フィールド日記
2017年08月
2017.08.29
8月の野鳥の調査 ツリガネニンジン
8月28日に日本野鳥の会東富士副代表の滝道雄先生が不二聖心の野鳥の調査をしてくださいました。調査結果は以下の通りです。
1.ヒヨドリ 11羽
2.ハシボソガラス 3羽
3.キジバト 4羽
4.メジロ 6羽
5.ハシブトガラス 7羽
6.ヤマガラ 6羽
7.イカル 1羽
8.カワラヒワ 1羽
9.アオゲラ 1羽
10.シジュウカラ 1羽
11.ツバメ 1羽
12.ガビチョウ 2羽
「特記事項」
1.夏鳥のツバメ、漂鳥のイカル、外来種のガビチョウ以外は留鳥です。
8月は一年の中で一番野鳥の種類、個体数が少ない時期です。
2.駐車場から共生の森に行く坂道で、ナンバンギセルの生息を確認した。
学院内での生息場所は4カ所目となった。
3.夏の終わりを告げるツリガネニンジンの開花を確認した。
8月から10月が開花期
4.オオシオカラトンボを確認した。
滝先生がお撮りになったツリガネニンジンの写真です。
地域によっては、このような白いツリガネニンジンは非常に珍しいとされています。
今日のことば
霧しげき裾野を行けばかすかなる馬のにほひのなつかしきかな 宮沢賢治
2017.08.20
ナンバンギセル
今年もすすき野原に、ススキの寄生植物であるナンバンギセルが花を咲かせました。例年より若干時期が遅かったようです。万葉集では、ナンバンギセルは「思ひ草」という名で登場します。万葉人は下向きに咲くナンバンギセルの花の姿に、もの思いにふける人間の姿を重ねました。万葉の昔からすすき野原はあり、そこでナンバンギセルも見られたのです。
今日のことば
古里の山辺を、墓碑銘などをたずねてさすらう時、無縁の墓地に無心に咲く野菊の愛しさ美しさ。何時の時代にか人の世に生を受け、草葉の陰に消えた先人達、今は忘れられたこれらの人達の、終生の思念を想いつつ静かに手を合わすと声なき声が聞こえてくるようです。生きて、生かされてあるかぎり、より深く、より広く、真実の人の道を求めて歩みたいと思います。みなさまがたとともに。
古里の山辺を、墓碑銘などをたずねてさすらう時、無縁の墓地に無心に咲く野菊の愛しさ美しさ。何時の時代にか人の世に生を受け、草葉の陰に消えた先人達、今は忘れられたこれらの人達の、終生の思念を想いつつ静かに手を合わすと声なき声が聞こえてくるようです。生きて、生かされてあるかぎり、より深く、より広く、真実の人の道を求めて歩みたいと思います。みなさまがたとともに。
足立誠太郎
2017.08.18
ジャコウアゲハとお菊虫
5つの県で希少種の指定を受けているジャコウアゲハの幼虫が蛹化する過程を観察しました。
これが8月14日の様子です。幼虫から蛹に変わるところです。
こちらは8月17日の様子です。すっかり蛹になりました。これがあの有名な「お菊虫」です。
今日のことば
「一枚、二枚、三枚、四枚……九枚、やっぱり一枚足りない」
怪談「播州皿屋敷」で大切な皿を割ったと因縁をつけられたお菊は、責め殺されて古井戸に投げ込まれてしまう。そして幽霊となったお菊は、古井戸から夜な夜な現れては、恨めしそうに皿の枚数を数えるのである。
その後、お菊が投げ込まれた古井戸には、うしろ手に縛られた女性の姿をした不気味な虫が出現したという。この虫はお菊の怨念が姿を変えたものだと、人々は噂した。これが「お菊虫」である。
お菊の正体は、ジャコウアゲハというチョウのさなぎである。
稲垣栄洋
2017.08.03
カヤキリ
今日の夕方、すすき野原で日本最大のキリギリス科の昆虫であるカヤキリが何匹もけたたましく鳴くのを確認しました。今の時期だけ聞くことができる野趣に満ちた野の音です。毎夏、この声を初めて耳にすると大きな感動に心は満たされます。全国的に聞くことが難しくなってきている日本の夏を彩る音です。
今日のことば
言わなくていい 書かなくていい
言葉にしようとしないでいい
今お前の心に満ちてきたもの
はるか彼方から寄せてきた見えない波を
谷川俊太郎
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