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フィールド日記

2013.11.14

球技大会  ツワブキ

今日は球技大会が行われました。最後までもつれにもつれる試合も多く、躍動する選手の動きと響き渡る歓声に心が高揚する時間を過ごしました。


校舎の裏ではツワブキの花の静かな姿を見ることができました。生徒たちの生き生きとした「動」と自然の生み出す豊かな「静」の両方を今日の不二聖心では味わうことができました。



今日のことば

宇宙から見れば人類の滅亡は、小さな惑星にできた化学物質の泡が消えるだけのこと。でも、孫たちに未来があるかどうか、私は憂う。             スティーブン・ホーキング

2013.11.12

アラゲキクラゲ

「共生の森」でアラゲキクラゲが見つかりました。アラゲキクラゲは、さまざまな料理に用いることのできる食べられるキノコです。今日の裾野市は朝7度まで気温が下がりました。日中も気温は上がらず暖房が必要なほどでした。アラゲキクラゲの中華スープを飲んで温まりたいような一日でした。


今日のことば

宇宙がどのようにして始まったかを解明したいという私の望みは、ほぼ達成することができたと思います。しかし、まだ、宇宙がなぜ始まったのかという答えを私は見出していません。
                                           ホーキング

2013.11.10

ナツグミの実

「共生の森」のナツグミが、たった一つだけ実をつけました。ナツグミは鹿が好まない植物であるために電気柵を設ける以前から元気よく成長を続けていました。さらにナツグミは根粒菌の力を借りて自らの成長を速める工夫もしています。ナツグミの持っている特質が生かされて実った美しい赤い実です。

今日のことば

高校3年生の短歌より

はりつめる空気の鈴がりんと鳴るみかんが熟れる季節の訪れ    
お父さん半沢のまねしてるけど全然似てないやめてほしい     
六年もつれ添ってきた相棒と最後の舞台有終の美        
体育のエアロビクスで筋肉痛次の日に来たまだまだ若い     
太陽の光を浴びてきらきらと光る緑茶は不二の宝         
窓からの一年変わらぬ景色から色彩だけがゆっくり抜ける

2013.11.09

イイギリの木へのコウモリガの食害

「共生の森」のイイギリの幹にコウモリガの食害のあとが見つかりました。盛り上がっているのは幹の内部を食べているコウモリガの幼虫の糞と木屑です。コウモリガは広食性であるため被害が拡大する可能性も高く樹木の害虫として恐れられています。


不二聖心でのフィールドではコウモリガの成虫も確認されています。コウモリのようにとまるところから蝙蝠蛾と名づけられました。



今日のことば

本当の喜びにむせび泣きたいのならば 今の苦しみに笑って耐えよ 友よ明日泣け

2013.11.05

ウラナミシジミ

マメ科の植物に卵を産むことで知られるウラナミシジミが「共生の森」の近くにたくさん来ていました。マメ科の植物の中には人間によって栽培されているものも多く、農業の変遷とウラナミシジミの分布の変化は分かちがたく結びついていると言われます。翅についている尾状突起を触角に見せることで攻撃されても致命傷を負わないように擬態していると考えられています。翅の模様は目玉に似せているということです。




今日のことば

無理にプラスに考える必要もなければ、奇跡を信じることもない。あるがままでいいのです。

                                      帯津良一

2013.11.02

オオスズメバチとヤマトシジミ

オオスズメバチが瀕死の状態で横になっているのを見つけました。どうやら働きバチとしての仕事を成し遂げ一生の終わりの時を迎えているようです。今日は秋のつどいの準備をしている時に、別の場所でも同じようなスズメバチの姿を生徒と一緒に観察しました。


「共生の森」では元気に吸蜜するヤマトシジミをたくさん見かけました。オオスズメバチのような暴れん坊が意外に早く生命力を失い、弱々しく見えるヤマトシジミが意外に活動的であり続けることを不思議に思いますが、大より小が予想外にたくましいという例は自然界に多いような気がします。



今日のことば

人間はみんな、生きることが下手だ。
どんなに幸せに生きている人でも、どこかしら下手くそだ。生きることに上達する人もいない。生まれてから死ぬまで、誰もがみんな下手で下手で下手で、下手なまんまで生きてゆくのだ。
                                      宮部みゆき

2013.11.01

ヒヨドリジョウゴとマルバノホロシ

「共生の森」の周辺でヒヨドリジョウゴとマルバノホロシの実を見ることができます。同じナス科で実の形も色もよく似ていますが、ヒヨドリジョウゴはごく普通に見られる種でマルバノホロシは複数の県で絶滅危惧種に指定される希少種となっています。

こちらがヒヨドリジョウゴの実です。ヒヨドリが好きだからヒヨドリジョウゴと名付けられたという説がありますが、今朝もよく鳴いていたヒヨドリが関心を示す様子はありませんでした。


こちらがマルバノホロシです。



今日のことば

生きる意味を納得する言語を、現代は必死に探しているように思います。それは混乱していた戦後よりも、もっと激しい気がします。
                                       園田善昭


2013.10.30

セスジツユムシの褐色型

牧草地でセスジツユムシのメスに出会いました。セスジツユムシの褐色型は比較的珍しいとされており、不二聖心でも初記録となります。セスジツユムシとツユムシはよく似ていて、背中の模様や産卵管の形で二種を見分けます。自然度のより高いところに生息すると言われるセスジツユムシが不二聖心にいるという事実は、不二聖心の環境の良さを表しています。



今日のことば

弱い者ほど相手を許すことができない。許すということは、強さの証しだ。
                                   ガンジー

2013.10.28

ノブドウの実

裏道のノブドウの実の写真を撮りました。野の宝石と呼びたいような美しい実です。宮沢賢治は、童話「めくらぶどうと虹」の虹がノブドウに語りかける言葉の中で、「まことのちからが、これらの中にあらわれるときは、すべてのおとろえるもの、しわむもの、さだめないもの、はかないもの、みなかぎりないいのちです。」と表現しました。賢治の残した言葉の中でもとりわけ美しい言葉です。


今日のことば

うつくしい自然よ
どうしたら どうしたら
あなたのうつくしさに
つり合えるだろう
くつを脱いで わたしははだしになってみた

森のしずけさ
風にたわむ 枝のやさしさ
ひと知れずみのる野ぶどうの
思いのゆたかさ
どうしたら つり合えるだろう
うつくしい自然よ 自然よ
わたしはひねもすだまっていた ことばを捨てて

                     新川和江
             

2013.10.27

ツマグロヒョウモンの幼虫

牧草地でツマグロヒョウモンの幼虫を見つけました。かつては温暖化指標の昆虫と言われたツマグロヒョウモンもすっかり不二聖心のフィールドに定着してしまいました。成虫は、名著『海をわたる蝶』(日浦勇・講談社学術文庫)に使われるほど、美しい蝶ですが、幼虫の姿は独特です。



今日のことば

わたしは その手が好きです
ただ毎日をまっすぐ生きて
わたしたちを育て旅立たせてくれた
あなたの その手が好きです
                    福山雅治