フィールド日記
2012.10.05
陰暦20日の月と温暖化指標生物のコハクオナジマイマイ
2012.10.05 Friday
今日は陰暦の8月20日です。下の写真の中心には20日の月が写っています。十五夜の丸い月と比較する
とだいぶ月が欠けてきている様子がわかります。月の入りも遅くなってきているので、朝の空に浮かぶ月
の写真を撮ることができました。時間は7時27分です。
朝はかなり涼しくなってきました。夏の間は、あれだけ敏感に反応したショウリョウバッタモドキも
今日は全く動く気配がなく、簡単に接写することができました。
それでも日中は、気温が30度近くまで上がりました。下の写真は、もともと南の地方に生息していた
コハクオナジマイマイです。今年のような暑い年は、コハクオナジマイマイにとって生息域を広げる
格好の年ということになります。
今日のことば
アーミッシュの村で過ごしたのはわずか一日です。それもただ田園地帯をぐるぐるとうろついていた
に過ぎません。けれども、ひとつひとつの風景が忘れがたく心に残るのでした。
太陽が傾きかけ、家々から立ち昇る煙にもやる農場で、一人ポツンとブランコに座っていた少年。
あれからどんな夕べを過ごしたのでしょう。
農場の納屋の前で、くわを担いで話し合っていた二人の青年。一体どんな会話をしていたのだろう。
そして夕暮れの淡い光の中で、馬を走らせながら大地を耕す老夫婦のシルエット。それは中世の風景画
を見ているようでした。
私たちが信じて疑わなかった、人間の進歩の歴史。そして今、進歩というものが内包する影に私たちは
気づき始め、呆然と立ち尽くしています。けれども、アーミッシュの人びとが一体何を語りかけている
のか、ぼくにはまだわかりません。
「アーミッシュの人びと」(星野道夫)より