フィールド日記
2018.06.22
ヘリグロテントウノミハムシ
校内に植えられたキンモクセイにヘリグロテントウノミハムシが見られます。キンモクセイなどの葉を食べる3~4mmの小さなハムシです。しかし、名前の通り一見すると小型のテントウムシのように見えます。
生物が何か別のものに姿などを似せることを「擬態(ぎたい)」と言います。テントウムシの仲間は体に苦い毒を持っており、鳥などはこれを嫌ってテントウムシを食べないと言われています。ヘリグロテントウノミハムシはテントウムシに擬態することで、鳥などの天敵から身を守っているのだと考えられます。
実際にヘリグロテントウノミハムシにそっくりなテントウムシがいます。それが下の写真のヒメアカホシテントウです。大きさや黒地に赤い点が2つある模様など非常によく似ていますが、こちらは正真正銘のテントウムシの仲間です。この個体はお茶畑にあるヤブガラシにとまっていました。
ちなみに、人間にとってヘリグロテントウノミハムシはキンモクセイなどの葉を食べてしまう害虫ですが、ヒメアカホシテントウは害虫であるカイガラムシ類を食べてくれる益虫です。一番の見分けるポイントは触覚で、ヘリグロテントウノミハムシはヒメアカホシテントウに比べ長い触覚を持っています。