フィールド日記
2019年01月
2019.01.29
ロウソクゴケ
ロウソクゴケのように平らな体を広げ着生している地衣類を葉状地衣類と呼びます。名前は中世のヨーロッパで黄色いろうそくをつくるときに、本種の色素を用いたことに由来するそうです。
2019.01.25
ニワツノゴケ
中庭にニワツノゴケが見られます。コケ植物はセン類、タイ類、ツノゴケ類に大きく分けることができますが、ツノゴケ類の種数はコケ植物全体の約1%です。ツノゴケ類は写真のように胞子体(ほうしたい、胞子をつくる体)が角状に伸びることが特徴です。写真の個体は胞子体が先端から裂け、中から黄色い胞子が出てきています。
2019.01.22
ヤマトキゴケ
体育館横の駐車場の岩にヤマトキゴケが見られます。名前にゴケとついていますがコケ植物ではなく、菌類と藻類の共生体である地衣類のなかまです。キゴケとは樹苔の意味で、材木質の地衣体(ちいたい、地衣類のからだ)が樹枝状に伸びることに由来します。大きさは2~3cmほどで、先端に見える黒っぽい茶色のものは子器(しき)とよばれ、菌類の胞子がつくられます。
2019.01.18
マメヅタ
聖心坂の壁面にマメヅタが見られます。このあたりでは普通に見られるシダ植物のなかまです。ワラビやゼンマイなどのシダ植物とは姿がずいぶん異なるので、一見してシダ植物とわからないかもしれません。葉は厚みがある丸い葉(栄養葉)と胞子をつけるへら状の葉(胞子葉)の2つがあります。写真では立ち上がった胞子葉に茶色い胞子のう(胞子が入っているふくろ)がついているようすがわかります。
2019.01.15
ロウバイ
マリアガーデンのロウバイが咲いていました。中国原産の落葉樹で、庭木としてしばしば植栽されています。黄色の花弁は透明感があり、ろう細工のようです。梅のように、1月~2月のまだ葉が開く前に、ろう細工のような花を咲かせることが名前の由来と考えられています。
2019.01.11
ヤノイスフシアブラムシ
茶色く枯れているコナラの葉の裏面に、小さい虫が集まっていました。一見、ハエの仲間のようですが、ヤノイスフシアブラムシというアブラムシの仲間です。夏にコナラに寄生し、冬から春にかけてはイスノキに寄生するようです。
写真の中央が有翅型の成虫、上の黄色いものは幼虫、下の黒い小さいものが無翅型の成虫で、すべてヤノイスフシアブラムシです。同じ種なのにこれほど見た目に違いがあることに驚かされます。有翅型の成虫はこれからイスノキに向けて飛び立つのでしょうか。
2019.01.09
1月の野鳥の調査
日本野鳥の会東富士副代表の滝道雄先生が1月の不二聖心の野鳥について調査をしてくださいました。調査の報告書が届きましたので、掲載いたします。
1月度の調査で確認された野鳥は下記の通りです。
2019.01.08
アオキ
聖心橋の手前の林内でアオキが赤い実をつけています。和名は冬でも葉や枝が緑色であることが由来です。『神奈川県植物誌2018電子版』には「ニホンジカの増加に伴いアオキが最初に食べられている」との記載があります。他の植物が葉を落とすなか、青々としたアオキの葉や枝は、シカにとって美味しそうに見えるのかもしれません。
2019.01.04
クロガネモチ
共生の森でクロガネモチが赤い果実をつけています。2016年度に高校1年生が植栽したものです。クロガネモチは関東地方以西に自生もしていますが、庭木としてよく植栽される樹種でもあります。モチノキの仲間で、樹皮から鳥もちをつくることができるそうです。
2019.01.01
ナミハナアブ
共生の森でナミハナアブを見つけました。別名ハナアブと呼ばれますが、ハナアブの仲間の総称なのか本種のことを指すのかわかりにくいため、最近はナミハナアブと呼ぶようです。ハナアブはハチのような見た目ですが、ハエの仲間とされ、成虫は主に花粉や花の蜜を食べています。花の少ない時期ですが、前回紹介したタイアザミなどの花粉や蜜を食べているのかもしれません。
- 1 / 1