フィールド日記
2011.08.13
クサギ・カブラハバチ・スズバチ
平成23年8月13日 土曜日
猛暑の不二聖心で貴重な発見をしました。
日当たりのさほど良くない、キャンプ場に向かう道でもクサギの花が咲き始めました。
クサギは美しい花を咲かせますが、悪臭を放つので「臭い木=クサギ」と名付けられました。
そのクサギの葉の上にカブラハバチがいました。しかも数匹がとまっていました。何かあると思いつつ
坂道を上がり、またクサギの木を見つけました。そこにも同じようにたくさんのカブラハバチがいたのです。
クサギとカブラハバチに特別なつながりがあることを確信し、帰宅後いろいろと調べてみました。その結果、
カブラハバチがクサギにいる理由として考えられることは二つあることがわかりました。
一つは、クサギの葉に生えている腺毛状突起を摂食することで体内にクサギの苦味物質を取り込み
外敵から身を守る一助としているというものでした。もう一 つの説はさらに驚くべきことを伝えていました。
クサギの腺毛状突起を摂食したカブラハバチは体内の成熟卵の数が増える傾向があるというのです。
つまりクサ ギにカブラハバチが集まるのは生殖能力を高めるためということです。
「カブラ」は「大根」の古い言い方であり、カブラハバチは大根の害虫として知られていますが、
大根の真の敵はカブラハバチではなくクサギであったのかもしれません。
温情舎小学校の跡地の石垣にスズバチがとまっていました。カブラハバチが比較的原始的な種類の
ハチであるのに対して、スズバチは進化の最先端をいくスズメバチ科に属しています。
スズバチは、土を用いて巣を作り、その中に卵を産み幼虫を育てます。