フィールド日記
2013.02.01
すすき野原の乾し草 フィトンチットの効用
2013.02.01 Friday
不二聖心で以前、理科を教えてくださっていた保坂貞治先生が、岳麓新聞に「緑の地球環境3 日常生活の中でのフィトンチットの効用」というタイトルの文章をお書きになりました。たいへん興味深い内容でしたので、一部を引用してみたいと思います。
野菜が淡白な味で癖がなくて食べやすいのは長い間の品種改良のたまものです。その結果、野菜は食べやすくおいしくなりましたが、私たちが畑から採集して持ち帰り、食べ残したり忘れて放置すると数日で痛み、やがて腐ってしまうのです。山野草には、本来生長の過程で出合う様々な細菌や微生物などから身を守る自己防衛物質のフィトンチットがあります。この成分は野菜の持つエゴミや辛み、あく、香りの成分です。この成分は食べにくいが何かしら薬効があり、健康に良い効果があります。山野草は採集したり、刈り取ってそのまま放置しても、この成分のお陰で腐らず水分を失うが、乾燥して干からびることを経験的にご存じだと思います。土手の草を刈ってそのままにして置くと、乾草になるのはそのためなのです。
不二聖心でもすすき野原の縁に刈り取られた草が積まれていて、いつのまにか乾し草になっていました。この姿こそが野の草であることの証だったのです。
今日のことば
欲無ければ一切足り、求むるあれば万事窮す。
良寛