫がウマノスズクサという有毒の植物を食べることで自身も毒を持つようになるので、天敵からあわてて逃げる必要がありません。だから飛ぶスピードは他のアゲハチョウと比べて遅く、比較的写真の撮りやすいチョウです。

 


今日のことば

いつまでも絶えることなく
友だちでいよう
明日の日を夢見て
希望の道を

空を飛ぶ鳥のように
自由に生きる
今日の日はさようなら
また会う日まで

信じ合う喜びを
大切にしよう
今日の日はさようなら
また会う日まで


金子詔一

2012.05.19

体育大会  アリグモ

  2012.05.19 Saturday


今日は体育大会でした。薫風に吹かれながら五月晴れの空の下で充実した素晴らしい一日を過ごすことができました。

 
 
図書館の近くでユニークな生き物に出会いました。一見するとアリに見えますが、これはアリグモと呼ばれるクモで、アリに擬態しています。アリは蟻酸という有毒物質を出すことで天敵から身を守っていますので、クモもアリに擬態することで天敵から忌避されるという利点があるわけです。不二聖心ではいたるところでこのアリグモを目にすることができます。

 
 
                    今日のことば

木という字を一つ書きました
一本じゃかわいそうだから
と思ってもう一本ならべると
林という字になりました
淋しいという字をじっと見ていると
二本の木が
なぜ涙ぐんでいるのか
よくわかる
ほんとに愛しはじめたときにだけ
淋しさが訪れるのです

                    寺山修司

2012.05.18

ヤマアカガエル  フタリシズカ

  2012.05.18 Friday


築山の池のヤマアカガエルのオタマジャクシがカエルになったと生徒が知らせてくれました。同じアカガエル科でも昨日のフィールド日記で紹介したタゴガエルとは様子が若干違い、多少こちらの方が大きいです。タゴガエルの生息環境の特殊性が体の大きさにも影響しているのかもしれません。


 

 フタリシズカが咲き始めました。この時期は美しい純白の花をたくさん見ることができます。


 

 

         今日のことば

ここは宇宙の どのへんなのか
いまは時間の どのへんなのか

鉱物たち はてしなく大らかで
植物たち かぎりなくみずみずしくて
動物たち いつもまっ正直で
この数えきれないまぶしい物物物の中の
ひとにぎりの人間 ぼくたち
こいびとたち 美しく
父母たち やさしく
友だちみんな たのもしく
たべもの みんな おいしく
やらずにおれない素晴らしいこと
山ほど あって
生かされている!

自分で 生きているかのように
こんなに たしかに!
                    まど・みちお

2012.05.17

マルバウツギ

  2012.05.17 Thursday

 裏道にマルバウツギが目立つ季節となりました。マルバウツギは、山口県で絶滅危惧Ⅱ類に、栃木県で準絶滅危惧種に指定されています。
マルバウツギについては『不二の自然①』で次のように紹介しました。

 今年もウツギ(卯の花)の咲く季節となりました。陰暦4月は卯月といいますが、この月に合わせるようにして、卯(ウサギ)のように白い花、「卯の花」が咲き始めます。古来、日本の詩歌に卯の花は数多く詠まれてきました。その多くはホトトギスとともに詠まれたという特徴を持っています。例えば有名な文部省唱歌「夏は来ぬ」の歌詞には次のような一節があります。

卯の花の匂う垣根に ほととぎす早も来鳴きて
忍び音もらす    夏は来ぬ

 不二聖心では毎年、ホトトギスの声も聞くことができます。卯の花が咲き、ホトトギスが鳴くこの自然を大切にしたいものです。

 

                今日のことば

時をも停止させるような、時を垂直に断つ言葉、
それに触れて立ち止まらなくては、
永遠は見えてこない。

                      今道友信

2012.05.16

モリアオガエル  タゴガエル

  2012.05.16 Wednesday

 昨夜、帰宅しようとして廊下を歩いていたら校舎内に迷いこんだモリアオガエルに出会い
ました。


 

 校舎内に迷い込んだモリアオガエルを外に逃がしてもどってきたら、今度は窓に別のモリアオガエルがついていました。

 

 今日の朝は、岩の穴から出てきたタゴガエルの子どもに出会いました。絶滅危惧種のカエルたちに日々、出会うことのできる不二聖心の環境は本当に素晴らしいと感じます。


 

 

今日のことば


私たちは子どもを尊重しなければなりません。創造主である神の姿に似せて造られたこの小さき者の世界に敬意を持って接していかなければなりません。

                             聖マグダレナ・ソフィア