校長室から

2019年09月

2019.09.20

ナントの聖心にて

先週、フランスのナントにある姉妹校を訪問しました。祖母・母がフランスの聖心の卒業生です、という国際交流担当の先生が駅まで迎えに来てくださいました。校長先生は日本に2度いらしたことのある男性の方で、校長室には日本の絵画が飾られていました。他のフランスの私学同様、ナントの聖心は共学です。第一印象は、不二聖心とは随分違うようにも感じましたが、次第に、同じ創立者の精神が息づく学校としての共通点も見えてきました。

札幌聖心に留学していた生徒の隣りで、一時間、フランス文学の授業にも参加しました。その教室は、日本にも多くみられる教師・生徒が対面式の形態でしたが、生徒の発言で授業がつくられていくのが印象的でした。高校2年生ですので、バカロレアを意識していることもあるのでしょうが、睡魔に襲われがちな昼休み直後の授業にもかかわらず眠そうな生徒は一人もいませんでした。

この学校には、第3外国語の一つに日本語の授業があります。そこで教えていらっしゃる日本人の先生が、留学生として迎えてきた生徒達に関して、「フランス語がよく話せるからといって相手に伝わるわけではないし、上手ではないから伝わらないわけでもない」とおっしゃっていました。世界中どこにいても、人として大切なことは変わらない同じなのでしょう。志の高さ、賢明さ、そしてたくましさをもって、いつかここで学ぶ生徒が出てくるかもしれません。