フィールド日記
2018.04.20
タチヒダゴケ
学院内のクリの木の樹幹上にタチヒダゴケの群落が見られます。植物体の先端にある淡褐色のふくらみは「朔(さく)」と言い、中に緑色の胞子が入っています。
コケ植物は乾燥しているときと湿っているときで姿形が大きく異なっていることが多いため、観察には霧吹きを持って行っています。下の写真は、上の写真の群落を霧吹きで湿らせたものです。あっという間に葉が開き、鮮やかな緑色になりました。
タチヒダゴケと近縁の種を見分けるポイントの1つは、朔にある気孔が表面ではなく、凹みの中にあるということです。下の顕微鏡写真は朔の表面にピントをあわせたもの(左)と、やや奥にピントをあわせたもの(右)で、気孔が凹みの中にあることがわかります。