フィールド日記
2012年07月
2012.07.10
「共生の森」の記事 ヒグラシ サンショウ
2012.07.10 Tuesday
高1の総合学習で行っている森づくりについての記事が岳麓新聞に載りました。
次の写真は今朝の「共生の森」の様子です。今日もヒグラシが支柱にとまっていました。
サンショウの写真の葉先が丸まっているのがわかるでしょうか。いつのまにかクモがサンショウの葉を利用して巣を作っていたのです。一つの環境の豊かさを判断する時、そこに生息するクモの種類の多様性も重要な指標になります。
今日のことば
未来が其の胸中に在る者、之を青年と言う。
植木枝盛
2012.07.09
ヒメコバチ キコガサタケ
2012.07.9 Monday
先週から不二聖心で大発生している虫の正体が専門家の協力によって明らかになりました。
どうやらコバエではなく、ヒメコバチ科(Eulophidae) の「フカイウスマユヒメコバチ」の近縁種であるようです。ヒメコバチは寄生蜂ですので、寄主もまたどこかで大量発生している可能性があります。下の画像は顕微鏡写真で体長は約2.5mmです。
キャンプ場の芝地に華奢なきのこが多数発生しています。キコガサタケというきのこです。
今日のことば
あなたのそばにいる貧しい人、弱い人、さみしい人を心から大切にしてあげてください。
いじわるな子、おやつを食べてしまった小さな弟、おこりんぼのおとなりのおばちゃん。
この人達に、腹を立てないで、やさしくほほえみを向けてください。
マザー・テレサ
2012.07.08
ムラサキカタバミ コクワガタ
2012.07.08 Sunday
今日は「夏休み子供自然体験教室」で歩く予定のコースの下見をしてみました。先ずはお茶畑を通って雑木林へと向かいますが、お茶の木の周りにはたくさんのムラサキカタバミが咲いていました。
雑木林では今年初めてクワガタの姿を目にしました。コクワガタのオスでしたが、クワガタやカブトムシが見られるようになると、いよいよ夏本番という感じがします。
今日のことば
この道を行けば、どうなるものか。迷わず行けよ、行けば分かるさ。
アントニオ猪木
2012.07.08
ムラサキカタバミ コクワガタ
2012.07.08 Sunday
今日は「夏休み子供自然体験教室」で歩く予定のコースの下見をしてみました。先ずはお茶畑を通って雑木林へと向かいますが、お茶の木の周りにはたくさんのムラサキカタバミが咲いていました。
雑木林では今年初めてクワガタの姿を目にしました。コクワガタのオスでしたが、クワガタやカブトムシが見られるようになると、いよいよ夏本番という感じがします。
今日のことば
この道を行けば、どうなるものか。迷わず行けよ、行けば分かるさ。
アントニオ猪木
2012.07.07
ニイニイゼミの抜け殻 キタテハ(夏型)
2012.07.7 Saturday
昨日は「共生の森」でヒグラシの抜け殻を見つけましたが、今日はヤマブドウの支柱にニイニイゼミの抜け殻が付いているのを見つけました。ヒグラシの抜け殻と比較して透明度がなく殻全体を土が覆っています。昨年まで中学3年生の国語の教科書に載っていた「岩に爪たてて空蝉泥まみれ」(西東三鬼)の句の「空蝉」はニイニイゼミと考えて間違いないのではと思います。
「共生の森」でキタテハ(夏型)の写真を撮りました。6月10日にもキタテハ(夏型)を紹介しましたが、それよりも翅の模様の黒が濃いように感じます。
今日のことば
「見よ、この大地を! 三十九億年の地球の生命の歴史と巨大な太陽のエネルギーの下での
生命のドラマが目の前にある。まず現場に出て、目で見て、匂いを嗅いで、舐めて触って調
べろ! 現代人には二つのタイプがある。見えるものしか見ないタイプと、見えないものを
見ようと努力するタイプだ。きみは後者だ。現場が発しているかすかな情報から見えない全
体を読み取りなさい」
『三十光年の星たち』(宮本輝)より
2012.07.06
ヒグラシの羽化
2012.07.6 Friday
「共生の森」に高校1年梅組4班の生徒が植えたスダジイの木でヒグラシが羽化していました。
他にも別に2匹、ヒグラシの羽化を確認しました。「共生の森」がヒグラシの鳴き声に満ちる日が間もなくやってくることでしょう。
羽化したてのヒグラシの透き通るような緑色に深い感動を覚えました。
今日のことば
生まれるに時があり、死ぬに時がある。泣くに時があり、笑うに時がある。神は全てのもの
を時に適ったものとして美しく造った。
「伝道の書」より
2012.07.05
クリ ブルーベリー
2012.07.5 Thursday
いつの間にか栗の実が育ち始めていました。「栗花落」と書いて「つゆり」さんと読む名字の方がいらっしゃいますが、「つゆり」は「梅雨入り」を意味しています。栗の花が落ちる頃、梅雨が始まるというところから生まれた名字です。栗の花が落ちるのが梅雨入りの合図なら、栗の実ができ始めるのは梅雨明けが近いことを示していると言ってもいいかもしれません。
梅雨の晴れ間の「共生の森」ではブルーベリーの実が静かに輝きをはなっていました。
今日のことば
「人間に出来ることなんて、そんなたいしたことじゃないんだよ。みんなは、木村はよく頑
張ったって言うけどさ、私じゃない、リンゴの木が頑張ったんだよ。これは謙遜なんかでは
ないよ。本気でそう思ってるの。だってさ、人間はどんなに頑張っても自分ではリンゴの花
のひとつも咲かせることが出来ないんだよ。手の先にだって、足の先にだって、リンゴの花
は咲かせられないのよ。そんなことは当たり前だって思うかもしれない。そう思う人は、そ
のことの本当の意味がわかっていないのな。畑を埋め尽くした満開の花を見て、私はつくづ
くそのことを思い知ったの。この花を咲かせたのは私ではない。リンゴの木なんだとな。主
人公は人間じゃなくてリンゴの木なんだってことが、骨身に染みてわかった。それがわから
なかったんだよ。自分がリンゴを作っていると思い込んでいたの。自分がリンゴの木を管理
しているんだとな。私に出来ることは、リンゴの手伝いでしかないんだよ。失敗に失敗を積
み重ねて、ようやくそのことがわかった。それがわかるまで、ほんとうに長い時間がかかっ
たな」
『奇跡のリンゴ』より
2012.07.04
「共生の森」に植樹 ナナカマド ザトウムシ
2012.07.4 Wednesday
NPO法人「土に還る木・森づくりの会」の方々の協力を得て、高校1年生が「共生の森」に約50本の苗木を植樹しました。樹種も多様で、ナナカマドやブルーベリーなど、今まで不二聖心では見られなかった木もたくさん植えることができました。
生徒たちは木を植えながら、いろいろな生物を観察して楽しんでいました。写真に写っているクモのような生物はザトウムシでダニに寄生されている様子もよくわかります。
今日のことば
やはり、何かにひざまずく心がないといけませんね。日本人は太古の昔から、人間なんて自
然のほんの一部だと、非常に謙虚だった。人間と自然が一体になった日本の自然観は、今後
ますます大事になっていくでしょう。だから日本が、この素晴らしい文化を世界に広めてい
くことこそが、大きな国際貢献になる。どしどし世界に発信していくべきだと思う。
藤原正彦
2012.07.03
白髪太郎の繭 スカシダワラ
2012.07.3 Tuesday
NPO法人「土に還る木・森づくりの会」副代表の小松豊さんから、6月29日の「不二聖心のフィールド日記」について、質問をいただきました。それは次のような内容でした。
先日「不二聖心フィールド日記」に白髭太郎が紹介されていましたが、小生が幼児期にシナンタロウという毛虫が栗の木やサルスベリの木に大量発生し、腸を取り出し、釣り糸に使った経験があります。白髭太郎とシナンタロウは同一の毛虫でしょうか。ご教示下さい。
シナンタロウが白髪太郎を指すことは間違いなく、これは貴重な情報をいただいたと感動しました。さらに詳しくうかがったところ、小松さんは白髪太郎から採り出した糸で実際にハヤやウグイを釣った経験がおありになるというのです。何という豊かな生活体験かと思います。
できれば小松さんに糸の採り方を習いたいと思って、白髪太郎を採りにいったところ、すべて繭を作り終えていました。この繭は中が透けて見えるところから「スカシダワラ」と呼ばれます。
たった1週間で自然界は全く姿を変えてしまっていました。
今日のことば
自然との共感は、完全な健康の証拠である。
ヘンリー・ソロー
2012.07.02
ハナアブ ラミーカミキリ
2012.07.02 Tuesday
クレオメの花に来ているハナアブの写真を撮りました。専門家の方に同定していただいたところ、ミナミヒメヒラタアブSphaerophoria indianaかホソヒメヒラタアブS. macrogasterの♀であることがわかりました。両者の♀は,斑紋や体形に個体変異と温度環境による変異があるため同定は困難で、概ね、体長7mmを超えるものをミナミヒメヒラタアブ、体長6mm以下のものをホソヒメヒラタアブとしているということです。
今年もまたラミーカミキリを見かける季節となりました。あるカルタに「胸の模様が目玉のようなラミーカミキリ」という読み札がありました。たしかに目玉のように見える模様です。
今日のことば
植物にせよ、小鳥にせよ、又昆虫にせよ、私は其の姿を見て其の名を口にし、其の名によっ
て其の姿を思い出せるようになりたい。それは彼等と一層親密な関係に入りたいが為である。
(中略)無知は無縁の兄弟である。愛する事によって一層よく理解し、理解する事によって
一層深く愛する事を学ぶのは、幸福の最も静かな又最も純なるものではあるまいか。
尾崎喜八