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フィールド日記

2016.12.01

カヤランの花芽

 4月~5月頃が開花期とされるカヤランの花芽が既にこの時期に確認されました。

カヤランは30都道府県で希少種に指定されている植物で、極めて貴重な樹上性のランです。東京都では絶滅したとされています。幸い不二聖心では長年にわたり複数の場所で確認されています。
写真のランの開花を確認することで、極めて貴重な不二聖心内のカヤランの生活史に変化が起きているかどうかを確かめたいと考えています。

今日のことば
笑うときには大口あけて
おこるときには本気でおこる
自分にうそがつけない私
そんな私を私は信じる
信じることに理由はいらない
   
地雷をふんで足をなくした
子どもの写真目をそらさずに
黙って涙を流したあなた
そんなあなたを私は信じる
信じることでよみがえるいのち
葉末の露がきらめく朝に
何を見つめる子鹿のひとみ
すべてのものが日々新しい
そんな世界を私は信じる
信じることは生きるみなもと
谷川俊太郎

2016.11.27

不二聖心の野鳥の調査

 11月26日に「日本野鳥の会」東富士副代表の滝道雄先生が不二聖心に生息する野鳥の調査をしてくださいました。その調査記録が届きましたので以下に掲載します。

11月26日の調査結果についてご報告いたします。
確認された野鳥
1.エナガ       18羽
2.ヒヨドリ      62羽
3.ツグミ        2羽
4.コゲラ        2羽
5.ハシブトガラス   22羽
6.ウグイス       7羽
7.メジロ        6羽
8.ホオジロ       2羽
9.ジョウビタキ    3羽
10.アオジ       1羽
11.ハシボソガラス   6羽
12.キジバト      7羽
13.アカゲラ     2羽
14.オオタカ     1羽
15.ヤマガラ     3羽
16.シジュウカラ   2羽
17.シメ       2羽
18.カワラヒワ    1羽
19.ルリビタキ    1羽
20.キセキレイ    1羽
21.セグロセキレイ  1羽
22.カケス      1羽
23.ガビチョウ    2羽
24.ソウシチョウ   3羽
合計 24種類
特記事項
1.不二聖心女子学院で確認できる可能性が低いが、可能性有りとリストアップしたアカゲラを2回確認する事が出来た。
  これで、外来種を含め49種を確認できた。
2.冬鳥のツグミ、ジョウビタキ、シメを確認できた。
3.11月25日には異例の早さと言える積雪が観察された愛鷹山から下って来たのか、漂鳥のルリビタキが観察された。

ルリビタキ(ウィキペディアより)

 今日のことば
書き手になるのなら、言葉を用いる技術よりも先に、言葉に信頼される存在にならなくてはならない。 若松英輔

2016.11.26

ハシブトガラスとハシボソガラス

 本館の塔の上にカラスがとまっていました。このカラスはハシブトガラスとハシボソガラスの、いずれかの可能性があります。カメラが、カラスが飛ぶ瞬間をとらえましたので、形状をある程度確認することが可能ですが、種の識別は困難です。このような時に識別の手掛かりになるのは鳴き声です。ハシブトガラスは「カー、カー」と鳴き、ハシボソガラスは「ガ―、ガ―」と鳴きます。このカラスたちは「カー、カー」と濁らない声で鳴いていましたので、ハシブトガラスということになります。不二聖心に生息するカラスはほとんどがハシブトガラスです。その理由を考えることは、不二聖心の自然環境の特徴を考えることにつながります。



今日のことば

あなたがこの世の偉大なものとともに、ささやかなものにも歓びを見出すことをわたしは願っています。一輪の花、ひとふしの歌、あなたの手のひらにとまる蝶にも。               エレン・ラヴァイン

2016.11.25

雪の富士山  鹿の足跡

 昨日は富士山麓の広い地域で初雪が降りました。不二聖心から見える富士山も山肌がすっかり白くなっていました。写真はグラウンドから見た富士山です。


グラウンドでは、たくさんの鹿の足跡も見ることができました。


今日のことば

夜には降り昼には晴れつつ富士が嶺の高嶺の深雪かがやけるかも   若山牧水

2016.11.23

マンリョウ

 職員室の近くのツツジの植え込みの中に生えているマンリョウの実が赤く色づいています。植え込みの中に人がマンリョウを植えることは考えにくく、これは鳥が運んだものと思われます。不二聖心の植生を丁寧に見ていくと、鳥の糞の中の種から芽生えたと思われる植物をたくさん見つけることができます。


今日のことば

天地(あめつち)のいみじきながめに逢う時しわが持ついのちかなしかりけり   若山牧水

2016.11.17

紅葉のいろいろ

紅葉の美しい季節です。不二聖心には数多くの種類の樹木があり、いろいろな色の紅葉を楽しむことができます。こちらは中学校舎中庭のイロハモミジです。

高3の教室横の坂道のドウダンツツジも見ごろです。
桜は既に落葉していますが、枝垂桜はまだ葉をつけています。
イチョウは紅葉ではなく黄葉です。
今日のことば
書(ふみ)よめば電燈のぬくみ額(ぬか)にしむ秋の夜頃となりにけるかな 松田常憲

2016.11.13

ツツジの狂い咲き

築山やプールの周辺でツツジの狂い咲きが多数見られています。同一品種が離れた場所で狂い咲きしている現象も見られますが、決して限られた品種だけが狂い咲きしているわけではありません。この現象が10月までの気温の高さと関係している可能性もあります。となると温暖化との関わりの可能性についても考慮する必要があるということになります。

今日のことば
秋めいて無事でいますか故郷はますみ先生の古文なつかし   青木公正

2016.10.31

10月の野鳥の調査  アキチョウジ

 日本野鳥の会の滝道雄先生が今日、不二聖心の野鳥の調査をしてくださいました。

調査結果は以下の通りです。
 1.ヤマガラ       7羽
 2.ヒヨドリ      60羽
 3.カワラヒワ      1羽
 4.メジロ       19羽
 5.アオゲラ       1羽
 6.キジバト       2羽
 7.トビ         2羽
 8.モズ         5羽
 9.カケス       10羽
10.ハシボソガラス    3羽
11.シジュウカラ     1羽
12.ジョウビタキ     1羽
13.ハシブトガラス   10羽
14.コジュケイ      1羽
15.ウグイス       3羽
16.アカハラ       2羽
17.ハクセキレイ     2羽
18.ホオジロ       1羽
19.キセキレイ      1羽
20.コゲラ        1羽
21.ソウシチョウ     5羽
調査結果に以下のコメントが添えられていました。
特記事項
秋が来たなと感じさせる野鳥はカケス、アカハラ(2羽一緒にいたがこれ程早くやって来るとは想像外でした)。冬鳥のジョウビタキが確認されました。
次の写真は滝先生がお撮りになったアキチョウジです。
アキチョウジは鹿児島県で絶滅危惧Ⅰ類、長野県で絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

今日のことば

この美味は環境論者を困らせむ外来生物ホンビノスガイ    上田国博

2016.10.23

「共生の森」のシイタケ豊作

 「共生の森」のシイタケが、これまで見たことがないほど、たくさん発生していました。10月12日に確認した時には皆無でしたから、わずか10日で写真の状況が作られたことになります。裾野市で作られた新種のシイタケ菌の成長する力に驚いてしまいました。


今日のことば

田の畔を宮沢賢治行くように首かたむけて青鷺は行く   藤本都

2016.10.16

たわわなグミの実とハラビロカマキリ

 共生の森に今まで見たことがないような、たわわに実をつけたグミの木を見つけました。長年樹木を見続けてきた森の専門家の方もこのような例は見たことがないそうです。

実の近くにハラビロカマキリが来ていました。実に集まる生き物をねらっているようです。共生の森は生物多様性の森として着実に育ちつつあります。


今日のことば

文学はもの言はぬ神の意志に言葉を与えることだ。   芹沢光治良