フィールド日記
2011.07.18
ラミーカミキリ・フクラスズメ
平成23年7月18日 月曜日
台風6号の接近の影響か、時々小雨の降るなか、フィールドを歩いてみました。
温情舎の校舎跡は一か月ほど前にきれいに草が刈られてしまいましたが、そこに勢いよく生えだしたのが
イラクサ科のカラムシです。あきれるほどの生命力を持つカラムシを食草とする生物は、
同じようにすばらしい繁殖力を持つことになります。
そのような生き物を2例観察しました。
1例目は、ラミーカミキリです。「ラミー」もイラクサ科の植物の名前です。1873年に長崎で記録されたのが
日本で最初の記録です。輸入されたラミーとともに大陸から入ってきたと考えられています。
人間の活動の影響を受けた昆虫の一つです。
韓国体験学習でラミーの畑を見つけた時には思わずラミーカミキリを探してしまいました。
2例目は、フクラスズメの幼虫です。成虫が冬にも見られる蛾として知られています。
以前、晩 秋に中3松組の教室に成虫が迷い込んできたことがありました。
堀辰雄の『風立ちぬ』の「十二月一日」の、「夜、そんな蛾がどこからともなく飛んで来て、
閉め切った窓硝子にはげしくぶつかり、その打撃で自ら傷つきながら、なおも生を求めてやまないように、
死に身になって硝子に孔をあけようと試みている。」という一節に登場する蛾はフクラスズメであろうと
言われています。
写真の幼虫は、こちらの存在に気がついて威嚇をしています。さらに激しく体を震わせる個体もいます。
幼虫も成虫も気性の荒いところがあるのでしょうか。