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フィールド日記

2014.08.21

タマアジサイの開花

 裏道の沢のタマアジサイの花が咲き始めました。タマアジサイは、日本固有種で分布が限られていますが、富士山麓では数多く目にすることができます。ただし、見られる場所は限られていて、主に沢の近くです。不二聖心でも裏道でしか見ることができません。富士山麓では、「沢をふさぐ木」という意味でタマアジサイを「サーフタギ」と呼ぶことがあります。少し暗い場所に咲くことが多く、フラッシュを使わないと写真が撮れないこともよくあります。そのような場所でもヒラタハナアブやトラマルハナバチなど、多くの生き物がタマアジサイの花を求めて集まっていました。

今日のことば

戦時中や敗戦後の混乱期には、煙草は配給制となり、愛煙家にとって量の少ないことが悩みの種だったそうです。何か代用になるものはないかと、手当たり次第に乾いた葉を紙で巻いて、煙が出ただけでも喜んだといいます。
この中で、最も愛用されたものがタマアジサイの葉だったのです。他の植物を引き離した格別の代用煙草として、圧倒的に王座を占めていたそうです。
『富士山の植物たち』(渡辺健二)より