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フィールド日記

2014.12.28

冬の野鳥観察

 今日は、不二聖心の冬の野鳥の観察をしました。

裏の駐車場からスタートしました。「共生の森」に向かう坂道の途中でシロハラを1羽とコジュケイを7羽見ました。ハシブトガラスの鳴き声も聞こえました。
「共生の森」の近くでメジロがサザンカの花の蜜を吸っているのを確認して、すすき野原に向かいました。すすき野原ではクヌギの枝にコゲラ(キツツキの一種)がいました。


画像に映っているコゲラの周りにある丸い実のようなものはクヌギエダイガフシという虫えいです。中にはクヌギエダイガタマバチの幼虫が生息しています。コゲラが虫えい内の幼虫を食べていることを初めて知りました。虫えいが生態系で果たしている役割をまた一つ知ることができました。
 
すすき野原ではアオゲラ(キツツキの一種)やキジバト、シジュウカラ、カケスの姿も確認できました。カケスの濁った「ガーガー」という声はたいへん特徴的です。
すすき野原から牧草地に出ました。
そこではメジロがハゼの実をついばんでいました。メジロがハゼの実を食べることを初めて知りました。

 
イカルの声を聞きながら、第1牧草地を進んでいくと端のところにモズのメスがいました。周辺で「モズのはやにえ」を確認できるかもしれません。
 
 第2牧草地ではホオジロ2羽とカワラヒワ2羽を見かけました。第2牧草地が終わると東名カントリーまで林道が続きます。林道のほぼ中間地点を過ぎたあたりのシロダモの木の近くでウグイスの地鳴きを確認しました。林道の終点近くにはカケスが2羽いました。帰りの牧草地でもカケスがよく鳴いていました。
牧草地を抜けて茶畑に出たあたりでキジバトを5羽確認しました。
校舎周辺で最初に見たのはハクセキレイです。校舎周辺ではよく見かける鳥です。以前にハクセキレイの幼鳥が生徒の手から餌を食べるようになったことがあました。
図書館横では、シロハラとカワラヒワがケースにたまった水を飲みに来ていました。この水の中では絶滅危惧種のヤマアカガエルが産卵します。
お墓の横の道を下りて行く途中にジョウビタキのメスがいました。ジョウビタキは縄張り意識の強い鳥です。
さらに道を下りていくと、キツツキの巣を見つけました。アオゲラかアカゲラの巣だと思われます。同じキツツキの仲間でもコゲラには生木に穴を開けるだけの力がありません。
 
ヒヨドリの声を聞きながらポンプ小屋のある道をさらに下りていくと、アオジ、ヤマガラ、シジュウカラがいました。
「温情の灯」の石碑の近くでコゲラの巣を見つけました。アオゲラたちの巣とは木の太さがまったく違い、こちらは枯木です。

 
イロハモミジの木にウソが3羽来ていました。口笛のような鳴き声も耳にすることができました。「うそ」は古語で「口笛」を意味にします。『今昔物語集』巻第二十九第三「人に知られざりし女盗人の語」には「亦うそを吹かば(口笛を吹いたら)、亦吹かむ者あらむずらむ。そこに歩び寄らせ。此は誰ぞと問はむずらむ。然らばただ侍りと答へよ。」という用例があります。
 
裏の駐車場までの坂道では、キセキレイとソウシチョウとメジロとコジュケイを確認しました。

今日の調査では合計22種の鳥を観察することができました。
今日のことば
僕はファーブルやポワンカレを素人考えでたいそう好いているのだが、それは彼らの仕事の中身がつまっているからだ。僕は今も言ったように素人考えで好いているので、科学のことは何も知らない。僕の眼に映ったようなものは彼らの科学者としての仕事のほんの些細な一部に過ぎないのだろう。だがそれならば、全体の仕事のほんの一部が、しかも科学のことをまるで知らない一人の素人をそれほど感動させるとすれば、それは彼らの仕事の中身が全くひどくつまっているからだということになりはしなかろうか。
「素樸ということ」(中野重治)より