フィールド日記
2012.10.21
ナンバンギセル 鹿の糞を運ぶオオセンチコガネ
2012.10.21 Sunday
「共生の森」でナンバンギセルがまだ咲いていました。植物の観察は、いつ咲き始めたかという点と
ともにいつまで咲いていたかという点も重要なポイントになります。
昆虫についてもいつまで見られたかということは大切な観察のポイントになりますが、今日は
「共生の森」で糞虫のオオセンチコガネが2匹一緒に飛んでいるのを目にし、そのあとで鹿の糞を
運ぶ様子も観察しました。甲虫が徐々に姿を消していく中でオオセンチコガネはまだまだ元気に活
動を続けています。糞を運ぶのを見ていて、まるでファーブルの世界にいるような気分になりました。
オオセンチコガネは地域によって、さまざまな色彩変異が見られますが、不二聖心で見られるオオセ
ンチコガネはほぼすべて赤紫色をしています。
今日のことば
所 謂『文明』を嫌ったヘルン(ラフカディオ・ハーン)は、反対にあらゆる自然を深く愛した。特に
虫や鳥やの小動物を愛し、蛇、蛙、蝉、蜘蛛、蜻蛉、蝶などが好きであった。それらの小動物に対して、
彼はいつも『あなた』という言葉で呼びかけ、人間と話すようにして話をした。そうした彼の宇宙的博
愛主義は、草木万有の中に霊性が有ると信じられているところの、仏教的な汎神論にもとづいて居た。
それ故彼は、動物を始め植物に至るまで、すべて生物を虐めたり殺したりすることを非常に叱った。
女中が蛇を追ったといって叱られ、植木屋が筍を抜いたといって怒られ、はては『おババさま』の姑で
さえが、枯れた朝顔をぬいたというので『おババさま好き人です。しかし朝顔に気の毒しました』と叱言
を言われた。
「小泉八雲の家庭生活」(萩原朔太郎)より