校長室から
2018.04.01
春休みの祈り
Happy Easter!
満開の桜に包まれて天国のように美しい学院から、皆様にイースターの祝福をお祈り申し上げます。
春休みは、ケンブリッジ・グローバルキャリアプログラムの一部を視察して参りました。不二聖心のために、特別に作っていただいたプログラムで、静謐な環境、愛と情熱に溢れた先生方、賢い大学生のサポーターの方々に囲まれ、恵み豊かな研修となりました。帰国の途につきつつある生徒・先生方の旅の安全を祈っています。
イースターのごミサは、カトリック沼津教会で与りました。洗礼を受けられた保護者の方々、侍者をする生徒たちの中には新入生もいて嬉しく思いました。教会では、多くの卒業生も奉仕していらっしゃいました。 春休みを終え、新たな思いで学院に戻ってきてくれるであろう生徒たちを心待ちにしながら、先生方は新学期の準備を進めています。修道院の祈りは、いつも子供たちとご家族、そして卒業生、旧職員、元保護者等のために捧げられています。
新年度も、どうぞ、宜しくお願いいたします。
2018.03.01
水仙
3月23日から、高校生(希望者)は、イギリスのケンブリッジ大学で研修を行います。今日、このプログラムの事前学習でお世話になった先生から、参加者一人ひとりに、英語で書かれたカードが届きました。思いがけないプレゼントに感激いたしました。すでにケンブリッジにいらしているそうで、私に届いたカードは日本語で「研修が始まる頃には、水仙が満開、ケンブリッジの春を楽しむことができると思います」と書かれていました。
思わず、校内スピーチコンテストで、中学3年生が全員で暗唱するウイリアム・ワーズワースの詩「水仙」(”The Daffodils”)を思い浮かべました。「谷間をただよう雲のように 一人さまよい歩いていると 思いもかけずひと群れの 黄金に輝く水仙に出会った 湖のかたわら 木々の根元に 風に揺られて踊る花々・・・」
卒業を控えた中学3年生一人ひとりと面接をした時の、彼女たちの表情と、輝く水仙とが一つに重なります。聖心坂でも、風にゆれる水仙が、私たちの心を和ませてくれています。
2018.02.01
新しい春に向かって
聖心会の”New Frontiers”(JPIC Office, Rome・UN-NGO, New Yorkのニュースレター)に、“What I Can Do for the People in Need”という一人の生徒の記事が掲載されました。https://mailchi.mp/1bc0ea20b186/new-frontiers-349317?e=4133cc6f3f
テーマは「水」。富士山の雪解け水を飲み、その水が湛えられたプールで泳ぎ、ウォッシュレット化が進む学院の中で育ってきた生徒たちの中に、このような課題意識が育っていることを大変うれしく思います。
雨も雪も、ひとたび天から降れば むなしく天に戻ることはない。
それは大地を潤し、芽を出させ、生い茂らせ 種蒔く人には種を与え
食べる人には糧を与える。
そのように、わたしの口から出るわたしの言葉も むなしくは、わたしのもとに戻らない。
それはわたしの望むことを成し遂げ わたしが与えた使命を必ず果たす。
(イザヤ書55章10~11節)
梅の花の開花と共に、暦が移りゆき、新たな季節へと向かうこの時期、子供たち一人ひとりもふさわしく開花し、それぞれが神様から与えられた使命に向かって踏み出していってほしいと祈る日々です。
2018.01.19
ソウル聖心来校
다시 만날 날을 계속 기다렸어요. (また会える日をずっと待っていました。)
今年も、ソウル聖心生徒が来校しました。夏には、日本から韓国へ、冬には韓国から日本へという交流プログラムが、1992(平成4)年から継続しています。バスが到着すると、ずっと待っていた子どもたちから韓国語・日本語・英語が入り混じった歓声が上がりました。理屈抜きで心を通わせられる姉妹校の力を土台に、新たな日韓関係を築いていく生徒たちを頼もしく思います。
教職員も同様です。日本語のできる韓国聖心の先生、韓国語のできる不二聖心の先生も増えています。生徒たちがホームステイに出かけた後、お互いの学校の現状を分かち合い、親交を深めました。ソウル聖心のグローバルな取り組みからも、多くのヒントを頂きました。これからも、様々な海外姉妹校との交流プログラムや教員研修を通して、ホライゾンを広げていきたいと思います。
2018.01.09
初富士を仰ぎつつ
新年おめでとうございます。
2018年は、学院の守護聖人である聖ローズ・フィリピン・ドゥシェーンの渡米200年祭です。アメリカの聖心の学校と心を合わせ、聖女の精神を深める年となりますように。
富士を仰ぎつつ、本年も皆様に神様からの祝福が豊かにありますようにお祈り申し上げます。
2017.12.15
クリスマス・キャロルによせて
主のご降誕のお喜びを申し上げます。 クリスマスが近づくにつれて、多くの場所でイルミネーションが輝き、建物や通りがライトアップされます。「暗闇の中の光」というのは、どのような時にも、人々の心に喜びや安らぎをもたらしてくれるものです。 不二聖心女子学院には、輝くイルミネーションはありません。けれども、富士の裾野に立つ学院の澄んだ空には、たくさんの星々が瞬き、夜のしじまにカシオペア座やオリオン座がくっきりと見えます。寄宿生の夕の祈りの時間に外に出てみると、アーチ型の聖堂の窓明かりと星々が調和する美しさに思わず佇んでしまうほどです。そして、通学生も含め、「生徒たちの心には、今日一日、どのような明かりが灯されていたのでしょう…」と思いを馳せます。
あなたの体のともし火は目である。目が澄んでいれば、
あなたの全身が明るいが、濁っていれば、体も暗い。
だからあなたの中にある光が消えていないか調べなさい。
あなたの全身が明るく、少しも暗いところがなければ、
ちょうど、ともし火がその輝きであなたを照らすときのように、 全身は輝いている。
(ルカによる福音書11章33-36節)
クリスマスは、私たちが原点に立ち戻る時でもあります。“Illuminate~心に灯を~”――、ベトレヘムでお生まれになったキリストを見つめ、愛そのものであるキリストの光によって全身が照らされ、それを日々の生活の中で分かち合っていくことができますようにと心から願います。
いつも生徒たちと学院のために祈り、お支えくださる皆様の心の灯によって、生徒たちの内なる灯がどれほど強められていることでしょう。心からの感謝のうちに、すべての皆様の上に、クリスマスの祝福をお祈り申し上げます。
2017.12.09
被災地のモミの木
12月9日に一日がかりで掘り起こされた学院のモミの木3本が、卒業生のお父様がかかわっていらっしゃるNPO(フェローズ・ウィル)を通して南三陸町のハマーレ歌津商店街に運ばれ、無事に移植されました。23日には、同商店街にてモミの木の贈呈式と点灯式が行われ、木の根元には寄贈者として学院のお名前を刻んだプレートも設置してくださったとのことです。参加された皆様は、遠く裾野から運ばれて電飾を施されたモミの木を大変喜んでくださったと伺いました。
大きなクレーンで青空に向かって吊り上げられるモミの木を思い出しながら、被災地の子供たちの成長を願うと共に、このような機会を与えてくださったことを心から感謝いたします。今後も、東北の被災地の方々と様々な形でつながっていたいと思います。主のご降誕のお喜びを申し上げます。
2017.12.01
百合花によせて (2017年12月1日)
カトリック教会では12月8日を「無原罪の聖母の祝日」としてお祝いいたします。
本学院では、この日の少し前に「ゆりの行列」が行われ、生徒・教職員全員が「マリア様、私の心の百合をお捧げいたします。いつまでも清く保つことができますように」と祈り、百合の花を捧げます。創立当初は百合の生花でしたが、現在は35・36回生のお母様方が、布を染めるところから始めて手作りされた造花を使っています。
全ての生徒たちが、生涯、聖母マリアに守られ、神様が一人ひとりに望まれる方向へと開花していくことができますように。
2017.11.01
総長様をお迎えして(2017年11月1日)
台風の影響で休校となった先月の30日、ローマから聖心会総長様シスターバーバラ・ドーソンをお迎えいたしました。聖心会日本管区長シスター新庄美重子も同行されました。校内をご案内した後、教職員とシスタースによる歓迎の茶話会を催しました。
総長様は、お話の中で、本学院の守護聖人である聖ローズ・フィリピンが育ったグルノーブルのサン・マリーの学校と不二聖心女子学院との共通点についてもふれられました。サン・マリーはアルプスの麓に、不二聖心は富士山の麓にあります。そこで生徒だった時代に、聖フィリピンは神様とのかかわりを深め、自らの使命に目覚め、山を越え海を越えて、それを生きていきました。その結果、ヨーロッパ以外の場所にも聖心が創立され、不二聖心の創立にもつながっていきました。あらためて聖女の存在の大きさ、自らの境界を越えていくことの意味、そして中高時代の学びや出会いが人生の土台を作っていくことに思いを馳せました。
シスター方お手製のケーキ等を頂きながら、全員が個々に総長様と歓談いたしました。先生方が列を成して、次々にお話に伺う姿にもとても感銘を受けました。
2017.10.24
アーサー・ダフ氏のご訪問(2017年10月24日)
10月22日(日)、初代院長マザーエリザベス・ダフの大甥にあたるアーサー・ダフ氏が来校されました。アーサー氏ご自身は、マザーにお目にかかったことはないものの、マザーからご家族へのお手紙や、学院を訪ねたことのあるお父様のフランク氏からのお話によって、マザーダフにとても親しみを感じていらしたそうです。
私はお目にかかることができませんでしたが、シスター寺田、シスター石崎が、エリザベス・ダフコーナーやマザーの眠るお墓をご案内くださいました。シスター方によると、ダフ家の御顔立ちと雰囲気をおもちのとても聡明で温かくユーモアのセンス溢れる方だったそうです。アーサー氏は建築家で、来年の3月までインドの大学で教えていらっしゃるそうです。アイルランドに帰国される前に、もう一度訪ねたいとおっしゃられたそうです。その際には、生徒たちも出会えるようにと願っております。