フィールド日記
2013.02.15
キッコウハグマと閉鎖花
2013.02.15 Friday
林道でキク科のキッコウハグマを見つけました。キッコウハグマは、蕾のまま花を開かずに自家受粉する閉鎖花をつけることがあります。自家受粉は他の花から花粉を運ぶ必要がないだけ受粉が容易になり、それだけ種子を多くつけることができます。しかし、そのようにしてできた種子は同じ遺伝子を持つことになり、遺伝子の多様性は失われます。ある生物の繁栄がするためには、個体数を増やすことと遺伝子の多様性を保つことの二つの手段があります。キッコウハグマは、時に自家受粉をし、時に他家受粉をすることによって、その両方の戦略をとろうとしているわけです。閉鎖花が生まれた意味を考えるだけで自然界の不思議を実感することができます。
今日のことば
善事とは神を信じることである、悪事とは神から離れて人と自己とに頼ることである。そのほかに善事もなければ悪事もない。病気は必ずしも悪事ではない。もし私たちを善なる神に導くならば病気もまた善事である。健康は必ずしも善事でない。もし健康が人に自己を頼らせ、自己を賢いと思わせるようになるならば、健康はかえって悪事である。貧困も同じことである。その反対の富貴も同じことである。
内村鑑三