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フィールド日記

2011.08.10

カヤキリ・ジャノメチョウ・エビイロカメムシ

平成23年8月10日 水曜日

 この夏、初めてツクツクボウシの鳴く声を耳にしました。昆虫学者の矢島稔氏は
「東京あたりでは八月の中頃から鳴き出し、この声を聞くと『宿題やったか』といわれているようで、
苦々しい奴だと思ったことがある」と書いています。

 今日は、不二聖心のフィールドのすばらしさを再認識することができました。
まずは下の写真をご覧ください。何かが隠れているのがわかるでしょうか。

 中央に写っているのがカヤキリというキリギリス科の昆虫で、10の都道府県で、絶滅危惧種・準絶滅危惧種に指定されています。草に見事に同化してしまっていて、
上に突き出ている産卵管の赤茶けた色だけが少し目立つ程度です。
カヤキリはススキ野原を好みますが、飛ぶことが苦手で移動能力が低いので環境破壊に非常に弱いと言われます。手入れの行き届いたすすき野原でしか生息できないのです。
その点で不二聖心のすすき野原は格好の生息場所です。
次は、ジャノメチョウです。東京都は、このチョウを絶滅危惧Ⅰ類に指定しています。幼虫の食草はススキです。

 ススキが養う命はまだまだあります。エビイロカメムシもその一つです。
今日は初めて幼虫を撮影することができました。

 これ以外にも何種かの希少種に出会うことができました。運が良ければ、
ごく短時間に絶滅危惧種にいくつも出会えてしまうフィールド、それが不二聖心のフィールドです。