校長室から
2013.12.18
冬休み前の全校集会での話より抜粋(2013年12月18日)
12月5日、ネルソン・マンデラの帰天が報じられました。世界中が彼の死を悼み、葬儀には、各国の国家元首を始め多くの人が参列しました。マンデラは、若くして反アパルトヘイト運動に身を投じたことから1964年に国家反逆罪で終身刑の判決を受け、27年間に及ぶ獄中生活を送りました。釈放後、1991年にアフリカ民族会議(ANC)の議長に就任し、アパルトヘイト撤廃に尽力した功績から1993年にノーベル平和賞を受賞、翌年、南アフリカで初めて全ての人種の人々が参加して実施された選挙を経て大統領に就任した後も民族和解の政策を推進し、全民族融和の象徴として尊敬を集めました。彼をこのように導いたのは、若き日にキリスト教のミッション・スクールで受けた教育だったと言われます。実際、彼自身、メソジスト系のクリスチャンでした。
富士山が世界遺産になった今年、不二農園の紅茶タダニシキを使ったソフィアージュのプロジェクトがきっかけで、11月20日に県内の私学として初めて川勝知事が不二聖心をしてくださいました。聖堂で手を合わせられた時のご様子、代表の生徒一人ひとりへの対応のされ方、「不二聖心の“不二”とはどのような意味かわかりますか?この校名にふさわしく、二人といない自分を大切にしてください。」というお言葉等から、「もしかしたら?」と思ったのですが、後に京都のカトリック系ミッション・スクールのご出身であることを知りました。
皆さんが、「若さを価値あるものとする」ということは、二人といない自分を大切にすることでもあります。先生方も含めて、ここにいる私たちには、この世界でたった一人の存在として生を受けた者として、その人にしか果たせない使命(ミッション)が与えられています。それはネルソン・マンデラでも、ここにいるあなたでも同じことです。マンデラは、自らの命さえ顧みず、黒人に対する差別撤廃に取り組みました。一見、自分のことを捨てているかのような人生ですが、深いところで自らを支える意志に忠実であった彼は、本当の意味で自分を大切にした生きた方をしたといえるでしょう。これからも、本年度の目標「知性を磨く~若さを価値あるものとせよ~」を心に刻み、与えられた今を真に価値あるものとする努力を続けるあなたたちであってください。
皆さんとご家族の方々の上に神様の祝福を祈ります。良いクリスマスと新年を迎えられることを願いつつ、1月にまたこうして皆で集える日を心待ちにしています。