校長室から
2017.10.04
SDGS 持続可能な開発目標 (2017年10月4日)
国連は、2016年1月1日から、2030年までの15年間の目標として、17の項目から成るSDGS(Sustainable Development Goals)を掲げています。たとえばGOAL6の「安全なトイレと水の普及」の問題。本学院は「富士山の雪解け水」の恵みを豊かに受け、お手洗いもウオッシュレット化が進められています。しかしながら、世界人口の40%を超える人々が、水不足の影響を受けており、この割合はさらに増えるとも考えられています。
また約18億人が汚染された飲料水源を利用していると言われます。このような世界の現実をふまえ、生徒たちと共にSDGSに積極的に取り組んでいきたいと思います。
2017.09.01
"Ignite the heart for the sake of one child" (2017年9月1日)
8月は、子供たちのみならず。私にとりましても豊かな学びの月となりました。
― 聖心丹沢学舎(神奈川)で行われた国内の聖心姉妹校4校(小中高)による新任研修と15年次研修。若さ溢れる先生方に感動しつつ、初心に返る思いでした。15年次の先生方との共同のプログラムでの学び合いも、活発に意見交換がなされ迫力がありました。
ー 聖心インターナショナルスクール(東京 広尾)で開催されたAsia Pacific Sacred Heart Educators' Conference(アジア・オセアニア地区の聖心の教員研修会)。本学院からは、国語科・社会科・英語科の先生方が参加しました。すべて英語で行われる研修のため、事前に文書を読み合わせしたりして臨みました。参加者はもとより、担当校である国際色豊かなインターナショナル・スクールの先生方からも大きな刺激をいただきました。
―本学院での夏季教職員研修。本学院のアイデンティティであるカトリック教育、そして文科省の教育改革の動向を意識した内容で研修いたしました。様々な分野から講師陣を迎えましたが、先生方の意欲的な姿勢を講師の方々に大変誉めていただいたのがうれしかったです。いくらカリキュラムや機器を整備しても、人こそが人を育てるのですから。
聖心の教育がもつ広がりを意識するとともに、生徒と共に学び続ける態度を持ち続けようという思いを新たにされ、夏休み明けの学院生活がスタートしました。
2017.08.05
カムサハムニダ!(2017年8月5日)
今、生徒たちは様々な場所で体験的な学びを行っています。私も一昨日、韓国のソウル聖心との交流プログラムより戻ってまいりました。事前学習の後、日本の姉妹校(札幌、東京、小林の聖心)の生徒たちとも一緒に出かけました。仏国寺、水原華城、宗廟等で歴史・文化にふれ、独立記念館、戦争記念館、板門店等では日韓や南北分断の現実を目の当たりにし、ソウル聖心では交流会や生徒宅へのホームステイもいたしました。一番、心に残ったのは、様々な出会いの中で、生徒たちが変えられていく姿です。世界の未来を拓いていこうとする若さが光っていました。
2017.07.04
温情の灯を掲げて (2017年7月4日)
7月2日、今年も学院で「温情の灯会」が開かれました。1920年に岩下壮一神父様を校長として創立された「温情舎」(本学院の前身)の卒業生の方々の集まりです。この場で、オリンピック・イヤーでもある2020年に、温情舎創立からの100年を「創基100年」としてお祝いすべく準備に入ったことをお伝えしました。
昨年の集まりから今日までの間に、3名の会員が天に召されました。会員の皆様の「オリンピックはともかく、このお祝いまでは生きていましょうね」というお言葉が印象的でした。お祝いに向けて、温情舎時代からの歴史をより深く知るよう努めていくにあたり、温情の灯会の皆様のお力添えをお願いしつつ、再会を期してお別れしました。
2017.06.20
母の会新作「マグカップ」(2017年6月20日)
「校章」と、「本年度の学院目標」 "Bring Joy to Others" の入ったマグカップを母の会の方々が作ってくださいました。
折しも、ケニアの聖心会から、新たに聖心の小学校をケニアに建設するためにお送りした寄付のお礼状が届きました。ケニアは、昨年、学院にいらしてくださったシスターコンソラータの母国であり、今、小習いしているシスター寺田やシスター石崎と深いつながりがあります。日本の小学校にあたる年代の子供たちが学校に行く割合は約80%、中高生にあたる年代は約50%、大学生になると4%ともいわれるケニアの現状をふまえ、聖心の小学校建設のもつ意味を、生徒たちと共に考えました。
「山と山とは出会うことができないが、人と人とは出会うことができる」というスワヒリ語の諺にあるように、いつかケニアの聖心の生徒たちと出会う日もくることでしょう。
2017.06.12
Little Sophieのように(2017年6月12日)
6月は、カトリック教会では「聖心の月」。イエス・キリストの「聖心」を校名にいただく学院にとりましては、アイデンティテイを意識し直す月でもあります。この6月を目指して準備してまいりました「聖心会ソフィー・バラ センター」が本館にオープンいたしました。
この中に、"Little Sophie"と名付けられた小さなコーナーを作り、少女時代の創立者の小さな御絵を飾りました。学院で学ぶすべての子どもたちが、少女時代の創立者のように、知恵(ソフィア)に満ちて成長していくよう願いつつ。
2017.06.01
Peace is deeply rooted here. (2017年6月1日)
“The stories of the prescient people who built this school flow from its hills out into the world and the surrounding fields. Peace is deeply rooted here.”
――、創立者の祝日にご講演いただいたアーサー・ビナード氏が残してくださったメッセージです。
カトリック教会で「聖心(みこころ)に捧げられた月」である6月は、学院にとって自らのアイデンティティを強く意識する月です。美しい自然の中に創立され今日まで歩んでこられたことに感謝しつつ、先人たちの思いをつなぎ、不二聖心女子学院に与えらえた使命を深めていきたいと思います。
2017.05.26
創立者の祝日行事(2017年5月26日)
毎年、5月25日のあたりの金曜日に、創立者マグダレナ・ソフィア・バラの祝日行事が行われます。今年は26日に行われ、チャプレンの牧山神父様によるごミサ、アーサー・ビナード氏による講演会が行われました。
子どもたちが帰宅後、創立者の精神を学ぶための教職員研修会が行われます。今回の講師は、聖心女子大学の安達まみ先生でした。その後、修道院のシスター方との懇談会が催され、皆で創立者に捧げる賛歌を歌い一日を終えました。
今年の祝日の御絵はかつてマザーニールスの書かれたもの、本年度の目標である創立者のお言葉 ”Bring Joy to Others” が書かれています。創立者の思いが、子供たちや私たちの教職員の中で豊かに実っていくよう願いながら作られました。
2017.05.16
心のみちを 神に任せて (2017年5月16日)
新年度を迎え、市内の小中学校にご挨拶に伺っています。須山を訪れた際、偶然、須山浅間神社の近くを通り、その清廉な空気に心が洗われました。
神社横には、道興准后が詠んだ歌の碑、
よそにみし ふしのしら雪 けふ分ぬ 心のみちを 神に任せて
富士山須山口が歴史上に登場するのは、1200年のことだそうです。
いつも「童話の世界に迷い込んだような」思いに駆られる須山と、新しく出会ったような気がしました。
2017.05.08
パリの祈り(2017年5月8日)
3月に生徒たちと共に出かけたフランスで、創立者聖マグダレナ・ソフィア・バラのご遺体が安置されている教会で祈りました。ここは、パリの聖心があった場所に近く、創立者が亡くなられた建物も残っています。帰国後、イースターの時に、教会などを案内してくださったシスターマリボンヌからメールが入りました。
「今回の出会いで、不二聖心がとても身近なものになりました。学院のパンフレット(英語版をお渡ししました)も、とても興味深いものでした。私は、毎朝、教会でミサに与る度に、不二聖心女子学院の子供たちのために祈っていますよ。」
今はサマータイムなので、フランスと日本との間の時差は7時間です。午後2時頃になるのでしょうか、金色のシャスの前で、ソフィア・バラに取りなしを願いつつ祈っていてくださる方があることに大きな支えを感じます。