フィールド日記
2011.10.14
オオセンチコガネとムネアカセンチコガネ --不二聖心の糞虫たち--
平成23年10月14日 金曜日
高校3年生が、わざわざ職員室まで、つかまえたオオセンチコガネを持ってきてくれました。
姿の美しさにひかれたようでしたが、糞虫であると伝える と少々がっかりしたようすでした。確かに、
草食獣の糞を食べて生きる虫がなぜこんなにも美しい姿になるのか、不思議でなりません。
静岡高校出身の作家の三 木卓は「糞のような素材を用いてそこに燦然たる美が生み出されるというのは、
生が高度な秩序の創造というすばらしい営為であることをはっきりと示してい る。」といささか大げさな表現で、この不思議を表現しています。
オオセンチコガネがたくさん見られるということは、
それだけ多くの草食獣が不二聖心に生息していることを示しています。
今週は、高校1年生の教室のベランダでムネアカセンチコガネの死骸も見つけました。
こちらは県によっては絶滅危惧種に指定している希少種です。
昨年も理科室から本館への渡り廊下で採集しており、2年続けての発見となりました。
今日のことば
飢えた子の前で、文学は可能か。
サルトル