フィールド日記
2013.02.24
与謝野晶子の「ぬか」 ミノゴケの別名「カギバダンツウゴケ」
2013.02.24 Sunday
今日の静岡新聞に掲載された今野寿美さんの「晶子百歌繚乱」に与謝野晶子の「あるかぎりよき夢を見てくれなゐの林檎は眠る糠(ぬか)の中にて」という歌が紹介されていました。歌のあとに今野さんの文章が次のように続きます。
かつて、りんごは産地から木箱に詰められて届いた。傷まないよう籾殻に埋もれていた。その籾殻を古来、糠ともいい、同じ言い方が残っている地域は今もあるらしい。
この文章を読んで、籾殻(もみがら)の中に林檎を探した懐かしい記憶がよみがえりました。驚いたのは与謝野晶子が「もみがら」を「ぬか」と表現していることです。
今日は物の名前でもう一つ驚いたことがありました。2月21日の「不二聖心のフィールド日記」で紹介したミノゴケの別名がカギバダンツウゴケであると知ったことです。葉先が鉤のように曲がっていて模様が緞通に似ていることから、「カギバダンツウゴケ」と名付けられたというのです。写真は顕微鏡写真です。顕微鏡のない時代によくこの名前を生み出すことができたものだと、古人の観察力に感心します。
今日のことば
何て言うかな、ほら、あー生まれてきて良かったなって思うことが何べんかあるじゃない。そのために人間生きてんじゃねえのか。
寅さん