校長室から

2019.03.12

日本画家によるマーテル・アドミラビリス

 パーラーにかけられているマーテル・アドミラビリスの絵。19世紀にシスターポーリーヌ・ペルドゥローによって書かれたフレスコ画の原画はローマにあります。やがてこの聖マリアの姿が、聖心の生徒の理想像と結びつけてとらえられるようになり、A. Solinasという画家によって描かれた模写が世界中の聖心で見られるようになりました。本学院にも幾つかSolinas作があるのですが、本館のパーラーにあるマーテルは、歴代天皇の肖像画や、旧紙幣の聖徳太子、伊藤博文、岩倉具視の肖像画を描かれた馬堀法眼画伯の手によるものであることは刻印から知っていました。でも、なぜ画伯がマーテルを描かれたのか理由はわからず、国内外からのお客様から尋ねられても答えることができないでいました。先日、ある卒業生の方が、シスター木村すみ子の校長時代にご家族が馬堀画伯に依頼し学院に寄贈されたものであるということを話してくださいました。聖書に、「右の手のしていることを左の手に知らせてはならない」(マタイ6章3節)とあるように、一切、公には話題にされなかったようです。そろそろ補修が必要な時期と思われての告白でした。いずれ、画伯がどのようにこの絵を描かれたか等、エピソードを書いていただきたいと思っています。