フィールド日記
2013.07.23
カブトムシの驚異の生命力
2013.07.23 Tueaday
高校校舎の裏の道にクヌギの木があり、近くを通ると樹液の匂いがします。その近くには、よく甲虫類が落ちています。ノコギリクワガタやカブトムシも見られる季節となりしまたが、昨日見つけたカブトムシのメスはカラスにでも食べられたのか、腹部が全く残っていませんでした。それでもなお生き続ける驚異の生命力に感動しました。
今日のことば
よだかが思い切って飛ぶときは、そらがまるで二つに切れたように思われます。一疋の甲虫(かぶとむし)が、夜だかの咽喉にはいって、ひどくもがきました。よだかはすぐそれを呑みこみましたが、その時何だかせなかがぞっとしたように思いました。
雲はもうまっくろく、東の方だけ山やけの火が赤くうつって、恐ろしいようです。よだかはむねがつかえたように思いながら、又そらへのぼりました。
また一疋の甲虫が、夜だかののどに、はいりました。そしてまるでよだかの咽喉をひっかいてばたばたしました。よだかはそれを無理にのみこんでしまいましたが、その時、急に胸がどきっとして、夜だかは大声をあげて泣き出しました。泣きながらぐるぐるぐるぐる空をめぐったのです。
(ああ、かぶとむしや、たくさんの羽虫が、毎晩僕に殺される。そしてそのただ一つの僕がこんどは鷹に殺される。それがこんなにつらいのだ。ああ、つらい、つらい。僕はもう虫をたべないで餓えて死のう。いやその前にもう鷹が僕を殺すだろう。いや、その前に、僕は遠くの遠くの空の向うに行ってしまおう。)
山焼けの火は、だんだん水のように流れてひろがり、雲も赤く燃えているようです。
「よだかの星」(宮沢賢治)より