フィールド日記
2013.05.22
シロスジヒゲナガハナバチとツチハンミョウ
2013.05.22 Wednesday
アザミの花にいろいろな虫が集まる季節となりました。写真のハチはシロスジヒゲナガハナバチです。このハチは、地中深くに巣穴を掘り花粉と蜜で幼虫を育てます。ツチハンミョウという昆虫の幼虫は花を訪れたシロスジヒゲナガハナバチの足にしがみついてその巣まで連れて行ってもらい、地中の巣を自分の住居とします。しかし、訪花するハチが必ずしもシロスジヒゲナガハナバチとは限りません。しがみついたハチがたまたまシロスジヒゲナガハナバチであったという僥倖によって彼等の命は守られているのです。
今日のことば
ツチハンミョウの幼虫が安楽な成育の場所へ辿りつくまでは、かかる難儀の連続だ。無事に行きつく可能性がどんなに低いかは容易に想像がつくだろう。それゆえにこそ、ツチハンミョウの母親はあんなにぶざまにふくれあがった腹をひきずっているのだ。彼女は何千という卵をうむ義務がある。数えきれぬ子供たちのなかから特別な幸運児だけが、ツチハンミョウの歴史をになう一員となれるのだ。
北杜夫