フィールド日記
2012.07.06
ヒグラシの羽化
2012.07.6 Friday
「共生の森」に高校1年梅組4班の生徒が植えたスダジイの木でヒグラシが羽化していました。
他にも別に2匹、ヒグラシの羽化を確認しました。「共生の森」がヒグラシの鳴き声に満ちる日が間もなくやってくることでしょう。
羽化したてのヒグラシの透き通るような緑色に深い感動を覚えました。



今日のことば
生まれるに時があり、死ぬに時がある。泣くに時があり、笑うに時がある。神は全てのもの
を時に適ったものとして美しく造った。
「伝道の書」より
2012.07.05
クリ ブルーベリー
2012.07.5 Thursday
いつの間にか栗の実が育ち始めていました。「栗花落」と書いて「つゆり」さんと読む名字の方がいらっしゃいますが、「つゆり」は「梅雨入り」を意味しています。栗の花が落ちる頃、梅雨が始まるというところから生まれた名字です。栗の花が落ちるのが梅雨入りの合図なら、栗の実ができ始めるのは梅雨明けが近いことを示していると言ってもいいかもしれません。
梅雨の晴れ間の「共生の森」ではブルーベリーの実が静かに輝きをはなっていました。


今日のことば
「人間に出来ることなんて、そんなたいしたことじゃないんだよ。みんなは、木村はよく頑
張ったって言うけどさ、私じゃない、リンゴの木が頑張ったんだよ。これは謙遜なんかでは
ないよ。本気でそう思ってるの。だってさ、人間はどんなに頑張っても自分ではリンゴの花
のひとつも咲かせることが出来ないんだよ。手の先にだって、足の先にだって、リンゴの花
は咲かせられないのよ。そんなことは当たり前だって思うかもしれない。そう思う人は、そ
のことの本当の意味がわかっていないのな。畑を埋め尽くした満開の花を見て、私はつくづ
くそのことを思い知ったの。この花を咲かせたのは私ではない。リンゴの木なんだとな。主
人公は人間じゃなくてリンゴの木なんだってことが、骨身に染みてわかった。それがわから
なかったんだよ。自分がリンゴを作っていると思い込んでいたの。自分がリンゴの木を管理
しているんだとな。私に出来ることは、リンゴの手伝いでしかないんだよ。失敗に失敗を積
み重ねて、ようやくそのことがわかった。それがわかるまで、ほんとうに長い時間がかかっ
たな」
『奇跡のリンゴ』より
2012.07.04
「共生の森」に植樹 ナナカマド ザトウムシ
2012.07.4 Wednesday
NPO法人「土に還る木・森づくりの会」の方々の協力を得て、高校1年生が「共生の森」に約50本の苗木を植樹しました。樹種も多様で、ナナカマドやブルーベリーなど、今まで不二聖心では見られなかった木もたくさん植えることができました。
生徒たちは木を植えながら、いろいろな生物を観察して楽しんでいました。写真に写っているクモのような生物はザトウムシでダニに寄生されている様子もよくわかります。





今日のことば
やはり、何かにひざまずく心がないといけませんね。日本人は太古の昔から、人間なんて自
然のほんの一部だと、非常に謙虚だった。人間と自然が一体になった日本の自然観は、今後
ますます大事になっていくでしょう。だから日本が、この素晴らしい文化を世界に広めてい
くことこそが、大きな国際貢献になる。どしどし世界に発信していくべきだと思う。
藤原正彦
2012.07.03
白髪太郎の繭 スカシダワラ
2012.07.3 Tuesday
NPO法人「土に還る木・森づくりの会」副代表の小松豊さんから、6月29日の「不二聖心のフィールド日記」について、質問をいただきました。それは次のような内容でした。
先日「不二聖心フィールド日記」に白髭太郎が紹介されていましたが、小生が幼児期にシナンタロウという毛虫が栗の木やサルスベリの木に大量発生し、腸を取り出し、釣り糸に使った経験があります。白髭太郎とシナンタロウは同一の毛虫でしょうか。ご教示下さい。
シナンタロウが白髪太郎を指すことは間違いなく、これは貴重な情報をいただいたと感動しました。さらに詳しくうかがったところ、小松さんは白髪太郎から採り出した糸で実際にハヤやウグイを釣った経験がおありになるというのです。何という豊かな生活体験かと思います。
できれば小松さんに糸の採り方を習いたいと思って、白髪太郎を採りにいったところ、すべて繭を作り終えていました。この繭は中が透けて見えるところから「スカシダワラ」と呼ばれます。
たった1週間で自然界は全く姿を変えてしまっていました。

今日のことば
自然との共感は、完全な健康の証拠である。
ヘンリー・ソロー
2012.07.02
ハナアブ ラミーカミキリ
2012.07.02 Tuesday
クレオメの花に来ているハナアブの写真を撮りました。専門家の方に同定していただいたところ、ミナミヒメヒラタアブSphaerophoria indianaかホソヒメヒラタアブS. macrogasterの♀であることがわかりました。両者の♀は,斑紋や体形に個体変異と温度環境による変異があるため同定は困難で、概ね、体長7mmを超えるものをミナミヒメヒラタアブ、体長6mm以下のものをホソヒメヒラタアブとしているということです。

今年もまたラミーカミキリを見かける季節となりました。あるカルタに「胸の模様が目玉のようなラミーカミキリ」という読み札がありました。たしかに目玉のように見える模様です。

今日のことば
植物にせよ、小鳥にせよ、又昆虫にせよ、私は其の姿を見て其の名を口にし、其の名によっ
て其の姿を思い出せるようになりたい。それは彼等と一層親密な関係に入りたいが為である。
(中略)無知は無縁の兄弟である。愛する事によって一層よく理解し、理解する事によって
一層深く愛する事を学ぶのは、幸福の最も静かな又最も純なるものではあるまいか。
尾崎喜八
2012.07.01
「共生の森」のクレオメ

2012.07.1 Sunday
いよいよ7月に入りましたが、今日も不二聖心ではモリアオガエルがよく鳴いていました。
誰も種を播いていないのに「共生の森」にクレオメの花が咲きました。生命力あふれるクレオメの蜜は虫にとっても魅力的らしく、さまざまな昆虫が訪花しています。
今日のことば
ある年の夏の終わり、楢の倒木の横を通り過ぎたとき、目の隅に何かがとまった。音を立て
ないようにゆっくりと向きをかえた。朽ちかけた木の襞に、ルリボシカミキリがすっとのっ
ていた。嘘だと思えた。しかしその青は息がとまるほど美しかった。(中略)こんな鮮やか
さがなぜこの世界に必要なのか。いや、おそらく私がすべきなのは、問いに答えることでは
なく、それを言祝ぐことなのかもしれない。
福岡伸一
2012.06.30
マスダクロホシタマムシ

2012.06.30 Saturday
スギやヒノキの樹皮下で成長するマスダクロホシタマムシの写真を撮りました。法隆寺の
「玉虫の厨子」で有名なヤマトタマムシは不二聖心でも数多く確認されていますが、マスダ
クロホシタマムシは初記録ということになります。ただし、スギやヒノキの広大な林を有す
る不二聖心にはヤマトタマムシをはるかに上回る個体が生息している可能性があります。ス
ギやヒノキを食べる害虫とされていますが、材に深く食い入ることはありません。被害が少
ないためにそれほど有名になることもなく、あまり目立たず静かに暮らしているタマムシと
いう印象を受けます。
今日のことば
自然を見るということは、その奥におられる神を見ることじゃないでしょうか。自然をじっ
と見ることで、少しでも神に近づくことができたら、と思いますね。
稲畑廣太郎
2012.06.29
クスサンの幼虫 白髪太郎
2012.06.29 Friday
今日もモリアオガエルがよく鳴いていました。こんなに長期にわたって鳴き続ける年は珍しいような気がしています。今年は鳴き終わる時期を記録しておきたいものです。
裏の駐車場と雑木林の間に一本の細い道があります。その道のつきあたりのクスの木にクスサンの幼虫が大量発生しています。白髪太郎という別名を持つ幼虫で、昔はこの幼虫の腸腺から釣り糸にするための糸をとっていました。ナイロン製の糸ができるまで日本の釣文化はこの虫によって支えられていたのです。
矢口高雄の『ニッポン博物誌 ――イワナの恩返し――』(講談社漫画文庫)に収められている「白髪太郎」という短編にそのあたりのことが興味深く描かれています。(下の写真参照)
月曜日に「夏休み子供自然体験教室」の生徒スタッフのメンバーと体験教室のコースの下見をしたのですが、この幼虫を目の前にして実際に糸を採ってみたいと言った生徒がたくさんいたのに驚いてしまいました。


今日のことば
若い人たちに私は言いたい。もし本当に何かをやりたいと願うなら、やってみるがいい。君たちにはそれが出来るのだ。森を救うために闘うことだけがすべてではない。身近にやれることはたくさんある。木を植え、自然の回復をはかることもそのひとつだ。いま、世界ではたくさんの不愉快なことが起こっている。だが同時に、世界中のいたるところで、木を植え、森を作り、森を広げようとしている人々や組織があるということも事実なのだ。北海道から西表島、小笠原にいたるまで、そう、深い渓谷から険しい山々にいたるまで、日本の森林は極めて豊かで、多様性に富んでいる。そこには君たち若者が学び、愛し、保護するための貴重
な自然という宝が隠されているのだから。
C.W.ニコル
2012.06.28
オニヤンマの羽化 竹の根
2012.06.28 Thursday
高校1年生の教室の入り口のところでオニヤンマが羽化していました。裏道沿いの小川でオニヤンマの幼虫の生息は確認されていますが、そこまでは相当な距離があります。いったいこのヤゴはどこから上がってきたのでしょうか。きれいな水が流れている場所がどこかにあるに違いありません。


トンボの羽化が見られた場所のすぐ近くに、昨日の「共生の森」づくりで生徒たちが抜いた竹の根が団結の証として飾られていました。日本一大切にされている竹の根かもしれません。

今日のことば
虫や花たちは今日を悔やんだり、明日を思い悩んだりせず、今この瞬間だけを懸命に生きています。
その生涯を精一杯まっとうしようと、最後まで命を燃やし続けるのです。
そのことに気がついたら、花や葉が枯れ落ちて土に還っていく姿まで美しいと感じるようになりました。
熊田 千佳慕
2012.06.27
「共生の森」づくりいよいよスタート カマキリの幼虫
2012.06.27 Wednesday
今日は、NPO法人「土に還る木・森づくりの会」の方々の協力を得て、高校1年生が
「共生の森」に48本の支柱を立てました。7月4日にはいよいよ苗木を植栽することになります。

竹の根には悩まされましたが、ついに自分たちの力で4メートル近くの根を引き抜きました。


作業の途中でたくさんの生き物とも出会うことができました。

今日のことば
わたしは裸で母の胎を出た。
裸でそこに帰ろう。
主は与え、主は奪う。
主の御名はほめたたえられよ。
「ヨブ記」より
