フィールド日記
2011.09.06
コハクオナジマイマイ
平成23年9月6日 火曜日
すすき野原で繁殖しているカタツムリの名前がわかりました。コハクオナジマイマイでした。
このカタツムリについて、国立科学博物館発行の「科博メールマガジン」(2009.11.12)に、
動物研究部の長谷川和範さんの興味深い文章が出ています。
今年の秋の初め頃、つくば市にある自宅の庭で見慣れないカタツムリを見つけました。今や秋葉原から
快速電車45分で結ばれるつくば市も、駅から15分も 歩くと、まだヒタチマイマイ、ニッポンマイマイなど
在来のカタツムリが這い回る自然が残されています。我が家の庭にもそれらを含め5~6種が見られるのですが、今回目に留まったのは、2cmほどの小型の種類で、殻がとても薄く、特徴的な黄色い内臓(中腸腺)が
透けて見えることから、すぐにコハクオナジマイマイであることがわかりました。これは日本固有の種類で、
元来山口県や四国以西にのみ分布していたのですが、1990年代に突然千葉県と神奈川県で相次いで見つかって
以来、関東でも少しずつ分布を広げています。茨城県ではまだ確実な記録はないようで、
これが恐らく現時点の北(東)限となります。人為的な拡 散とは思いますが、温暖化も影響している
のかもしれません。いずれにしても今後の分布の動向が気になります。皆さんも周りにいるかもしれない、
小型で薄くて「黄色い」カタツムリにご注意ください。
私たちの気づかぬところで静かに自然が変わりつつあることを今回も感じました。
そのわずかな変化に気づくために私たちは「知る」努力をしていかなければなりません。
今日も不二聖心ではたくさんのコハクオナジマイマイを見かけました。
その数はますます増えていくことでしょう。
今日のことば
Time is , out of which
Eternity is made.
聖心女子大学 初代学長 マザー・エリザベス・ブリット