フィールド日記
2013.05.17
富士桜の実 クマヤナギの実
2013.05.17 Friday
草木の実を眺めていると不思議と心が落ち着くのはなぜでしょう。
今、「共生の森」では富士桜(リョクガクザクラ)の実とクマヤナギの実などを見ることができます。富士桜は富士山周辺でよく見られるフォッサマグナ要素の植物です。クマヤナギの実は果実酒にも用いられます。鳥も美味であることを知っているのでしょうか。残っている実の数はそれほど多くはありませんでした。
今日のことば
富士桜は、学名Prunus incisa.Tunb.で、標準和名はマメザクラであるが、富士桜と通称されている。
その分布は、富士山と四囲の山々(愛鷹、天子、三坂、丹沢、箱根山系)や、伊豆半島、三浦半島、千葉県の清澄山などで、フォッサマグナ(大地溝帯)の特産植物である。
文字通り富士山やその火山帯の特産であり、標準名が富士桜でないのは惜しみて余りあると思う。富士山と桜は共に日本の象徴であり、その二つを併せた「富士桜」は日本産植物名の中の最高の名称ではないだろうか。園芸愛好者や盆栽界では、もっぱら富士桜の名が愛用されている。別名は乙女桜、箱根桜、山桜などで、やはり富士桜が最良である。
渡辺健二