フィールド日記
2013.12.08
世界農業遺産 茶草場農法
今年も残すところあと僅かとなり、一年を振り返る機会も増えてきました。
生物多様性に関係する日本の今年のニュースで注目されたものの一つに、静岡の茶草場農法の世界農業遺産登録のニュースがありました。この茶草場農法が不二聖心内の不二農園で実践されています。今年も12月に入ってすすき野原のススキは、ほぼすべて刈り取られ、今後、茶畑の肥料などに利用されていきます。
ススキが刈り取られることですすき野原は荒れ地となることから守られ、貴重な動植物が生息する生態系が維持されていきます。ススキ野原に生えるクヌギの木にはクヌギエダイガタマバチが虫こぶを作っていました。これもクヌギの木が元気であることの証です。
今日のことば
世界農業遺産は、生物多様性を守るための制度だが、ただ貴重な植物を守ればそれでよいという話ではない。評価されているのは、単なる生物多様性だけではなく、良いお茶づくりにひたむきに励んできた“静岡県の茶農家の誇り”である。そして、世界が注目する「静岡の茶草場農法」を次世代に残すために期待されることは、おいしいお茶を作る茶生産が未来に向けて発展し続けていくこと。世界農業遺産としての誇りを持ち、“おいしいお茶を作ることによって、人も生きものも幸せになる”、そんな「静岡県のお茶」を世界の未来に向けて発信していきたい。
掛川観光協会のホームページより