校長室から
2016.09.09
マザーテレサ列聖(2016年9月9日)
今週の日曜日、バチカンのサンピエトロ大聖堂で、マザーテレサの列聖式がありました。マザーは、1981年に来日され、聖心女子大学にもいらしています。
来週の祈りの会に向けて準備を進めている生徒たちに向けて、今週の朝礼では、マザーの次のような言葉をもとに生徒たちに語りました。
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
Be careful of your thoughts, for your thoughts become your words.
Be careful of your words, for your words become your deeds.
Be careful of your deeds, for your deeds become your habits.
Be careful of your habits, for your habits become your character.
Be careful of your character, for your character becomes your destiny.
Holy Mass and Canonization of Mother Teresa of Calcutta - 2016.09.04
( https://www.youtube.com/watch?v=KOI4WIUq0sk )
2016.09.01
夏休み明けに
30日の夜には寄宿舎に明かりが灯り、31日からは通学生も含めて、生徒たちが学院に戻って参りました。初日の聖堂での講話の中で、リオデジャネイロ・オリンピック(水泳)で、活躍したケイテイ・レデッキー選手についてもふれました。
彼女は、ワシントン出身、アメリカの聖心Stone Ridge School of the Sacred Heart を、昨年卒業したばかりの19歳です。在学時代から、アメリカ国内記録・世界記録を塗り替えました。15歳でロンドン五輪800メートル自由形優勝。2015年世界選手権で史上初の個人種目の自由形4冠達成。自由形3種目の世界記録保持者です。この才能が認められ、奨学金をいただいて、名門スタンフォード大学へ入学しました。
少し前になりますが、ロンドンオリンピックで金メダルをとった時の記事の中で、彼女の人となりを知ることができます。 https://cruxnow.com/church-in-the-usa/2016/08/04/olympics/ その中で浮かび上がってくるケイテイの姿は、決して、水泳ばかりに打ち込んで、勉強や学校の仕事を後回しにしたようなものではありません。魂・知性・実行力という、自分の中のすべての領域をバランスよく育てることを知っている普通の聖心生らしい姿です。
生徒たちは、大いに親しみを感じながら、彼女の姿からも学んでいこうとしています。東京オリンピックで、ケイテイに会えることを楽しみにしながら。
2016.08.25
聖心会新総長様
今年7月から8月にかけて、イタリアで聖心会総会が開かれました。総長様の選挙も行われ、新総長として、アメリカ管区のシスターバーバラ・ドーソンが選ばれました。これまで、2回にわたりアメリカ管区の管区長をなさった方です。
総長選出の際には、創立者マグダレナ・ソフィア・バラの時代から、総長選出時だけにつけられる黄色のローソクに火が灯ります。大切なローソクなので、すぐに火は消されるのが通例となっています。以下のビデオをご覧ください。 https://rscjinternational.org/news/video-celebration-after-election
これから、聖心会各管区において総会の報告がなされ、今後8年に向けての方向性を確認しあいます。学院においても同様です。聖心全体が新たにされるこの大切な時に、世界中の聖心姉妹校とも心を合わせ、祈りたいと思います。
2016.08.04
夏休み子供自然体験教室
今年も8月6日・9日に、「夏休み子供自然体験教室」が開かれます。生徒スタッフはボランティアなのですが、何年も続けてこの役割を担っているケースも珍しくありません。教員スタッフと共に、この日を楽しみにしながら、準備を進めてきました。
講師としていらしてくださった滝道雄先生(日本野鳥の会)が、10か月にわたる不二聖心キャンパスの野鳥観察の結果をお話しくださいました。不二聖心は、5月が一番鳥の種類が多いとのことです。裾野市の鳥ウグイス、県民長の三光鳥、国鳥のキジなど、すべて生息しているそうです。
最後に「瑠璃色の地球」を聴きながら、一日をスライドで振り返りました。お一人おひとりの豊かな表情を見ながら、このキャンパスの自然を守り、より多くの方々と分かち合っていくことの意味を改めて感じました。
争って傷つけあったり 人は弱いものね
だけど愛する力も きっとあるはず
ガラスの海の向こうには 広がりゆく銀河
地球という名の船の 誰もが旅人
ひとつしかない 私たちの星を守りたい
朝陽が水平線から 光の矢を放ち
二人を包んでゆくの 瑠璃色の地球
(「瑠璃色の地球」より)
本学院は、特に「気候変動」、「森林保護」、「生物多様性」等の観点から、環境・エネルギー問題に取り組んでいます。この体験教室に参加してくださった児童・保護者の方々と課題意識を共有しながら、また一歩踏み出していく力を生徒たちはいただきました。ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。
https://www.fujiseishin-jh.ed.jp/academics/UNESCO-ASP/
2016.08.01
読書の夏~Climb Every Mountain~(2016年8月1日)
今夏も、生徒たちは、教員からの「夏休みお薦め本」を手にお休みに入りました。この冊子は、毎年、図書員会からの呼びかけに、全教員(専任・講師)が応えて作成されるものです。中を開くと、一人ひとりの教員と図書委員の生徒が紹介する本の表紙と推薦理由が記されています。文学、科学、歴史、実用書、洋書など、実に多岐に富んだ分野からの推薦がなされており、私たち教員にもたいへん参考になります。常に学び続けることの大切さを再認識させてくれる冊子です。ちなみに、今年、私は本年度の学校目標「知性を磨く~Climb Every Mountain~」との関連から、ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の実在のモデルであるトラップファァミリーに関する一冊を紹介いたしました。
学校は一つの社会です。委員会・係りの活動は、他者に貢献できる人の育成という学院の理念を実行する大切な機会です。いつも生き生きと活動する図書員会の活動の様子を、どうぞ、ご覧ください。
2016.07.22
小麦はうすさんへ、感謝をこめて(2016年7月22日)
長年、昼食時のパン販売、寄宿舎の朝食用パンでお世話になった「小麦はうす」さんが、お店をたたまれることになりました。7月21日の最期の販売日には、生徒の長蛇の列ができ、別れを惜しみつつ大好きなパンを購入しました。小麦はうすさんからは、生徒・教職員全員に、ドリンクをプレゼントしていただきました。最後の最後まで、子供たちのことを思ってくださる姿に、教職員も感謝の気持ちでいっぱいになりました。そのような思いを込めて、寄宿舎の主任と私から感謝状をお贈りいたしました。
「あなたは、長年にわたり、学院、及び寄宿舎の食を支え、献身的にお尽くしくださいました。子どもたちが喜ぶおいしいパンを作り、雨の日も風の日も太陽が照りつける日も来校され、温かなお言葉と笑顔を添えて手渡してくださいました。優しいお人柄がこもったおいしいパンに、子どもたちも教職員もおなかも心も満たされ、励ましと力をいただきました。家族と離れて暮らす寄宿生はハイジの白パンをどれだけ心待ちにし、時に慰められたことでしょう。これからも、ご健康に恵まれ、周囲の方々を力づけてくださるようお願いいたします。ご家族のご多幸を祈りつつ、心からの感謝の意を表します。」
2016.07.13
ヒマワリのように(2016年7月13日)
修道院には、花や木を育てるのが上手なシスター方がいます。しおれかけたり、元気のない植物を見事に生き返らせるグリーンフィンガーの方々です。今、ヴィラフジ修道院の横に咲いている屋根より高いヒマワリも一人のシスターの手によるものです。植物と会話ができるかのようなこの方の手にかかると、なんでも大きく育ちます。英国で育ち、数年前までアフリカでのミッションにいらしていたこともあって、今は、留学生に日本語を、先生方の希望者に英語を教えてくださったりもしています。
先週末、お隣のマリア修道院では、一泊で御殿場教会の神父様を講師に母のサークル祈りの会(希望者対象)がありました。日曜日には父のサークル(希望者対象)があり、上智大学の神父様による聖書の講話の後、シスター方お手製のケーキがふるまわれました。
「ヒマワリのように、いつも神様の方に目を向けていなさい。」(聖マグダレナ・ソフィア・バラ)
キャンパスの中に修道院があり、シスター方がいらっしゃることで醸し出される雰囲気、祈りの力、具体的な支え。植物だけでなく、生徒、保護者、教職員にも元気を与えてくださっている修道院とシスター方の存在の大きさを思いつつ、子どもたちは、教室の中だけで育つのではないと感謝のうちに思います。
2016.07.04
Bring joy to others! (2016年7月4日)
今、中1の生徒たちと創立者聖マグダレナ・ソフィア・バラについて学んでいます。先週は、彼女たちが高2になった時に出かける「フランス ルーツへの旅」を思いながら、創立者の生家が今も残るジョワニーまでの道をたどりました。
もし、ソフィアが聖心の学校を創ることがなければ、不二聖心女子学院もなく、彼女たちが今年、こうして出会うこともありませんでした。それは、中2以上の生徒たちも、保護者の方々も、卒業生も、教職員も同じです。聖心のHistoryは、私たち一人ひとりのStoryに影響を与えています。学院のルーツへの旅は創立者の思いを知る旅であり、自分自身を知る旅でもあると思います。
“Be humble, be simple, and bring joy to others.”
Saint Madeleine Sophie Barat
(新入生が描いた絵)
2016.06.28
地区会を終えて(2016年6月28日)
16都府県から子どもたちが集う本学院は、エリアによって10の地区会に分かれています。5月、6月は、教職員と私が各地区に伺い、保護者の方々と学院の年度目標等について意見交換をいたします。保護者の方同士もまた、ご家庭での教育について分かち合い、支え合う機会ともなっているようです。
一昨日の東京地区会、昨日の沼津地区会をもちまして、本年度の地区会が全て終了いたしました。学院でお目にかかるのとは違った形で、保護者の皆様と貴重な出会いがもてたことを心から感謝しております。お子様への愛の深さ、教育への熱意、そして学院に対する大きな信頼にふれ、参加した先生方も私も、たいへん心動かされました。
「教育は、お互いが受け合い、与え合って、共に成長するような真摯な人間関係のうちに営まれるものです」(聖心会 会憲14)――、この思いを共有しながら、私たち大人同士の間でも本年度の学校目標「知性を磨く~Climb Every Mountain~」を深めていけたらと願っております。
2016.06.15
硬筆のお稽古(2016年6月15日)
「たとえご希望が一人でも、参りますよ。」
希望する声はあるものの、デジタル社会に慣れ親しんだ生徒たちの中に何人くらい受講者がいるものだろうか、という懸念をお話した時、先生がおっしゃったお言葉です。余りに少ないと先生にご迷惑ではないだろうか?等、あれこれ懸念していた私たちは、創立者の「たった一人の生徒のためにも・・・」を思わせる先生のお言葉に安心して開講を決めました。講師の先生は、学院で書道の授業を担当してくださっている先生のご紹介で、これまで中高生にも教えらえたご経験がおありの女性の方です。
実際に開講したところ、30人以上の受講者が集まりました。教員の希望者も一緒に受講しました。集中して、一心に、丁寧に文字を書く姿----、とても静かで心地よい空間です。「なんだか字が上手になったような気がします」という中学生の言葉が微笑ましくもあります。元々、内にもっている力が耕されていくような経験なのでしょう。