フィールド日記
2012.01.28
ヤママユガの繭
2012.01.28 Saturday
お茶畑の近くの雑木林でヤママユガの繭を見つけました。ヤママユガは野生の蚕で天蚕とも呼ばれます。ヤママユガと聞いて、中学1年生で学習したヘルマン・ヘッセの「少年の日の思い出」を思い出す人もいるでしょう。ヤママユガは雑木林のクヌギの葉を食べますので、雑木林が私たちの生活の身近にあったころは、ヤママユガもよく見られる生き物でした。(雑木林に植えられているクヌギやコナラが大昔から身近な樹木であったことは、クヌギやコナラの総称として「ははそ」という古語が残り、そこから「ははそはの」という枕詞が生まれたことからもわかります。)今は生活の場所の多くを奪われてしまったヤママユガですが、不二聖心ではまだその姿を身近に見ることができます。
天蚕は明治時代から皇居内でも飼育が続けられ、現在は美智子皇后様がその飼育を引き継いでいらっしゃいます。
今日のことば
子に告げぬ哀しみもあらむをははそはの母清やかに老い給ひけり
美智子皇后様