フィールド日記
2012.11.08
モンシロチョウの驚くべき生存率
2012.11.8 Thursday
11月5日に「共生の森」でモンシロチョウの羽化の様子を観察しました。11月に羽化とは珍しいと
思いましたが、「共生の森」にはモンシロチョウの大好きなイヌガラシがたくさん生えていて、モンシ
ロチョウは珍しくないのであまり気にとめませんでした。しかし今日、矢島稔さんの次の文章を読んで、
考え方がまったく変わりました。
私自身、モンシロチョウの生存率を調べたことがある。100個の卵を野外のキャベツにつけ、まったく
人間が干渉しないで、節目節目に生きている個体を調べた。
だいぶ以前のことで細かい死因などは省略するが、孵化した幼虫は86匹、2令幼虫になったもの47匹、
3令になったもの40匹、4令になったもの36匹、5令になったもの34匹、蛹になったもの5匹、羽化した
(成虫になった)もの2匹であった。
つまり98パーセントは死ぬわけで、昆虫類の生存率はそのカーブからL型といわれるが、自然界で生き
残るきびしさがよくわかる。
花々が咲きモンシロチョウが舞う「共生の森」の風景はとても穏やかな感じがしますが、生き物たち
の共生の背後に、このような厳しさがあることに驚きました。この事実を知って以来、一枚の写真に向
ける自分のまなざしも大きく変わりました。学ぶということは、物事が違って見えてくることだと改め
て思いました。
今日のことば
高校3年生の短歌
にじむ空それでも見上げ進んだら今よりちょっとは楽になるかな
つらくても心折れても進むんだもう落ち込まない諦めない
(もうだめ…。)と心の底で叫ぶ時 応えてくれる友がいること
ポケットに手をつっ込んで注意され名言飛び出す「ポケットすんな!!」
仲間とのこのひとときが楽しくて今日も私は五線譜を追う
無謀でも後悔のない道選べ母の言葉に涙あふるる
黄昏に友と夕日をながめつつ不二での秋が静かに去りゆく