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フィールド日記

2012.09.05

樹液の雫  ヒカゲチョウ

  2012.09.05 Tuesday

 今朝も樹液とそこに集まる虫の様子を観察しました。
樹液は雫がたれるほどよく出ていました。まだまだボクトウガの活動は活発なようです。

 カナブンも貪るように樹液をなめていました。


ヒカゲチョウがいました。ヒカゲチョウは樹液に集まる、常連のチョウです。よく似た仲間に
クロヒカゲがいますが、標高200メートル程度の不二聖心でよく見られるのは、ヒカゲチョウの方です。
ヒカゲチョウやクロヒカゲは、大陸にも日本にも生息していますが、ヒカゲチョウは北海道にはいません。
チョウの研究家として著名な高橋真弓先生は、「クロヒカゲより遅れて生息域を北に広げたヒカゲチョウ
が本州の北端のあたりに到着した時には、津軽海峡によって本州と北海道が分断されていたので北海道に
渡れなかった可能性がある」と述べられています。
大地の歴史に運命を変えられたチョウという視点を含めると、この地味なチョウがとても魅力的なチョウ
に見えてきます。
 

 

 

                今日のことば

「センス・オブ・ワンダー」というのは、何かに対して感動する心であり、驚きの気持ちですね。
美しい地球の景色に対して、素直に驚ける、素直に感動できるような心を持つことが大事だと思います。
「別に珍しくないんじゃない」なんて白けずに、「あ、すごい」と感じられるかどうか。「こんな景色
は見たことがない」と感じるかどうかですね。「ふーん、別に、そんなに」って言ってしまうことで逃
してしまっている感動って、かなりあるんじゃないかなと思います。

                                     

                                 野口聡一