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フィールド日記

2012.02.14

送別会  ヨコヅナサシガメ

  2012.02.14 Tuesday

 今日は高校3年生の送別会が行われました。下級生は劇や歌を通して高校3年生に感謝の気持ちを伝えました。

 

 お茶畑の横の雑木林のクヌギの幹の割れ目に体を潜りこませるようにしてヨコヅナサシガメが越冬していました。ヨコヅナサシガメについては2003年8月17日の神奈川新聞に神奈川県立生命の星・地球博物館の学芸員高桑正敏先生の興味深い文章が載りました。その一部を以下に引用します。 

 最近になって博物館への照会が目立つ昆虫の一つがヨコヅナサシガメである。急増した昆虫は他にいくつもあるのだが、照会が多いということはそれだけ人目について、かつ何か怪しげだからであろう。
この中国原産のカメムシは、一九二八年に九州で初めて発見された。積み荷にまぎれて日本にやってきたと考えられる。その後の分布拡大はゆるやかなもので、八〇年代までは東海地方でもほとんど発見されていなかった。ところが、九一年になっていきなり横浜市青葉区で発生が確認され、九五年には遠く栃木県で発見されるに至った。
県内ではその後、九五年に真鶴半島で追加発見されたのを契機に、小田原市をはじめ県西各地で多数が確認されるようになった。分布拡大の様子は東名高速沿いで顕著らしいこと、飛び火分布の傾向もあることから、分布拡大にはトラックなど輸送機関が大きく関与しているものと推測されている。

 以前に高桑正敏先生にお会いした時に、不二聖心にヨコヅナサシガメが多く見られるのは学校のすぐ近くを東名高速が走っているからでしょうかと質問したことがあります。高桑先生のお答えは、今やヨコヅナサシガメの数が増えすぎて分布拡大の経路の確認は不可能になってしまったということでした。大型の食肉性昆虫であるヨコヅナサシガメが不二聖心の自然の生態系に悪影響を与えていないか、懸念されます。


 

今日のことば 

朝の挨拶     菅原克己

さわやかな目覚めに
わが家に
朝陽がさしているのを見た。
それから
妻が野菜を切っている音を聞いた。
僕はささやかなことが好きだ。
くらしのなかで
詩が静かな不意打ちのように
やってくるというのはほんとうだ。
もうじき
風にのって
とぎれとぎれに聞こえてくる
丘の上の中学校の
いつものオルガンの挨拶さえ……