フィールド日記
2013.10.28
ノブドウの実
裏道のノブドウの実の写真を撮りました。野の宝石と呼びたいような美しい実です。宮沢賢治は、童話「めくらぶどうと虹」の虹がノブドウに語りかける言葉の中で、「まことのちからが、これらの中にあらわれるときは、すべてのおとろえるもの、しわむもの、さだめないもの、はかないもの、みなかぎりないいのちです。」と表現しました。賢治の残した言葉の中でもとりわけ美しい言葉です。
今日のことば
うつくしい自然よ
どうしたら どうしたら
あなたのうつくしさに
つり合えるだろう
くつを脱いで わたしははだしになってみた
森のしずけさ
風にたわむ 枝のやさしさ
ひと知れずみのる野ぶどうの
思いのゆたかさ
どうしたら つり合えるだろう
うつくしい自然よ 自然よ
わたしはひねもすだまっていた ことばを捨てて
新川和江