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フィールド日記

2011.06.27

キンケハラナガツチバチ・エビイロカメムシ・カバキコマチグモ・ホタルブクロ

平成23年6月27日

 今日は久しぶりにすすき野原を歩いてみました。
まず見つけたのは、キンケハラナガツチバチのメスです。なかなか大型の個体です。コガネムシの幼虫に
寄生するという、極めてユニークな生態を持っているハチです。キンケハラナガツチバチがどのコガネムシに
寄生するのかはまだわかっていません。
ツチバチの興味深い生態については、集英社文庫の『ファーブル昆虫記』(奥本大三郎訳)の第2巻の
「コガネムシを狩るツチバチ」に非常にわかりやすく解説されています。

イネ科の植物の汁を吸うエビイロカメムシがススキの葉の上にいました。


ススキの葉を食べ物にしている種もいれば、巣の材として活用する種もいます。
下の写真はカバキコマチグモの巣です。ススキの葉を巧みに細工して巣を作っています。
中にはやがて母親となるメスが潜んでいますが、カバキコマチグモの母親は、最後は我が身を子どもに
食べさせてしまうという、驚くべき生態を持っています。神奈川県で雑木林の生物の観察を続ける菅野徹さんは、著書『町なかの 花ごよみ鳥ごよみ』の中で「カバキコマチグモは、ススキの原があれば、
どこにでもいる普通の種類だったが、この十年以上、私の調査区ではまったくいなく なってしまった。
絶滅したのだろうが、原因は不明。」とお書きになっています。幸い不二聖心では今もたくさんの
カバキコマチグモを見ることができます。


すすき野原には、ホタルブクロもたくさん咲いていました。校舎の近くのホタルブクロと比べると花が
一回り大きかったです。今年は不二聖心の図書館の近くでのホタルの目撃情報もあり、
子どもたちがこの花にホタルを入れて遊んだ時代がいっそう偲ばれます。